拉致られて次の街へ
「おい!アキラが居なくなっちまったぞ!」
「どこにも居ないわ!グランドさんも知らないって!」
ルフとリリアがお互い確認しあう。
「お兄ちゃん、ゴブリン退治に行ったあとからの情報が無いの」
「工場の親方もそう行っておったわ」
「先生ならきっと無事だよね?」
宿屋で仲間が俺の安否を確認しあっていたらしい。そのころ俺は拉致されてたんだけどね!
そのころ俺は電車並みにでかい車に乗せられて、荒野を走っていた。
「で、マリーよう、俺はどこに連れられているのかな?ついでに俺のBAは?」
俺は尊敬も感謝も空の彼方へと消え失せ、マリーお嬢様を呼び捨てにすることにした。しかし、官女は喜んでそれを受け入れる。マリー、君は大物だね……。
「アキラさんが気に入ったので仲間にします!あとBAは魔車に乗せてるよー!」
拾った犬猫が可愛い!気に入った!みたいな感じで俺は拉致されたのか。
荒野を走る魔車とやらはさながらキャンピングカーのように快適で、ベッドも揺れない。
「で、そこのアラヌスは何でいるの?」
つい先日、俺のBAを盗もうとしたバカがマリーの横に立っていた。
「お前の見張り役だ」
見張られるべくはお前じゃね?
「マフィアのボスにやられた怪我が俺よりひどいけど大丈夫?目が死んでない?」
「ふん、あの協会のおっさんはボコボコにしてやったぜ。俺は強いからな」
と拳を見せながら俺に言う。どう考えてもボコボコにされたのはお前です。
「ねぇねぇ、そんなことよりこれからラクスの街のこと教えてあげるね!」
「ラクス?俺はそのラクスの街とやらに連れ去られてるのか?」
「そうだよ、すっごい大きい湖の真ん中に街があるの。湖があるからエイリアンも来ないんだって」
アラヌスの補足が入り、水の中にもエイリアンは居るらしい。顔を歪めながら俺に教えてくれた。
「なぁマリー、俺の仲間に教えたいんだが」
「ダメ!もう昔の仲間の話はしないって言ったのにー!」
初耳だよそれ。しかも昔じゃなくて昨日だよ昨日。子供の時間に対する感性は独特だと思い知る。
「じゃあ、街の事よりあのリザードマンの事を教えて欲しいな。あ、カルロスはもう自己紹介済ませてるからね」
「ふふーん、いいよ。ゲンタはアラヌスより強くて、あの剣でエイリアンを一杯切っちゃうの!」
こうやってと言わんばかりに、彼女の手はまるで剣を振るかのように動かす。
しかし、名前が合ってない気がするぞ。
「他に聞きたい事とかない?何でも聞いてね!」
「じゃあ昔の仲間に連絡する方法を教えてくれ」
彼女は俺の言葉に嫌そうな顔をする。何でもって言ったよね?
「じゃあ、ラクスの街で配達人に頼めばいいよ。何でも配達してくれるから」
「料金は相応にかかるぞ。お前持ってんのか?」
アラヌスが金にかんする情報を追加する。俺は右手を出した。
「郵便みたいなもんか?金は無いからアラヌス、お前がくれ」
「何でだよ!贋金のせいで俺も金が無いんだぞ!」
と言ったらやべぇと顔をした。横で口を尖らせて拗ねたてたマリーが、その言葉を聞いて顔色を変える。
「アラヌス、ちょっとお話がありますー」
「違うんですお嬢様!俺はコイツに騙されただけです!」
「詳しい話はあちらでします。来なさいー」
自滅したアラヌスは隣の部屋に連れていかれた。死ぬ!とかギャー!とか聞こえるが気のせいだろう。悲鳴らしきものをBGMにしつつ俺は目を瞑る。
次の街で仲間に連絡しなきゃな。
俺は車に揺られながら眠りについた。
次の閑話で終わりたいと思います(多分
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