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空夢  作者: くわとろ
第二章:五つの獣と天を仰ぐ空
9/11

堕天の夜の暗闇の中で

 無事に猫神討伐は成功した。

 次の討伐が最後になる。最後の神獣は、鳥神アルテリアス。五大神獣でも最強と謳われる神獣だが──。

 此処は暗い施設の中。

 絡繰人形の軋む音のみが反響する。

 微かな光のみが、私達の足元を照らす。


「計画は順調そう?」


「…順調だ。」


 男は静かに答える。


「なら良かった。こんな事に参加してあげてるんだ。それなりに報酬はくれないと困るね。」


「あんまり文句は言わない方がいいぞ、アレロック。何されるか分からないからね。」


 横から青年が割り込み、透き通った声でそう喋った。


「ま、それもそうだな。このくらいにしといてやろう。」


「だってさ、風蝕。」


「…承知した。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「それでは、次の討伐について話そう──。」


 ベルファイアが部屋の真ん中に立って言った。彼女を囲うように、長方形の形の机が並べられ、そこに皆が座っていた。

 ベルファイアによると、前回俺達が猫神アンプタリムを討伐した事により、五大神獣の内の計四体が討伐された事になった。つまり、次の討伐が最後という事になる。

 そして今回討伐する神獣は、鳥神アルテリアス。五大神獣の中では一番強いらしい。

 今までの敵とは比べ物にならない強さらしいから、気を引き締めて臨まないと──。


「──それで、今回の討伐メンバーなんだけど、色々な事情で、討伐自体は前回と全く同じメンバーで行くことになった。よって、私と橙雀、ヴァルフォン、コロンの4人。それから、馬車の操縦手のバーハロックと、その討伐中の護衛役のフエルヴィを連れてく。」


 前回はフエルヴィは来なかったけど、今回は護衛として付いてる…?あっちの地域の方が危険なのか?


「──という訳だ。出発は明日の予定だ。各自準備しとくように。…それと、黒曜の襲撃にも一応備えておいてくれ。ボルダインの〈風蝕〉。この名前には気をつけて。」


 そうして、今回の集会は解散となった。

 解散後の部屋は、意外と静かだった。いつもだったら皆喋りながら帰るが…。

 もしかしたら、今回が最後の討伐で、かつ最強の敵を倒しにいくから、皆気を引き締めてるのだろう。ベルファイアも少しいつもより真剣な感じだった。


 そんな雰囲気でも、ヴァルフォンはいつも通りに俺に接してきてくれた。


「そういえば、頭は大丈夫?まだスッキリしてる?」


「まだしてるな。そんな心配しなくていいぞ、大丈夫だし。」


「それなら良いんだけどね。」


 そう言ってヴァルフォンは部屋から出て行った。

 とりあえず俺も早めに宿に帰るとするか…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 翌日の朝、集合時間の5分前に集合場所に到着。

 だけど既にもう全員揃っていた。皆5分前行動を心がけてるなんて。


「これで全員みたいだね。さ、乗って!」


 ベルファイアが俺らを馬車へ誘導する。

 馬車の操縦手は、前回の時と同じ鳥族のおっさん。名前は確か、バーハロックだったかな。

 全員が乗り込むと、馬車は直ぐに走り出した。少しスピード出し過ぎな気がするが、まぁ細かい事は気にしなくていいか。


「そういや、結局アルテリアスってどんな奴なんだ?」


 大図書館に置いてある資料とかをパラパラ見てはいたけど、それだけだとどんな奴かは分からなかった。


「五大神獣の中で一番強いらしいよね。確か。」


 ヴァルフォンはそう言った。


「そういえばそうだったな。」


「そう、手の内は全く分からないけど、一番強いって情報だけは残ってる。」


 それって猫神の過去改変や狼神の人間擬態よりもやばい能力持ってるかもしれないって事だろ?大丈夫なのか?


「とりあえずやばいんだな。」


「そうだね。」


 ふと窓の外を見ると、遠くの方に天にまで届きそうなくらい黒く高い塔が見えた。

 そういえばサリヴェルトに始めて来た時もあの塔は見えてたような気がする。

 ベルファイアにはあそこが目的地だと伝えられている。あの塔を1階から登らないといけないのか…?


「…大丈夫、上に登る為のゴンドラとかあるらしいし。」


 顔に出てたのか、ヴァルフォンに心の声が見抜かれていた。


「それなら安心かな?」


「そうだね。でも、塔よりも先にもっと厄介な難所があるんだよね。」


「どこだそれ?」


「あの塔の下にある街だよ。あそこに昔から住んでる鳥神の信仰者に神獣討伐に来たとばれたら、容赦なくこっちに攻撃してくるよ。」


「なにそれ怖。」


「そう、だからまずはそこをどうにか抜けないと。」


「どうやって抜けるんだ?」


「ひとまず僕らが神獣討伐に来たことを悟られないように、直ぐに神殿には向かわないで、少しの間街に滞在して、黒曜から逃げてきた移住者だとあっちに思わせる……だったよね?」


 ヴァルフォンはベルファイアの方を向く。それに応えるようにベルファイアは頷いた。


 『幻塔都市』アルテリアス。これは都市の名前だ。神殿と各地域の主要都市は同じ名前が使われてるからややこしいな。

 元々は鳥族の都だったが、八年前の魔獣降臨で殆どの鳥族が死亡。今や鳥族の人口は百人と少ししかおらず、とても希少な種族となってしまった。

 こうして見るととんでもないな。


「そういえばあの街って種族差別がひどくなかったかな?」


 ヴァルフォンが心配そうにベルファイアに聞く。


「うーん……でも、私達なら大丈夫じゃない?五大神獣に対応する種族を差別する獣人なんてなかなか居ないと思うな。されるならそれ以外の種族だね。」


「じゃあ羊のピエールさんが行ったら駄目だったかな。」


「ピエールは……種族以前に性格がねじ曲がりすぎてるから……でも、アルファンスなら大丈夫じゃないかな?彼なら何とかなってると思うな。」


「そうかな?」


「そのピエールとアルファンスってどんな人なんだ?」


 俺はその会話が気になったから、途中で質問を挟んだ。それにベルファイアは、


「ピエールは羊の獣人の老いぼれだよ。いろいろあって、付いた二つ名は『道化師』だ。彼とは対照的に、孔雀の獣人のアルファンスは紳士だね。」


「二人は今どうしてるんだ?」


「そうだな……確かピエールの方は今は国外に行ってて、アルファンスは西の都の方で暮らしてるよ。あそこは比較的平和だしね。」


 そんな事を話している内に、都の近くに到着したみたいだ。塔が大き過ぎて距離感覚がおかしくなってたが、意外と拠点からそう距離は離れていなかった。でも馬車で1時間近くは掛かってたな。

 馬車は都近くの森で一旦停車した。その時に外を見てみると、その光景を見て俺らは言葉を失った。

 壮観だった。巨大な塔、直径は見た感じ20キロくらいある円形の塔の下層部に都ができていた。その都は半分ほど地下に埋まっていた。

 あまりにも塔がでかすぎて、人と街がちっぽけな存在に見えてしまう。

 現実離れしすぎてる。思ってたよりも塔が太かったし、高すぎる。いくらゴンドラがあるとはいえ、流石にこれを上ってたら日が暮れてしまいそうだ。


「皆さんはこれを見るのは初めてかな?」


 操縦手のバーハロックというおじさんは言った。

 バーハロックも鳥族の生き残りで、背中からは立派な漆黒の翼が開かれてた。

 茶髪の眼鏡をかけた渋い男だ。貫禄がある。


「そうだね。僕は初めて。」


「私も初めてかな。」


「僕はここが故郷だから…。」


 皆も初めてみたいだ。勿論俺も初めてである。

 

「街に入るには面倒な手続きがある。それまでもう少しリラックスしてくれたまえ。」


 バーハロックがそう言うと、再び馬車が進み出した。

 その間にベルファイアが話す。


「とりあえず、さっきヴァルフォンが言ってくれた通り、しばらくはこの街で移民のふりをする。その為四日ほど此処に滞在する。何か質問がある人はいる?」


 誰も名乗り出なかった。全員大丈夫みたいだ。


「よし、じゃあ後の街での行動は各自に任せる。部屋で休んでても良いし、散歩してても良い。だけど、四日後の昼に、中央の銅像広場に集合しよう、それから討伐に行こう。」


 そうして馬車は都の門をくぐり抜け、中へと入っていく。

 家の造り等は百獣の都とそこまで変わらないが、家の配置が特徴的だ。

 都全体に円を描くように建物が配置されており、真ん中に行くにつれて下がっていってる。

 そして中央に目をやると、巨大な鳥のような銅像が置いてあった。ここからだと遠すぎてよく見えないが、おそらく鳥神の銅像だろう。

 それと、どうやら塔の上までのゴンドラは塔の柱部分に埋め込まれてるらしい。

 

 俺らは都の中段あたりに降ろされ、バーハロックとはここではお別れした。フエルヴィはまだ俺らと一緒にいた。


「護衛はしなくて大丈夫なのか?」


「あぁ、彼の護衛は討伐中のみだから、まだ大丈夫。」


 フエルヴィはそう言ってた。そういえば、そんな感じだったな。


「とりあえず皆はここで一旦解散だ。また四日後に会おう!」


 ベルファイアはそう言って、フエルヴィと一緒に何処かに行ってしまった。

 ヴァルフォンも、コロンを連れて部屋へと入っていった。

 …俺一人やん。

 まぁとりあえず、一旦自由時間だし、適当に散歩でもしてみるか。


 俺は都の中をただ歩く。百獣の都はあんな事になってるけど、此処は普通に栄えてる。人は多いし、皆楽しそうに暮してる。

 でも一つ懸念点がある。それは人間は歓迎されてなさそうと言う事だ。

 この国は基本獣人しかいないから、俺みたいな人間が居ると少し周りから冷ややかな視線が飛んでくる。

 でも確かにわざわざ百獣の都から人間がここまで逃げてくるのは不自然だ。あの時も港は動いてて獣人は外国に行ってたし、人間は俺以外残ってないと言っても過言ではない。

 そういえば、行きの船で出会った自由がどうとか言ってた少年…名前は確か、ヒールだったかな。彼はどうしてるんだろう。結局あれから一回も会えてないし。

 とりあえず俺は都の散歩を続けることにした──。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ねぇ見てフエルヴィ!これ凄く可愛いと思わない?!」


「店の中だよ静かにしよ。」


 ベルファイアさんは僕に狐のぬいぐるみを見せながら叫ぶ。

 この都に滞在すると決まり、ここに来て第一にすること、それはショッピングであった。僕はそれに付いてくることになった。


「でも確かに可愛いね。」


「そうでしょ〜。」


「買うの?」


「そりゃあもちろん。」


 そう言って彼女はレジへと向かう……かと思いきや他の商品を見始めた。

 そして間もなく大量の商品を抱えて持ってきた。ぬいぐるみから始まり、服やお菓子、謎の羽根や宝石、謎の植物に至るまで持ってきていた。そしてそれをレジまで持っていく。

 この店いろいろ置きすぎじゃないか?と思いつつ、彼女が会計する所を少し離れた所から眺めていた。

 会計が終わると直ぐにその大量の商品を持ってきた。


「それどうするの?部屋に置いとく?」


「いや、馬車に積んどこう。後で持ち帰りたいしね。」


 そう言って僕らは店を出て、彼女が次に向かう所へついて行った。

 彼女は近くの喫茶店に入っていった。僕もそれに続く。

 店の中はアンティークなテーブルや椅子が並べられ、なかなかお洒落な雰囲気だった。

 彼女は二人用のテラス席に座った。そして直ぐに珈琲を二つ注文した。

 此処は地下深くの塔の中の筈なのに、眩しい日光がここまで差し込んでいた。


「お待たせいたしました。」


 店員が珈琲を二つ、トレーに乗せて持って来て、テーブルの上に静かに置いた。


「…さて、私達の仕事もこれで最後だ。」


「そうだな。」


 この鳥神討伐で全てが終わる。

 それは復讐や憎悪に囚われている人達の開放を意味する。


「ちょっと聞きたいんだけどさ、フエルヴィはどうしてこれに参加しようって思ったの?」


 ベルファイアは珈琲を飲みながら問う。


「他に行き場が無かっただけ。」


「そっか。」


 八年前、孤児だった僕には家も家族も失くし、神獣討伐しか道は残されていなかった。

 いろいろあって二年間はとある人の元で暮らしていたが、ある日、神獣討伐という仕事に出会った。

 それから六年間、この仕事を続けていた。別に達成感も楽しさも感じなかったが、それが唯一生き残る道だと知っていた。


「私はフエルヴィが来てくれて良かったって思ってるよ。」


「そう。」


「私がどれだけ間違えても、仲間が離れていっても、君だけはずっと付いてきてくれてたからね。感謝してるよ。」


 ベルファイアは何処か儚げに言った。


「こちらこそ。」


 僕も昔彼女に救われた身だ。

 感謝してもしきれない程の恩がある。

 その恩を彼女に返さないといけない。


「それじゃ、次の店行こっか!」


「まだ行くの?」


 ベルファイアさんは立ち上がり、店を颯爽と出て行き、僕もそれについて行った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 時は経ち、すぐに神獣討伐当日となった。

 俺らはゴンドラに乗って、塔の最上階へと登っていった。

 フエルヴィとバーハロックは下で待機となっている。

 もう夜だ。ゴンドラから見える外の景色は、まさに絶景であった。

 とても高い建造物だから、他の国を上から見ることができる。サリヴェルトの近くの国に限るが。

 ここからなら、メイリオとテラリライムと、ファイルナって所なら見れる。

 夜中だから建物から漏れる小さな光が大地に並んでいた。この景色に何処か馴染みがあるような気がするが、気の所為だろうか。

 その他にも、今までに訪れた神獣の神殿も見ることができた。


「ところで、この後はどんな計画なんだ?」


 俺はベルファイアに尋ねる。


「最上階まで行けば、そのまま直接鳥神と会えるから、そこでもう倒しちゃおう。」


「…そんなので大丈夫なの?」


 横からヴァルフォンが口を挟む。

 彼の言ったことはごもっともだ。

 そんな作戦で神獣を倒せるとは到底考えにくい。


「色々考えてみたけど、これが一番確実で簡単なやり方なんだよね。まず、鳥神は実は普通に最上階に行けば会えるんだ。だからそこで攻撃を仕掛ける。簡単でしょ?」


 いやどこがだよ??

 狐神の討伐の時もそうだったけど、作戦がゴリ押しすぎるよな…。


「それは良いけど、帰るときはどうするの?絶対地元の人達と敵対すると思うけど…。」


 ヴァルフォンは言う。

 

「それは下に待機してる馬車で逃げるんだ。逃走ルートももう確保してある。」


「それなら……良いのかな…?」


 多分良くない。

 色々と心配事がありすぎる。

 そもそも鳥神に勝てるかどうかも分からないし……色々と心配だ…。


 やがてゴンドラは最上階に到達した。

 塔の最上階は、黒い柱が連なる広い空間だった。天井は無い。

 そしてその空間の中央には、黄金色の翼を生やした巨体が居座っていた。

 見た目は鳥というより、ドラゴンに近い感じだ。

 其は荘厳な雰囲気を漂わせていた。

 まるで目の前に崖があるかのようだ。

 其は何も言わず、ただこちらを見つめてる。

 見た所、理性がまだ残ってて、人間に被害を加えなさそうな感じがするが…。


「さて、準備だ。」


 最初にベルファイアが大剣を取り出す。

 それに続いて他の皆も武器を構える。

 いつの間にかコロンは居なくなってた。

 それを見ても、鳥神は何も反応を見せなかった。それは強者の余裕なのか、それとも虚無によって感覚が鈍りまくってるのか。

 幸いか、辺りに人は居ない為、あまり騒ぎにはならなそうだ。

 もし人がいたら、大騒ぎになって人とも戦わなくちゃいけなくなるからな。


 まずベルファイアが砲弾を其の翼に発射する。

 立派な黄金の翼に穴が空いた。そこで初めて、鳥神は反応を見せた。

 其は少し痛がる素振りを見せたが、こちらに攻撃を仕掛けて来ない。

 続いてヴァルフォンが攻撃を始める。

 彼は目で追えない程の速度で、電撃を走らせながら其の肉体を貫く。

 心臓部分を貫いたが、其は特に反応を示さない。


「……なぁ、何か変だよな?」


 流石に奇妙すぎるから、ベルファイアに聞いた。


「そうだね…あんなに攻撃して、それなりにダメージを与えられてるのに、こちらに反撃してこない。」


「俺らに殺してほしいとかあるか?」


「あるかもしれないが……私には其は弱ってるように見える。」


「そうなのか?」


「あぁ、鳥神は文献上、攻守両方の面で最強の神獣とされている。なら、あんな一発の砲弾ごときで翼に穴が開くとは思えない。それに反応も鈍い。人間なら泣き叫ぶ程の痛みは確実にある。でも其はあまり反応を示さない。だから、其は衰弱しているんじゃないかと思うんだ。」


 確かにベルファイアの言うとおりだ。

 今もヴァルフォンが攻撃を続け、体中が傷だらけになっているが、反応を示さない。

 何か力を隠してると言う訳で無いのであれば、これは俺らにとって好都合だ。

 俺は虚無の力を使い、虚無を凝縮し、針の様な形状に変化させ、それを発射する。

 それが其の肉体を貫く──。


 鳥神は、音を立てずにその場に倒れた。

 最強の神獣と呼ばれるには、呆気なさすぎる。本当に其は弱っていたのだろうか。でなければ説明がつかない。


「…本当に討伐したんだよな……?」


「さぁね、もしかしたら、まだ何かあるかもしれない。第二形態って奴かも?」


 俺らは次の攻撃に警戒した。

 だけど、いつまで経っても次の攻撃は来ない。

 依然として鳥神はそこに倒れたままだ。


「やっぱり何か変だよね。」


 ヴァルフォンはそう言う。

 本当に変だ。


 其は本当に鳥神なのか?

 これは罠なのか?

 俺らは嵌められたのか?

 其は本当に死んだのか?


 様々な疑問が頭に浮かんでくる。

 だけど、なんの根拠も無しにそれは違うと、頭は否定する。本能が否定しているのだ。


「…あれは……?」


 ヴァルフォンが上を見ながら呟く。

 俺も上を向くと、其処には知った顔の人物が──。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(視点変更:フエルヴィ)


 僕はバーハロックさんと一緒に馬車で待機していた。


「退屈じゃないか?フエルヴィ。」


 バーハロックさんは僕に聞いた。


「確かに、退屈だね。」


 ベルファイアさん達はまだ討伐に時間が掛かるだろうし、僕達の仕事はまだまだ先だ。


「……フエルヴィは、これが終わった後、どうする予定だい?良かったらまた私の家で暮らすかい?」


「…考えておくよ。」


 僕が八年前の厄災によって家と家族を失い、荒れた街を放浪してた時に僕を拾ってくれたのが、バーハロックさんとベルファイアさんだ。

 その後もバーハロックさんは僕を息子の様に、家に居させてくれた。彼も厄災で家族を失っていたらしい。

 そのまま二年程、バーハロックさんの家で暮らしていたが、僕の人生に転機が訪れた。

 それは神獣討伐。家族を奪った神に報いを受けさせるチャンスだと、当時の僕は思った。

 僕は八歳という若さで、バーハロックさんの家を出て、神獣討伐の裏方としての仕事を手に入れた。

 それから6年間、僕は裏方の物資支援の仕事をこなしてきた。直接手を下せないのは残念だったけど、裏方からでも討伐に貢献できるのは嬉しかった。

 でも、僕はいつしか討伐に興味を示さなくなっていった。

 僕は仕事をしている時、ちゃんとこなせば勿論大人達から褒められる。それが快感となっていたのだ。

 それから、僕の目的は神獣討伐から、人から褒められる事に変わった。

 悪い事では無いと思っている。

 でも討伐にはまだ参加はしている。達成すれば、また褒められる。それだけで良い。


「──まぁ、全てが終わった後なら良いよ。」


「そうか、それは良かった。」


 バーハロックさんが少し笑いながらそう答えた。


 コツ…コツ……。


 突然、石を鳴らす足音がこちらに近づいてくる。

 僕らは身構えた。

 僕は剣を握り、バーハロックさんはポケットから謎の錠剤の入った瓶を取り出した。


 コツ…コツ……。


 まだ足音はこちらに近づいている。

 それと同時に重苦しい威圧感が近づいてくる。

 なんだこれは、今までに感じた事が無い……背筋どころか全身が凍りついてしまいそうな…。


 そこで、その足音の正体が街灯に照らされ、姿が露わになった。

 僕はその姿を見て絶句した。

 其処にいるのは、黒いロングコートを羽織った、黒い帽子の、両目に包帯を巻いた丸眼鏡の男……。

 ヴァルフォン君から話は聞いている。あれは確か、ボルダインの〈風蝕〉…!

 ボルダインという国の、自由を追求する組織の一員。

 少し前、彼の右目を潰し、街を崩壊させた張本人だ。

 僕は恐怖よりも、強い怒りを感じていた。

 僕は剣を再び構える。

 しかしその瞬間、剣は砕け散り、空気が腹を切り裂いた。

 腹部からは大量の血が溢れだし、痛みで立つことすらままならない。


「ふむ……少しは手応えがあると思ったのだが…。」


 風蝕は倒れた僕を見下し呟いた。


「残念だが、貴様らは生かしてはおけないのだよ。」


 そして風蝕はバーハロックの方へ歩み出す。

 ゆっくりと、少しづつ歩み寄る。

 僕は見ることしかできなかった。


「おいおいちょーーっと待ちなさァァァイッッッ!!!」


 突然、この場にそぐわない陽気すぎる声が辺りに響いた。

 風蝕は声の主を探り始める。

 気がつくと、彼の目の前に声の主が居た。


「やぁ、風蝕サンかしらぁ?よろしくネェ!」


 そう言って風蝕に握手の手を差し出す、羊の角を生やした赤い髪の上裸の男、彼は──。


「ピエールさん……!?!?」


 彼の名前はソリート・ピエール。神獣討伐の初期メンバーの一人、病気を理由に引退し、海外に行ってる筈だけど…。

 すると突然ピエールさんがこちらへ振り向いた。


「あらあらあらあらあらぁぁ!!!コレは小鳥ちゃんじゃなぁ〜い?どうしたーの?こんな所でエエッ!!?」


 それはこちらの台詞だ。

 でも彼が来てくれたのは幸運だ。

 彼なら、風蝕とまともに戦えるかもしれない。


「ふむ……ですが、私を足止めしようとも、何も変わりませんが……。」


「ホホゥ!?それはどーいう意味ダァぃぃッッ??」


 相変わらずうるさい。

 あんなでも病人だというのに……そう考えてたら、どこか恐ろしささえ感じてきた。

 いつの間にか、僕の腹の傷は癒えていた。そういえば、彼は治癒効果付きの属性を扱える人なんだっけ。


「…既に私の協力者があちらの方へ向かっている……フフフ……。」


 風蝕は不気味な笑いを漏らしながら言った。

 ベルファイアさん達が危ない…!と、僕は感じ取った。


ドゴォォォォン………。


 瞬間、遠くから轟音が聞こえ、同時に空が光り、黄色に染まった。

 音と光の発生源は塔の最上階。


「フフフ……計画は順調なようだ。」


「その計画ッッてのは何なのかしらァッッ!?」


 ピエールのその問いに、風蝕はただ笑いを溢すだけだった。


「……ひとまず、私は貴様らを始末しなくてはいけないのだよ…。」

 

 そう言い、風蝕はこちらに歩み寄る。

 そこにピエールが立ちはだかる。


「此処はワタシに任ァァせてェェッッッ!!!アンタ達は先に行ってなサァァァイイッッッッ!!!!!!」


「先って何処だよ!」


「先は先よぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!」


 とりあえずピエールが風蝕を食い止めてくれる様だから、その隙にここから離れよう。


「バーハロックさん!早く!」


「あぁ、分かってる!」


 僕らは直ぐにその場を走って離れる──。

 その道中、風蝕とピエールの会話が聞こえた。


「ここから先に進みたいのなら……ワタシを倒してからにしてチョーーダイッッッ!!!!」


「ふむ……では、そうさせてもらおう。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(視点変更:橙雀)


「…あれは誰だ…?」


 ベルファイアが呟く。

 上の方を見てみると、梁の所に人が立ってるのが見えた。

 よく見てみると、見覚えのある顔だった。

 

「ヒール…?」


 この国に来る途中、船で出会った少年。

 あの透き通った瞳と、黒い髪はそのままだった。

 彼はあの梁の上に爽やかな顔で佇んでいた。


「久しぶりだね、橙雀君。」


 俺らを見下ろしながら、ヒールは挨拶をする。


「…おや?如何してお前が此処に?って顔をしているね。」


「…あぁ、何故お前が此処に…?」


 ヒールは即座にこう答えた。


「ボルダインの『自由の追求』…。君もこの言葉は知っているね?」


「いや、知らん。」


 そう答えると、ヒールは少しきょとんとしたが、直ぐに爽やかな顔に戻した。


「じゃあ、改めて教えてあげよう。ボルダインの国にはね、それぞれの自由を追求する人達が集まった魔王直属の組織があるんだ。それが、『自由の追求』だ。名前のままだね。」


 ボルダインの『自由の追求』…。ボルダインということは、もしかしたらスバラ=シイヨと同じ組織の所属なのか?


「なぁ、お前ってスバラ=シイヨの同僚か?」


「ん?あぁ、彼のことを知っているのか。そうだよ。彼も『自由の追求』の一員だよ。そういえば彼はこの前までフリタールに居たんだっけか。」


 やっぱりそうか。それと、風蝕もボルダインの人間だったよな…。


「ところで、君の目的はなんだい?」


 ベルファイアが彼に問う。


「それはまだ教えられないね…。あ、でも一つ忠告しておくよ。直ちに此処を離れた方が良い。巻き込まれてしまうよ?」


「巻き込まれる…?」


 一体、『自由の追求』は何をしようとしているんだ…?

 真相はまだ分からないが、とにかく止めないといけない。

 サリヴェルトどころか、この世界全体の危機に陥るかもしれない。

 

「あと最後に一つ、質問していいか?」


「どうぞ。」


「お前らとアルベルト財団には何か繋がりはあるのか?」


 もしアルベルトも『自由の追求』だとすれば、大分不味いことになる。

 風蝕達が虚無に干渉する技術を持っているということになる。

 それはまずい。非常にまずい。


「アルベルト財団……あぁ、あの総裁が大陸中で指名手配されてる財団か。残念だけど、それと僕らは関係ないね。」


「そう……それなら良かった。」


「あ、そうだ、僕からも一つ、質問良いかな?」


 ヒールは何かを思い出したかの様な素振りを見せる。


「どうぞ。」


「神獣討伐の元リーダー、クラリアの遺体が消えたらしいんだけど、何かしたのかい?」


 クラリアの死体が無くなった…?

 彼女の遺体は葬儀の時、土に埋められた筈だよな?

 それが無くなった…?


「俺は知らないが…。」


 俺は周りの皆に視線を向ける。けど、皆顔を横に振った。


「そっか。じゃ、僕も作業に取り掛からないといけないんだ。くれぐれも邪魔しないでくれよ。」


 そうヒールが言うと、彼は下に降りてきて、倒れた鳥神の身体に触れる。

 そして右手をかざし、まるで感情が無いような声で何かを唱え始める。

 それは俺の知らない言語の詠唱だった。


「古代語…?」


 ヴァルフォンが呟く。


「そうなのか?」


「うん、多分そう。」


「早く止めたほうがいいよな。」


 ヴァルフォンはコクリと頷いた。

 それを合図に俺らは武器を構える。

 その瞬間、突風が鳥神から吹いてくる。

 風はあまりにも強かった。まるでそこに壁でもあるように、前に進む事ができなかった。

 後ろに吹き飛ばされないよう堪えるので精一杯だ。

 俺らが手も足も出ない間、ヒールと鳥神の肉体が微かに黄金に光り始める。

 段々とその光は眩しさを増していき、視界が黄金で埋め尽くされる。

 かろうじてヒールと近くにいるヴァルフォン達が見えるくらいだった。


「さぁ、さようならだ。橙雀君。」


 ヒールの黒い髪が、次第に白く、グラデーションをかけながら変色していく。まるで、虚無に侵される様に。

 いや、彼は本当に虚無に侵されている。

 それと同時に、鳥神の肉体が彼の身体に吸収されていっている…。

 やがて鳥神の肉体が全てヒールに取り込まれると、空間が黄金に完全に埋められた。

 まるで雷が落ちたかの様な轟音と、黄金の光だけが、其処にはあった。

 

 ──しばらくすると、光は薄れていき、視界が確保された。

 空は夜中の筈なのに、昼のように明るい黄色に染まっていた

 目の前には、白い翼を生やし、頭上に金色の輪を浮かべた、まるで天使のような容姿をしたヒールが浮いていた。

 彼は指を動かし、羽根を揺らし、自身の肉体の動作確認を行っていた。


「ヒール、その姿は一体……なんだ…?」


 俺はヒールに問いかける。


「フフッ…橙雀君、計画は成功した。僕は、アルテリアスと融合することに成功したのだよ!」


「……はぁ…?」


 ヒールは嬉しそうな微笑みを浮かべていた。

 何を言ってるんだこいつは。

 鳥神と融合…?そんな事可能なのか…?


「悪いけど、邪魔だから、死んでもらうよ。」


 そう言い残すと、彼は左手をかざす。

 その掌の先からは黄金の光が溢れだす。

 瞬間、光が俺の視界を包んだ。

 死んだかと思ったが、気がついた頃には、俺は塔の端にまで飛ばされていた。


「…あぁ、忘れてたよ、君達の事。確か、ヴァルフォン君だっけ?」


 俺の横にはヴァルフォンが居た。

 彼が俺を間一髪で救ってくれたんだろう。


「──その感じだと、囚われの身からは脱却したみたいだね。おめでとう。」


 中身のない賞賛と共に、ヒールはまばらな拍手を鳴らす。

 続いて、塔の中に無数の黄金の粒が生成される。

 やがて粒はこちらに向かって光線を発射する。

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ


 数え切れない程の光線が、弾丸の様な速度と、隕石の様な破壊力で、四方八方に乱射される。

 俺らはそれをなんとか避けるだけで精一杯だった。

 しかも、一発撃ち終わると、直ぐに第二、第三の光線がこちらに飛んでくる。

 攻撃する隙が与えられない。一方的な戦闘だった。


「…どうすれば良いんだ…?」


 虚無の力で攻撃を仕掛けようとしても、準備してる内にも光線は絶え間なく飛んでくる。どうしようもない。


「全員聞いて!」


 ベルファイアが叫ぶ。


「撤退だ!私達には到底勝てない相手だ!撤退だ!」


 流石に俺達には無理な相手だ。あれに対抗策が無い。

 ベルファイアは直ぐに上の方へ合図を送った。

 すると、巨大な氷の塊がヒールの頭上に降り注いだ。コロンの力だろうか。この時の為に上に待機させてたのか。

 その氷塊にヒールは一瞬怯み、攻撃が少しの間止まった。

 今の内に俺らはゴンドラの方へ走った。


「そのまま逃がすと思ったか…?!」


 皆がゴンドラに辿り着こうとしたその瞬間、

 光線が塔の柱に放たれた。

 それと共に、塔に暗黒が蝕む。それが何なのかは分からないが、触れてはならないと直感で感じ取った。

 すると柱に穴が空き、崩れ始める。

 塔は揺れ、瓦礫が降り、轟音を立てながら崩れていく。

 ヒールはこのまま街ごと俺らを崩れてく塔の下敷きにするつもりだ…!

 この塔の高さは大体500mほど。

 こんな高さから落ちれば、当然死ぬ。

 どうすればこの状況から助かる?

 どうすれば──。

 そうこう考えてる内に、俺らが乗ってる足場も崩れ、落下する。

 俺らは瓦礫と共に地面に向かって落ちていく…。


「うわぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」


 叫んだ所で、今の状況は変わらない。

 俺らはこのまま死を待つしか無いのか…?


「ベルファイア!何か策は無いの?」


 ヴァルフォンは叫んだ。


「無い…!」


 ベルファイアはそう断言する。

 つまりこの状況から脱却する手段は無い。

 俺は目を閉じた。死を覚悟した。

 

 だけど、突然浮遊感を感じた。

 目を開けてみれば、何かが俺らを持ち上げていた。


 「…あれ、意外と橙雀君って軽いんだ。」


 この声は、フエルヴィだ。

 そうか、彼は鳥の獣人だ。だから落下中の俺らをどうにか掴む事ができたのか。よく考えたら人間業じゃないよなそれ。


 「なんかこの前も同じような事あった気がするけど……とにかくありがとう。」


 ヴァルフォンも一緒に持ち上げられてた。

 フエルヴィって意外と怪力の持ち主なのか?

 そのまま街の外まで飛んでいく。その道中で、塔が崩れ、街が瓦礫と闇に埋もれていく情景が目に映っていた──。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 暫く飛び続け、ようやく降ろされた。

 着いたのは街から少し離れた山の上。


「ふぅ……ありがとな、フエルヴィ。」


「…どういたしまして。」


 其処には皆揃っていた。

 ベルファイアとコロンの方はバーハロックが持ち上げて行ってたらしい。


「フエルヴィ達は大丈夫なの?」


 ヴァルフォンは彼に聞いた。


「まぁ、一応。風蝕に少し襲われたけど…。」


 そう言った途端、ヴァルフォンの顔付きが変わった。が、直ぐに戻った。

 ヴァルフォンは未だ、風蝕に恨みを抱いているんだろう。


「やぁやぁ!皆無事みたいだぁーネェぇ!」


 突然、その場にそぐわない陽気な声が響いた。


「ピエール…!?」


 ベルファイアが凄く驚いていた。


「君は今海外に行ってる筈じゃ…?!」


「今はそれは重要じゃナぁぁぁぃワぁぁっ!!!」


 うるさい。

 この人がピエール……。『道化師』と聞いてたけど、見た感じただの変態オカマだぞ…?

 周りの皆も、変質者を見るような、冷ややかな目でピエールを見ていた。


「…まぁ良いわ…。とりあえず、鳥神討伐は想定外の事態により失敗。一旦百獣の都まで撤退するわ。」


 ベルファイアはそう言うと、バーハロックに問いかける。


「帰る用の馬車は何処?」


 バーハロックは少し答えづらそうにしてたが、少し間を開け、街の方を指差して答えた。


「残念だが…あの瓦礫の中だ…。」


「………。」


 ベルファイアはその場に倒れ込み、放心状態になっていた。

 ここから歩いて帰るなんて、一体何日かかることやら……。と思ったが、もっと遠い狐神の神殿は全力ダッシュで5時間だから、意外と苦では無いのかもしれない……?


「多分、ベルファイアさんは折角買ったお土産達が無くなったことに凹んでるよ…。」


 フエルヴィが小声でそう言った。


「……とりあえず、これからどうするの?」


 ヴァルフォンが皆に聞く。

 鳥神討伐は失敗して、幻塔都市は崩壊。帰る手段も徒歩、挙げ句の果てには、『自由の追求』のヒールと鳥神が融合。事態は最悪だ。


「…そうだね……今のままでは、戦力的に『自由の追求』に勝つことはできない。だから戦力を集めないといけない。」


 ベルファイアはそう言うが、戦力になりそうな人って他に誰か居るのだろうか?


「アルファンスちゃんに加わって貰ったぁラァ良いんじゃなァァァイカシラァァァァッッッッ!?」


「うるさい。けれど、確かに彼と協力するのは有力な手だね。考えておくよ。」


「……ねぇ…凄く変な提案なんだけどさ……。」


 フエルヴィが何処か言いづらそうに話し始める。


「言ってみて。」


「……〈百獣の王〉に協力してもらえないかな…?」


 それは、予想外すぎる提案だった。


「〈百獣の王〉…確かに、サリヴェルトの最高神ならこの状況を打破出来るかもしれないが……其も虚無によって凶暴化している可能性もある…。」


 ベルファイアはそう答えた。


「でも、猫神みたいに理性が残ってるかもしれないよ。」


 ヴァルフォンが口を挟む。

 確かに、猫神の様に虚無に蝕まれてても理性が残っているのであれば、大分可能性があるかもしれない。


「だが、百獣の王とどうやって会うんだ?確実じゃない方法を使うぐらいなら、外国から強い奴を連れてくれば良いと思うが…。」


 バーハロックも意見を出す。

 外国の強い人なら、スレインやロザン達だよな。それとスバラ=シイヨが味方してくれたら大分心強いんだけど……同じ組織の人と戦ってくれるかは分からない。


「そういえば、この前黄泉から強い人が来てたけど、その人も協力してくれないかな?」


 ヴァルフォンにも協力してくれそうな人に心当たりがあるようだ。


「確か、出雲さんだっけ?彼女はもうこの国を出てるけど……今からでも呼び止めれるのかな…?」


 ベルファイアはそう言っている。


「でも、やってみないからには分からないし…。」


「…そうだね。できる限りはやってみよう。」


 ベルファイアは立ち上がった。


「──じゃあ、街に戻ろう。詳しい作戦はそれから決めよう…!」


 そうして俺らは街へ歩き始めた……。




To Be Continued…

 この物語書いてて思ったけど……なんかすごいね(小並感)

 なんか前回が長すぎて感覚が麻痺ってきてる気がするよ。今回短いよね。

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