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鉄塊の国NEXT〜悠久の絆〜  作者: jetts


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新たな仕事

 「というわけでぇ〜、ラーグ達に頼みたいんだよぉ〜」


 相変わらず甘ったるい声で中々面倒そうな依頼をくれるリルヴァ。あの宴からしばらく経ったある日、名指しの依頼が入った。


 法術国家リツァーバの領地内で冒険者の行方不明が多発しているという不穏な報告があり、その調査が俺達に回ってきた。


 選定の理由は俺達が水準以上の腕を持っていて、それぞれが連携が取れ予想外な事態への対応が高い編成であること。


 さらに活動が主に東や北方に偏っており、南方に名が通っていない。これが大きいらしい。


 リルヴァは仄めかし程度の情報しかくれなかったが、恐らく調査はこれが初めてじゃない。相手に感づかれて出し抜かれたり実力が足りなかったのだろう。


 まっ、とにかく報酬は美味いし一度行ってみたかった場所があったので二人の了承を得て受けることにした。


 早速、それぞれ旅支度をして宿を出る。


 「んじゃ、今回は現地で合流するっス。ラーグ、エルのことを襲っちゃダメっスよ」


 ヘルガはいつもの胸当てではなく、シックでタイトな銀と黒のスーツという出で立ちで、やや浮かれている。


 何でも恋人さんに頼まれた事があるそうで、それを片付け次第現地『港町ウェステリス』で落ち合う事になる。


 「大丈夫! 返り討ちにする」


 エルがエヘン!と胸を張り親指を立てて俺の方を向く。


 「襲わねーよ。冗談言ってないでサッサっといかないと依頼の時間に間に合わないぞ」


 今回はサウスヴァルグラン経由でリツァーバの最北の港町である目的地までキャラバンの護衛をしながら向かう。


 集合時間が迫っている。おめかしをしたヘルガと別れ、キャラバンと合流する地点まで二人で小走りに向かう。


 現地には四台の荷馬車と積み込みをしている数人の使用人と、商人と話をしている四人の男女がいる。


 遅くなったことを詫びながら商人に声をかける。


 「冒険者ギルドで依頼を受けたラーグとエルだ」


 名乗りを上げ冒険者推薦状を手渡しする。ギルドの依頼を行う場合はこのように書面で本人確認をして初めて承認される。


 「はい、確かに。私はブラリッチ商会のアダ・ブラリッチです。二週間ほどで到着予定です、よろしくお願い致します」


 恰幅が良く、身なりの良い依頼主。家名が商会の名前になっているので、創始者か少なくとも家族なのだろう。


 「ラーグさん、僕は冒険者パーティー『銀蜘蛛』リーダーのペイルといいます。初めて長期護衛の為、ギルドで手練れの方を派遣していただいて本当に心強いです」


 リーダーのペイルは盾持ちの戦士。槍使いの女戦士キシリア、魔術師デイルと女神官パールの四人組。


 真新しい装備は未熟さを感じさせるが、所作は自然で十分修練を積んでいることが分かる。


 「あぁ、失望させないように努めよう」


 さぁ、挨拶はそこそこに必要な荷物を割り当てられた馬車に積み込み出発の準備を行う。

 

 「ラーグ、銀蜘蛛とは洒落たパーティーネームだね。護りの蜘蛛神様をリスペクトしていて好感度が高い。そもそも銀色の蜘蛛神様、即ち奥方様の伝説は……………」


 エルのこの病気は始まると長い。エルは戦力に入れず荷運びを進めよう。


 まぁ、ヴァルグランの護り神の蜘蛛神が銀色の蜘蛛である事は、ヴァルグラン人であれば常識でその名にあやかる者は多い。


 冒険者が縁担ぎで蜘蛛や銀を使うことは多いが、まんま銀蜘蛛は初めて聞いた。多分ストレートで真っ直ぐなんだろう、まぁこういう真面目な奴らは嫌いじゃない。


 こういう奴らには長生きしてもらいたい。旅のイロハを教えてあげるとするか。


 


 


 

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