元気なお嬢様
俺は目を覚ますと、最近見慣れた宿屋では無かった。よく観察すべくベッドの上から辺りを見回す。
どうやらお金持ちの家みたいだ。あのツボで俺のBA買えそう。
「目が覚めましたか?」
いつの間にか金髪の少年が立っていた。彼は緊張しているらしく、獣人族の耳をピコピコさせている。
「ああ、誰か知らんが助かった。ありがとう」
「カルロスと申します。感謝の言葉はお嬢様にお伝えください」
「お嬢様?」
「この屋敷の主、マリーお嬢様です。ああ、お客様、お名前を伺っても?」
「ああ、アキラという。あのリザードマンにも例を言っておいてくれ」
「分かりました。ゲンタ様にお伝えしておきますね。それとお嬢様にお客人が起きたことを伝えに行ってまいります」
カルロスという少年は部屋を出てお嬢様とやらを呼びに行ったらしい。
しかし、ロックベルにお屋敷?またずいぶんな金持ちが助けてくれたもんだ。
しばらくするとノックが部屋に鳴り響き「どうぞ」との返事をするとカルロスとマリーお嬢様が部屋に入ってきた。
「こんにちは!、マリーです!BAに乗ってます!」
部屋に入るなり十二歳ぐらいの子供が気持ち良いぐらい元気に挨拶してきた。
「こんにちは。エイリアンハンターのアキラです。俺もBAに乗ってます」
返事と自己紹介は元気にね!
「どんなBAに乗ってるの?武器はー?」
子供の好奇心は凄く、グイグイくる。そんなマリーお嬢様をカルロスが咎める。
「お嬢様、アキラ様はケガが酷いのでしばらくは治療に専念して頂きましょう。つきましては部屋から出ましょう。挨拶は済んだのですから」
「えー、もっとおしゃべりしたい!カルロスのいじわるー」
「お嬢様!ゲンタ様にまた叱っていただきますよ?」
マリーお嬢様は不貞腐れつつ挨拶もそこそこに部屋を出ていった。
「アキラ様、この屋敷でしばしご養生下さい。何かあればそこのベルを鳴らしていただければすぐ僕が向かいますので」
そういうとカルロスも部屋を出ていく。尻尾可がフリフリとしてて可愛い。
しかし、ケガといってもどす黒い痣はいつ治るやら。シャルに頼めば一発なんだがなぁ
俺はケガの治療をどうするか思案しつつ、深い眠りについた。
あれから随分と眠っていたのだろう、目が覚めると深夜だった。
ケガの痛さに呻きつつ、窓から見える月を見る。
「もっと強ければ、こんなケガもしないで済むんだがな」
この異世界に来て、改めて仲間のありがたみが分かる日だった。
次の日、なぜか俺はかなり大きい車みたいなのに乗せられ街を出た。
誘拐された!?




