帝王
「もうちょっと安くならないか?」
「ダメダメ、これ以上は無理ですよ」
「しょうがねぇな、マリー」
「なにー?」
「お金貸してください!」
俺は店の前で金髪ロリっ子ツインテールお嬢様に土下座した。
朝から『デートだー』と嬉しそうなマリーと俺は、まるでカップルのように腕を組んでBAの装備販売店に向かう。
「あ、その前に協会な。死にそうな報酬がいくらか楽しみだぜぇ」
「分かった、そのあとお店ー?」
「ああ、流石に賞金首の金で足りるだろ」
「分かんないー」
マリーは自分で金を出したことがないらしく、相場とか知らない様子。大丈夫だろうか。
「ボス、金下さい!」
「ほら、装置をだせガキのケツ叩いたクズ」
「クズ!?」
「ふん、銀貨十枚だ」
クズ呼ばわりされたが、その言葉が消し飛ぶ大金だ!
「おら、さっさと出ていけクズ」
またクズ呼ばわりさてた。お仕置きの何が悪いってんだ。
「早くいこー。クズー」
マリーは嬉しそうに俺の顔を覗き込みながらボスの真似をする。
「お仕置きが足りなかったかなー?マリー?」
彼女は俺から顔をそらす。マリーの軽く頭を叩きつつ、二人で店に向かう。
「良い武器があるといいねー」
火炎放射以外なら大丈夫だろ。
そのあと店の前でBAが無いことを店員に指摘され、慌てて駐機場に戻った。
「この武器どうー?」
「ブーメランか、ゲームならグループ攻撃できるんだがな」
「グルーぷ攻撃?」
「あ、こっちの話だ。どうせなら近接武器がいいな」
「じゃ、あっちの剣とかー?」
「刃を上手く当てる自信がないなぁ」
「ワガママばっかりー」
命を預ける武器にこだわって何が悪いんだこのガキ!
俺が睨むとマリーはピューっと逃げて行った。逃げ足は速いなホント。
よし、やっぱりハンマーだな。カンタを見て良いなって思ってたし。
「おーい店員さーん、これ下さーい」
遠くで忙しそうにしている飛天族の店員に声を掛け、俺は購入の意思を告げる。
「はい有難う御座います!こちらのハンマーは銀貨三十枚でございます」
はい予算オーバー。何それめっちゃ高い。
「もうちょっと安くならないか?銀貨十枚とか」
「流石に我々も生活がかかっておりますので……」
しょうがない、ここは一発逆転の秘策を出すしかない。
「とっても可愛いマリーお嬢様ー!アキラ様がお呼びでーす!」
俺は財布を呼びつけた。
「なにー?」
土下座で借金を申し込むと、意外とすんなり貸してくれた。
「いいよー、でもお願いがあるのー」
財布から金貨を取り出し、店員に渡しつつ俺に交換条件を出してくる。
「まさか、俺の背中を撃ちたいと申されるか」
「そんなことしないもん!」
いやしたじゃねーか、しかも二回も。
「あのねー、またデートしてくれるー?」
俺は彼女の頭を撫でまわしすと、「やーん」なんて喜びながら俺から逃げた。
「ならエイリアン退治を付き合ってやるよ」
「うーん、それでいいよー。でも借金はトイチねー」
ミナミの帝○かっ!




