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嘘とポイント

 トキメクポイントが足りません。課金しますか?

 

→はい →はい →はい


 そんな選択肢を幻視しつつ、俺は彼女を観察する。


 彼女の名前はシャルロット。黒髪、ポニテ、腰には日本刀。どうやら苦無も使うみたいだが、この世界で銃を使わないのは珍しいかもしれない。


 というか見た目と名前のギャップが半端ない。


「なあ、なんで銃じゃなく苦無なんだ?」と聞いてみれば、彼女は顔を輝かして話に食いついてくる。


「これ苦無っていうの!?初めて知った。あと銃は飛天族には禁忌なのよ」


 それこそ初めて聞いたと言わんばかりの顔を仲間は俺に向けてくる。いや、その顔はどっちを聞きたいんだ?


「この剣も切れ味が凄いんだけど、手入れをしないとすぐ切れなくなっちゃうんだよねぇ」


「それ、剣じゃなく刀な。そこは譲らない」


「へぇ!これって刀って言うんだ。ありがとね!」


 ぱっと見は目が切れ目で、リリアよりも冷徹なイメージだったが、話してみると案外とっつきやすいかもしれない。


「他にも面白い話が聞けるなら、回復どころか仲間になってもいいよ」


 お、思ったよりも好感触。しかし、ネタのストックはもう無い気がする。所詮記憶喪失だし。


「あー、なら朝っぱらから悪いんだが、酒場で話てみないか?」


 いいよーなんて軽い返事を受けて、俺たちは酒場で話し合うことになった。







「アキラが今食べてるのはなぁに?」


 空を見たくて外で飴玉を舐めていると、興味津々とばかりの質問をされる。


 なぜか食べたはずの飴玉は次の日にもポケットに入っており、これのお陰で異世界での俺のエネル

ギーは補充されていると信じている。


「凄く不味いけど、俺にとってこれは素敵な魔法食なんだ」


 もちろん、嘘である。砂糖という嗜好品で、数は一日三つしかない。もっとあればなぁ。


「ふーん、私回復魔法も得意だからちょーだい」


 何が嬉しいのか、彼女は俺に向かって手を出す。


 バチンと手を叩いて拒否する。ダメに決まってんだろ、得意だから頂戴ってなんだ。


「痛ーい!ケチ!バカ!」と口を尖らせて俺に悪態をつくが、何を言われても他人に飴玉はやらん。あ、売ったのは非常事態だったからだと言い訳しておこう。








「でね、ポックル族はエイリアン退治はほかの種族にお願いすることになったの」とか、「ドワーフは酒だけでなく、食いもんにも煩いのはこういったことからじゃ」などと談笑を交えつつ酒を飲む。


「エルフは土臭いって言うのは、ガレキの街にいるルフっていう獣人だけよ」などと割と面白い話も聞けたのでよしとしよう。


「んでんで、他に何か思いろい話はないの?」


 シャルロットから質問される。土の中の話とかだけで


 もうトキメクポイント貯まったんじゃないですかねぇ!?


「って言われてもなぁ。ああそうだ。こんな話はどうだ?」


 俺は元の世界の話をしてやる事にした。


「私、明日から侍になる!」


 良いんじゃね?ついでにドレスから着物に変えれば?







 米将軍の話は今度にしよう。

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