とある邪神討伐
虚無の分体と化したルシウスを討伐した橙雀達。
次なる目的地は、獣人族の都『サリヴェルト』──。
フリタールでは色んな事が起き過ぎて疲れた。本当にそろそろ休息がほしい。
そう思いながら俺は支度をし、宿を出る。
もはや見慣れた光景だ。出た先にヴァルフォンが大量の荷物を持って、そこに居た。何なんだ。フリタールでは玄関先で待ち伏せるのが流行りなのか?だがもう流石に慣れた。
「ん…おはよ」
「おはよう。」
ヴァルフォンが眠そうに挨拶をし、俺もそれに挨拶を返す。
「何か用かい?」
「うん。もうフリタールでやり残した事は無いよね?」
「まぁね。」
「そっか。じゃあサリヴェルトに行こう。」
サリヴェルト…あ、そういえばこの前『フリタールでの旅が終わったらサリヴェルトに来て』みたいな事を言われた気がする。まぁもうフリタールに用は無いからな。次の旅先として行っても良いな。
「OK。行こう。」
「よし。じゃあ、付いてきて」
特に深くは考えずに、俺はそれを了承し、直ぐに歩き出すヴァルフォンを追う。その途中で俺は観光ガイドを読んだ。
獣人族の都、『サリヴェルト』。観光ガイドによれば、狼、猫、狐、鳥、兎の五大神獣の末裔が暮らす土地。彼らはその神獣を信仰していた。
約9年前に、『魔獣降臨』という大厄災が訪れ、サリヴェルトの獣人族の半数以上が死亡。今現在は復興してはいて、以前は種族ごとに違う都市に住んでいたが、居住区が潰されたことにより種族問わず、中央都市に半分くらいの人口が集中しているらしい。
それを読みながら歩いていると、ヴァルフォンが足を止めた。俺は前を見ると、駅があった。……列車なんてあったんだ。こんな所に。なんかわざわざ徒歩で森の中を越えた来た俺が馬鹿みたいじゃねぇか。
「これに乗ってメイリオまで行くよ。」
そう言って彼は丁度来た高級感漂う列車に乗り込んだ。俺も続いて乗り込んだ。
この列車は先頭に蒸気機関車があり、それが引っ張って客車を運ぶタイプの列車だ。
それにどうやらこの列車の線路は、中央大陸の5カ国間を繋いでいるらしい。もっと早く存在を知っていればなぁ…。
ポーーーッ!!……と、列車の汽笛が鳴った。発車の合図だ。それが鳴ると同時に、列車が走り出した。
俺は出入り口近くの席に座った。なかなか座り心地の良い座席だ。そのまま寝れそうだ。向かい側に座っていたヴァルフォンはもう既に眠っていた。
ガタン…ゴトン…と、列車は俺らを揺らしながら進み続ける。俺はその間、外の景色窓越しにをぼーっと眺めていた。
俺が最初に付いた街、針葉樹の森の中、少しの海、と次々と見覚えのある景色が流れていく。あっという間にフリタールから遠ざかっていき、メイリオ国内に入っていった。雰囲気は一変し、白っぽい景色から、涼しげな色合いの緑があたり一面に広がっていた。少しだけ懐かしさを覚えた。
列車内では特にそれといった出来事はなく、平穏に列車の旅を楽しめた。偶にはこういう日があってもいいかもしれない。
昼頃になって、メイリオのクロリッタ街という所に到着した。どうやらここが目的地の様だ。
ヴァルフォンが到着と同時に目を覚まし、俺を連れて下車する。駅を出た先には、広大な透き通った海が目の前にある港町があった。この前に居た街とは大違いだ。あそこよりも随分発展してそうだ。
街中では、野菜や肉の商店等が並んでいたり、子供たちがはしゃぎ回っていたりしていて、とても賑やかな印象を受けた。海の方には港があり、幾つか船が停まっていた。
「あそこの港に僕らの迎えが来る予定だよ。あの人達と合流してからサリヴェルトに海を渡って向かうんだ。」
ヴァルフォンは港の方を指差しながら言った。ちゃんと迎えとか来てるんだね。そりゃあまだ子供だもんね。当たり前っちゃ当たり前だ。
「でもまだ待ち合わせの時間じゃないし、少しだけ街を見てきても良いよ。」
彼は駅の近くにある時計塔を見ながら言った。時計は午前11時を指していた。
「了解ー。だけどもうちょい休ませてくれぇ。」
そう言い俺は近くのベンチに座り込んだ。
「うん。じゃあ僕はあっち見てくる。荷物守っといてね。」
彼はそう言い残し、荷物を俺の側に置いて商店が集まってる場所へ真っ直ぐ向かっていった。意外と買い物好きなのかもしれない。
一人になった俺は、空を見上げた。
「太陽が眩しい…。」
フリタールはなんかずっと日差しが弱かったからか、メイリオで受ける日差しが凄く眩しく感じる。雲一つないから、太陽を遮る物体が無いのもあるかも。
それにしても暇だ。俺も店を見に行こうかな。でもヴァルフォンの荷物を守らねばならない…。やめとこう。
そうだ。ヴァルフォンは何処かに行ったし、荷物の中でも覗いてみるか。大丈夫。盗らないから。
そうして俺は彼の荷物を手に取ろうとする。
「重っ!?」
ありえないほど重かった。何だよこれ。ダンベル20個くらい入ってるのか?!開けることすらできねぇ!
「…やっぱやめとこう。」
重すぎて駄目だった。そもそも人の荷物の中身を勝手に覗く行為は普通に考えて非常識だ。
「…それにしても暇だなぁ!!」
つい声に出てしまう。どうやってこの究極なまでの暇を潰そう。
とりあえず俺は観光ガイドを隅々まで一気読みしたり、道に使われているレンガの数を数えたり、右手と左手でジャンケンさせて勝敗の統計取ったり…。ちなみに左手の方が右手より21回も多く勝ってたぞ。この差は何処から生まれるんだろう。
もう13時だ。2時間くらいベンチに座りっぱなしである。ヴァルフォンはまだ帰ってこない。どれだけ買い物に時間使ってるんだ。
あぁ…駄目だ。日差しが熱い…。溶けてしまいそうだ。
俺は休んでる筈なのに退屈と暑さに苦しんでいた。
「…おまたせ〜」
「……ん。あぁあぁ、おかえり。」
危うく退屈で意識が飛ぶ所だった。
買い物から戻ったヴァルフォンは大量の荷物を持ち帰ってきた。どうしたんだよそれ。
「多分もうすぐで船来るから準備しといて〜」
なんか機嫌が良さそうだ。
というか待ち合わせ時間って13時?なんであんな朝早くに出発したんだよ。2時間も待ったぞ。──もしかして買い物したかっただけか…?
「あ、ほら、見えた。」
ヴァルフォンは遠くの方を見ていた。俺もその方向を見ると、大きな帆を掲げた船が向かってくるのが見えた。その帆には動物の模様が描かれていた。あれが迎えの船なのだろう。
──大きな木製の船が港に到着した。
そして船から一人、迎えであろう女性がが降りてきた。
「おーい!こっちだー!」
その女性はこちらに向かって叫んだ。それに応じる様に、ヴァルフォンは女性の方へ歩き出した。
俺も彼に続いて歩き出し、船に乗り込んだ。
船には、何人かの獣人が乗っていた。
ヴァルフォンが話し始める。
「橙雀。紹介するよ。この人はベルファイアさん。狐族の長だ。」
「よろしく。橙雀君。」
燃えるようなオレンジ色の髪を下ろした、狐の女性、ベルファイア。いかにも炎属性って感じの見た目をしている。
次にヴァルフォンが船の端の方を見て言う。
「それからそこにいる人。彼はフエルヴィ。僕の友達だよ。」
「あぁ…よろしく…。」
少し気弱そうな男の子が言った。見た目からして多分ヴァルフォンと同い年くらいかと思われる。彼に獣耳は生えていないが、その代わりに背中からは立派な漆黒の翼が生えている。
「今来てるサリヴェルトの人はこの二人だけだな。それじゃ、帰ろうか。」
ベルファイアはそう言い、航海士の人に出発するように言った。
すると直ぐに船は動き出した。
俺は側にあった腰掛けに座った。列車の時とは大違いだ。全部が木でできているから硬い。
この船には俺以外の旅人も乗っておるようで、殆どが集団で来ており、各々が話し合う声が聞こえてくる。俺はぼっちだから話し相手が居ない。なんだか無性に虚しくなってきた。そんな気を紛らわす為、俺は甲板へ向かった。
甲板に行くと、広いスペースど真ん中に、先頭に足を向けて仰向けで腕を枕にし、足を組んで寝転がっている黒髪の少年がいた。俺が少年に近づくと、彼は話しかけてきた。
「やぁ、君も風を感じに来たのかい?」
「あー。まぁ、そんなところ。」
少年はなびやかな風に吹かれていた。でも風に当たるなら立ったほうが良いのではないか?と思いつつも、それは心の中に留めておいた。
「君、名前は?」
「俺は橙雀。旅人さ。君は?」
「僕はヒール。ヒール・エドランスさ。よろしく、橙雀。」
空を眺めながら話す彼の瞳と声はこの海のように、とても透き通っていた。まるで未来でも見据えているかのようだった。
「…風は自由の象徴なんだ。どれだけの障害があろうとも、風が止まることはあまり無い。良いよな、それ。」
突然深そうな事を言い始めるヒール。
「まぁ、確かにな。」
何言ってるのか良く分からないが、とりあえず同調しておこう。
ヒールは依然として空を眺めながら言う。
「…あそこに飛んでるカモメ達。彼らは風に乗って飛んでいるし、この船も風に乗って動いているんだ。風に乗れるって事は、とても良い事だと思ってるんだ。行き先という縛りに縛られずに、自由に身を預けられるんだ。」
「なるほど……つまりどういうことだ?」
「僕が言いたいのは──、人は皆、自由であるべきなんだ。因みに僕的に自由は『縛られないこと』だと思ってるよ。例えば、この船に乗ってる人の殆どは、目的という物に縛られているんだ。彼らは目的の為に行動する。それは自由とは言えないんだ。だから、僕は旅をしているが、目的は決めない事にした。それが自由だと思ってる。」
「それって哲学の話?」
「いや、持論さ。」
そう言いながら、ヒールは立ち上がる。
「それじゃあ僕はここでおさらばさせてもらうよ。また会おう、橙雀。」
そうして彼は甲板から去っていった。不思議な人だった。彼もサリヴェルトに行くっぽいから、きっとまた会える機会があるだろう。
「俺も風を感じてみるか…」
ヒールの話を聞いた後、無性に俺も風を感じたくなった。そのため、俺は甲板に立ち尽くす。すると温かい風が俺の全身に正面から当たりに来る。案外気持ちが良い。
なんだか不思議な気分だ。気持ちが落ち着く。このまま瞑想でもしてみようか。──とりあえず目を瞑ってみた。だが、それだけでは瞑想はできなかった。
それから数時間が経った。俺はその間ずっと風に当たっていた。
「──橙雀君?」
後ろから声がした。振り返ると、ベルファイアが居た。
彼女は金属製のジョッキを持ち、サングラスをかけていて、少し前までパーティでもしてたかのような格好をしていた。
「あぁ、どうも。ベルファイアさん。」
「どうしたんだい?こんな所で、何時間も。」
彼女は心配そうな目つきで俺を見る。
「風に当たってただけさ。」
俺は凛々しい顔で答えた。こうした方が少しは格好良く見えるものだ。
「そうか…だけど、あまり風に当たりすぎると体に悪い。少しこっちに降りたらどうだ?」
確かに、人間は風に長時間当たり続けると、段々と体温が奪われて、最終的には死に至る可能性があったような気がする。
俺はベルファイアの言葉に従い、風に当たるのを辞め、甲板を後にした。
デッキに降りると、人が減っていた。皆屋内に行ったのだろう。
ベルファイアは、近くの腰掛けに座り込んで、持っていたジョッキの酒を飲み始めた。俺も近くの腰掛けに座る。
そしてベルファイアは口を開いた。
「そうだ、橙雀君。ヴァルフォンとは仲良くしてるかい?」
「まぁ、それなりに。」
「それは良かった。あの子、寂しがり屋のくせに昔からあまり友達を作らないんだ。でも、君と仲良くしてるそうで良かったよ。」
ベルファイアは少し悲しげな表情を浮かべて言った。
彼女は皆の母的な立場の人なのだろうか。そんな雰囲気を言葉の節々から感じる。
それにしてもヴァルフォンって寂しがり屋だったんだ。なんか意外だな。
「あの子、昔にご両親と友人達を亡くしたからね…。それで周りに人が居なくなって寂しがり屋になってしまったんだ…。」
「そうなんですか…」
「知り合いをこれ以上失くすのが怖いのかな。それからあまり人と関わらなくなったんだ──あ、ごめんね。急に重い話しちゃって。」
「あぁ、いえ、大丈夫です。」
少し間が開いて、気まずそうに、ベルファイアは屋内へと入って行った。それと入れ替わるように、ヴァルフォンが出てきた。
「あ、橙雀。」
彼は俺に気づくと、近くの腰掛けに座った。
こういう時なんて言えば良いんだ…?さっきのあの話聞いた後だとなんだか凄く話しかけづらい…。
「…橙雀?」
「…ん、あぁ、ごめん。少し考え事してた。」
「…そう。ところで、橙雀はサリヴェルトがどんな所かは知ってる?」
「まぁ観光ガイド読んでるし、ある程度は知ってるかな。」
サリヴェルトは5種類の獣人族が住む都だ。街並みの写真を見た感じ、レンガ造りの家が崖際に沢山並んでいたり、大きな噴水広場があったりと…まぁ普通にいい感じの国っぽかった。歴史書を少しだけ読んでみたが、かなり内容が多そうで頭がパンクしそうだった。
「そう。」
「あぁ。」
「……。」
「……。」
しばらくの間、静寂が訪れた。
「…何か面白い話してよ」
その静寂を破るかの様にヴァルフォンが話題を振った。
面白い話…か。記憶無いから知ってる話を引き出せないな…。自分で即興で考えるしか無いな。
とりあえず俺は数秒で思いついた話を彼に聞かせる。
「この前魔王城に行ったんだよ。」
「うん」
「そしたら魔王がデスクワークしてたんだ。それでそいつは、『アポなしでの取材は受け付けておりません』って言ったんだ。」
即興で考えたから意味の分からない話になってしまった。どうしようか。
「それで、結局俺は殺されたんだ。そしたらよ、なんか魔王の息子に生まれ変わったんだよ。」
なんか余計に意味が分からなくなってきたぞ。これで終わりで本当に良かったのか。
それを聞いたヴァルフォンは口を開いた。
「なんか橙雀って、まるで異世界転生したみたいに喋るよね。」
「異世界転生?」
「死んで別の世界に生まれ変わる事だよ。」
なんだそれは。俺は別に異世界転生してないぞ。記憶が無いだけだ。
「──なんか友達が描いてる漫画みたいな世界観だったね。」
どんな漫画描いてるんだよその友達。逆に見てみたい。
そんな会話をヴァルフォンは表情一つ変えずにしていた。話がつまらなさすぎたか。まぁ当然である。
──大陸が近づいて来ている。船の旅ももう終わりに差し掛かろうとしていた。時の流れは早いものだ。あっという間であった。
俺含め、乗客の皆は下船する用意を始めていた。見た感じ、意外と皆荷物が少なめの様だ。大荷物を持ってるのはヴァルフォンくらいだ。旅人は皆こんな感じなのだろうか。
太陽が沈みだした頃、船が港に到着した。すると、皆一斉に降りだし、人混みができていた。俺は一応、少し待って、人混みが無くなってから降りた。
港から少し歩くと、すぐそこに街があった。写真で見たまんまの街だ。レンガ造りの家があり、石の道も、噴水広場もある。それと、フリタールと比べて高低差が激しい。階段が多く造られている。少し迷ってしまいそうだ。
「よし、じゃあ橙雀、僕はこれで。また明日の昼に此処の噴水広場で会おう。」
ヴァルフォンが少しフラフラしながら言った。船酔いでもしたのだろうか。そうして彼はそのまま何処かへ行ってしまった。
「じゃあなー」
俺は彼に対し、大きく手を振った。
それから、俺は噴水広場から一番近い宿に泊まることにした。
部屋は案外広かった。フリタールの宿の2倍くらいかな?なんかすごく広い。備品の家具も充実していて、ソファだったり、テラスとかがあったり、ベッドも大きかった。そんなに豪華な部屋を頼んだ覚えは無いんだけどな。
それに色合いも違う。フリタールは青とか緑色がアクセントカラーに使われていたが、此処はオレンジとかの赤系が良く使われている。メイリオはどうなんだろう。まだちゃんとした宿には泊まってないんだよな。国毎のこういう違いを探すのも面白い。
そうして俺は無駄に大きいベッドに横になり、眠りについた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌昼、俺は窓から射し込む眩しい光に起こされた。やっぱりここらへんの地域は日当たりが良い。フリタールが良くないだけの可能性もあるが。
宿から出て、約束の広場へ向かう。
広場に着くと、数名の男女が集まっていた。その中にはヴァルフォンやベルファイアも混ざっていた。
俺がその集団に近づくと、ヴァルフォンがこちらに気づいて、手を振ってきた。俺も手を振り返し、集団に混ざった。
集団にはなんだか重い雰囲気が漂っていた。
猫、狐、狼等々が互いに黙っているだけだった。皆堅い顔つきをしていた。
すると、集団の中心にいた白髪の猫又の女の子が口を開いた。
「これで皆さん。集まりましたか?それでは、始めましょうか。」
これから何が始まるんだ?何も情報が無い。とりあえず隣に居るヴァルフォンに聞いてみよう。
「なぁ、これって何の集まりなんだ?」
小声で話しかける。
「ん、あー。言ってなかったね。これは邪神討伐に行く人達の集まりだよ。」
「…何だそれ?」
「サリヴェルトの五大神獣っているじゃん。あれらが暴走しちゃったから討伐しようとしてるの。」
なんかとんでもない事をしようとしてんな…。五大神獣って文字通り神なんだろ?それって人の手で倒せるのか?
そこで俺は嫌な予感がした。
「…もしかしてこれ俺も参加させられるやつ?」
「うん。その為に連れてきたんだもん。」
やっぱりそうだったか。それにしても何で俺なんだ?もっと他に戦闘力高そうな人いただろ。
「とりあえずそういう事だから、いい感じに話合わせといて。」
これは面倒な事になった。連れて来られる時から嫌な予感はしてたけどさ、まさか神殺しに参加させられるとは。
そんな中、中心の猫又は真顔で話を続けた。
「それでは早速明日から討伐を開始します。予定としては、狐、猫、鳥の順に討伐予定です。なので明日は狐の邪神討伐を行います。討伐メンバーは、ベルファイア、コロン、それから外国からの客人の橙雀の3名で行います。」
まじかよ。明日から早速討伐に行かなきゃ行けないのか。大丈夫なのか…?
猫又の女の子は少し辺りを見回すと、ヴァルフォンに聞いた。
「──ところでヴァルフォン、コロンは何処へ?」
「…さぁ。家で寝てるんじゃない?」
どうやらコロンって人がこの場に居ないようだ。こんな大事な集まりに来なくて大丈夫なのか?
猫又の女の子はため息をついた。
「はぁ…。では仕方ないですね。では彼女が来ないなら、代わりに…リンクス、お願いします。」
彼女は噴水に座っているパーカー姿の灰色の髪の狼の少年の方を見て言った。少年は「は?」と言わんばかりの不満気な顔をしていた。
「それでは本日の集会は終わります。ありがとうございました。」
そう言い残し、猫又の女の子は静かにその場を去っていった…。それに続くように、数名が何処かへ行ってしまった。
何だったんだろう。雰囲気からしてかなり偉い立場の人っぽかったけど。
「よろしく、橙雀君。」
ベルファイアがこちらへ近づき、言った。俺もそれに「よろしく」と返した。
「それにしても、最初から討伐メンバーに入れられるなんてね。災難だね。」
「まぁ…はい。ベルファイアはこういうのに慣れてるの?」
神殺しをするというのに、割と慣れていそうな雰囲気を彼女から感じる。
「…まぁそうだね。過去に何回か参加した事があったからね。」
そうなんだ。てかこの神殺しって過去にも行われていたのか。それで生き残れたって事は、彼女はかなりの手練なのかもしれない。神がどんな感じなのかは知らないけど。
そしてヴァルフォンが俺に話しかける。
「多分今回は橙雀の力を吟味する為に入れられたんだと思う。だから期待に応えれるように頑張ってね。」
「そうだろうね。だから戦闘力の高い人と一緒に組まされたんだろう。」
とベルファイアも続く。
「ところで、邪神討伐ってどんな感じなんだ。どうやって神を討伐するんだ?」
俺は経験者のベルファイアに聞いてみた。彼女は少し考えると言った。
「まぁ普通に武力で殴っても討伐できない事はない。前回もそうした。だけど、それでは討伐できない場合もあるんだ。──そこで君の出番だ。神獣が凶暴化した原因は虚無にある。そして君には虚無を打ち消す能力がある。そうすればもっと簡単に討伐できる。運が良ければ凶暴化を防げる。そうだろ?ヴァルフォン。」
そう言いながら彼女はヴァルフォンの方をチラ見する。
「あー、うん、そうだよ。」
そういう事だったらしい。確かに、虚無の力を打ち消せる。なら、俺が神殺しに参加させられるのは当然か。
──いやでも勝手に参加させられるのは違うぞ。俺にも命ってもんがあるのよ。俺の命をもう少し尊重してくれ。
まぁいいか。面白そうだし。──そんな考えで俺は参加することにした。
「とりあえず討伐は明日からだから、それまではゆっくりしてていいよ。」
ヴァルフォンはそう言った。その言葉に甘えさせてもらおう。
一応言っておくが、俺は神殺しの為に此処に来たんじゃない。記憶を取り戻す為に来ているんだ。とりあえず、街でも見て回ろうか──。
「それじゃあヴァルフォン、サリヴェルトの観光ガイドしてくれ!」
「…?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうして俺はガイド(ヴァルフォン)を連れて、街を見て回る。
サリヴェルトの街は入り組んだ道が沢山あって、簡単な迷路のようだった。ガイドを連れておいて良かったよ。
俺らは住宅街を歩いていた。すると、後ろから幼い少女の声がした。
「ヴァルフォン兄ちゃーん!」
ヴァルフォンの事を呼ぶ声の主は、10歳くらいの幼い狐の少女だった。緑髪の頭には小さなベレー帽が乗っていた。
その少女の手にはスケッチブックが握られていた。絵を描くのが好きな子なのだろうか。
少女は俺には目もくれず、ヴァルフォンの目の前まで走ってきた。
「どうしたの、フレン。また漫画描いたの?」
「うん!そう!また読んで欲しいの!」
フレンという少女は元気にはしゃいでいる。
「…あぁ、橙雀、この子が前言った漫画描いてる友達、フレンだよ。」
あの魔王がデスクワークしてる世界観の作者でしたか。この歳でその発想が出るとは…将来有望かもしれない。
フレンはヴァルフォンにスケッチブックを開いて見せた。彼はそれを神妙な顔つきで見ていた。一体何が描かれているんだ…?
──ヴァルフォンがそれを見終わると、スケッチブックが静かに閉じられた。彼の感情はまさに、無。だった。
「どうだった?」
フレンは瞳を輝かせ、尻尾を振りながらヴァルフォンの感想を待っている。
「うん…まぁ凄く良いとおもう…よ。うん。」
彼はぎこちなく答えた。多分本心じゃ無いんだろう…。本当に内容が気になる。
「やったぁ〜!」
フレンはその言葉を受けて喜びに舞っていた。そのまま彼女はウキウキで走り出した。
「それじゃあまた続き描いてくるね〜!ばいば〜い!」
そう言い残して彼女はそのまま走り去ってしまった。ヴァルフォンはそれを見ながらただ立ち尽くしているだけだった。
「…どんな内容だった…?」
「…なんか…。あれだった。あれ。」
「どれ?」
「あれだよ。あれ」
彼は結局どんな内容だったかは教えてくれなかった。一体どんなのを見せられたんだ?今度フレンに会えたら見せてもらおうかな…でも俺に見せてくれるか…?
それからも住宅街を歩き続ける。歩いても街並みに変わり映えは無かった。
少し狭めの道に入った時、突然屋根の上から人が落ちてきた。その人は華麗に着地を決め、こっちをまっすぐ見る。
降りてきたのは集会にも居た狼の少年、確か、名前はリンクスだったかな。よく顔を見ると、瞳が綺麗な水色と青色のオッドアイになっている。それと、目元に傷跡があった。
「なぁ、コロンを見てないか?何処を探しても居ないのだが」
リンクスは息を切らしながら低い声で言う。よほど探す事に熱中していた様だ。
「見てないけど…家には居なかったの?」
「そうだ、一緒に住んでるお前なら知ってると思ったが…。どうやら違うようだな。」
彼は少し残念そうに言った。急用だろうか。若干の焦りが垣間見える。
そして彼はこちらに背を向ける。
「邪魔して悪かった。また会おう。身体に気をつけな。」
「うん。またね」
そうして、彼も何処かへ走り去ってしまった。どうして皆俺に目もくれずに去っていくんだ?
それから俺はヴァルフォンに聞いた。
「あの人も友達?同年代っぽいけど。」
「まぁそんなところ。なんか悪い人に見えるかもしれないけど、あの人は昔からあんな感じ。でも根は良い人だから、何か考えがあるんだろうね。」
ヴァルフォンはそう言っていた。幼馴染らしいから、彼はリンクスの事を良く知っているのだろう。
リンクスには何処か不思議な雰囲気があった。なんていうか…。言葉に感情をあまり乗せていなかった。だから少し言葉が冷たく感じたのか。それと、気のせいかもしれないが、あまり群れることを好まない感じがする。
引き続き街中を歩く。夕方ごろ、とある店に着いた。
「ここは雑貨屋、灯影。珍しい物が沢山売ってるの。夕方からしか開いてないんだ。」
ヴァルフォンはそう言って店の中へ入って行った。俺もそれに続く。
大きな窓が付いてる扉を開ける。チリーンと扉に付いていた鈴が鳴った。中は黒い木の棚等の家具や、おしゃれな装飾が施された内装が広がっていた。ソファとかも置いてあって、ちょっとした休憩所としても利用できそうだった。
棚には様々な売り物の置物が置かれていた。暴れ狂う鮭の彫刻や木彫りの熊、なんかすごく高そうなグラス等々…。楽器や本なども売っていた。品揃えが豊富すぎて、雑貨屋というより、万屋って感じがする。
「メイエナさーん?居るー?」
ヴァルフォンが誰かの名前を呼んだ。すると、それに応える様に、会計のカウンターの奥から店主らしき人が出てきた。
「はーい、ちゃんと居ますよ。子猫さん。」
出てきたのは、メイエナという、ヴァルフォンと同じ猫又の女性だった。すこし青くグラデーションがかかった綺麗な白い髪を半分覆うように、布の様な物を頭から被っていた。
彼女からは年上相応の、余裕や落ち着きが滲み出ていた。
「おや、子犬ちゃんは居ないのかい?いつも一緒だろう?」
「うん。彼女は今どっか行っちゃってる。」
メイエナは「そうかい」と言うと、カウンターから出て、ソファに座った。
「それで、その代わりにそのオレンジの男が来たってところ?」
ヴァルフォンはそれに対し、首を横に振る。それと同時に、彼は商品を手に取り、金貨を何枚かカウンターに置いていった。
「まいど〜。」
メイエナはカウンターの方を一瞥もせずに、会計を済ませた。かなりゆるいセキュリティの店だ。だけどそれは二人の信頼の上で成り立ってるのだろう。
ヴァルフォンが会計を済ませ、彼も近くのソファに座った。
「何を買ったんだ?」
「なんか変な望遠鏡」
彼の手には金の装飾が施された古い望遠鏡があった。一体何年前の物なのだろうか。
丁度太陽は沈み、寒い夜が訪れた。そのため彼は望遠鏡を持って外に出る。
店の前で望遠鏡を構え、星々が静かに煌めく広大な空を覗き見る。しばらくの間それを見つめた後、彼は俺に望遠鏡を渡し、俺も覗くように言われた。
俺も望遠鏡を覗き見る。すると、さっきまで見えていたものとはまた違った空が目に映った。星々との距離が一気に縮み、一つ一つの細かな模様を読み取れるようになっていた。
これが宇宙なんだろうか。思っていたよりも星の数は多かった。
「どう?綺麗でしょ。」
「あぁ、綺麗だな。」
俺らは夜空を眺めながらそう話した。
それからもまた少し空を眺め、また暖かい店の中へと戻った。
店ではまだソファに座ったままのメイエナが待っており、彼女はヴァルフォンに聞いた。
「その望遠鏡、50年も前の物なんだ。使ってみてどうだったんだ?」
「うーん。度が強すぎるかな。宇宙見る専用だね。」
チリーン
扉の鈴が鳴る。誰かが店に来たようだ。出入り口の方を見れば、鳥族の少年がいた。船にも居たな。名前はフエルヴィだった筈だ。
「あ、フエルヴィだ。またおつかい?」
ヴァルフォンのその言葉にフエルヴィはコクリと頷き、続けて話し始める。
「そう、ベルファイアさんに頼まれてね。」
「いつも頼まれてない?」
「そうだね。でもあの人には恩があるから、小さい事でも恩返ししないといけないんだ。」
そう言いながら、フエルヴィは手持ちの藁の籠に次々と商品を入れていく。
あっという間に大量の商品を入れ終え、会計を済ませる。急いでいるのか、若干物の扱いが雑に見えた。
「そうだ。ヴァルフォン、ベルファイアさんから伝言がある。」
早足で出口へ歩いていたところ、思い出したかのように足を止めて言った。
「何?」
「後でクラリアの所に来て。──だって」
「──わかった。」
ヴァルフォンがそう言い終わる前には既にフエルヴィは居なくなっていた。その場には鈴の音だけが取り残されていた。
「とりあえず今日はもう帰ろうか、橙雀。もう遅いしね。」
「そうだな。」
そうして俺らはメイエナに別れを伝え、店を後にする。
ヴァルフォンとも別れ、宿へ向かう。
なんだか凄く久しぶりに休めた気がするな。だが明日にはもう邪神討伐に行かなければならない。今日は早めに寝ておこう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(視点変更:ヴァルフォン)
橙雀と別れた後、ベルファイアさんに言われた通り、クラリアの居る、街の大図書館へと向かう。
時計塔の針は午前0時を指していた。本来閉まっている筈の真夜中の大図書館からは微かな光が漏れていた。
人が居ない大図書館は邪神討伐メンバーの集会所として度々利用されているらしく、僕も今回から参加できるようになった。
玄関の大きな両扉に両手を押し付ける。
ゴゴゴ…と音を発し、少しずつ中の景色がこちらへ姿を現す。
中ではクラリアを始めとした、邪神討伐のメンバーが数名、待ち構えていた。
「おや、来たね。」
ベルファイアさんが始めに口を開いた。
「今回はあんまり人居ないね。」
見た感じ、本当に少数しか居ない。邪神討伐メンバーの中でも、重要な立ち位置の人達くらいしか居ないようだ。
この白い猫又の少女、クラリアはこの邪神討伐を開始した張本人で、討伐作戦の指揮官兼伝令役。彼女が居なければ、邪神討伐なんてものは無かっただろう。彼女は50歳前後らしいけど、容姿はとてもそうとは思えないほど幼い。
次にベルファイアさん。邪神討伐の主戦力であり、参謀役でもある。いろいろあって彼女は僕達の命の恩人。尊敬すべき人だと僕は思ってる。
それから、ベルファイアさんの隣にいる人、フエルヴィ。殆ど絶滅してしまった鳥族の数少ない生き残り。彼自体は討伐に参加しないが、物資の供給等の地味に重要な仕事をしてくれている。
あと此処には居ないけど、偵察員のリンクスやサティー、スカウト係のアンタルヤさんとか…。まぁ、とにかくいろんな人が居るんだ。
「──それで、どうかしたの?」
僕は彼女らに聞いた。
するとクラリアが答えた。
「今回は君に伝えておきたい事があってね…。」
クラリアは今まで楽そうな表情をしてたけど、真剣な顔つきで話しはじめた。
「明日、狐の神獣の討伐作戦があるわね。その間に、君に頼みたい事があるの──。」
「うん。何?」
「この街の護衛をして欲しいの。」
「…どうして?街に何か攻めてくるの?」
「今はまだ情報が不確定すぎて分からないわ。とにかく、万が一の為に護衛を頼んでおきたいの。任せていいかしら?」
僕は少し考えた後、それに頷いた。
「──今日はもう帰っていいわ。お疲れ様。」
クラリアは冷たい口調でそう言った。彼女は人前だといつもこうだ。二人で居る時とかはもっと気さくな口調なんだけどね。
ふと頭の中に昔の記憶が浮かんでくる──。
数年前くらいの事、親も居ない僕が暮らしてる家に、定期的にクラリアは訪問して来てくれた。今思うと、多分彼女は子供が好きなだけだからなのかもしれない。
いつも彼女はお菓子を持ってきてくれたっけ。殆どコロンが食べちゃってたけど。
その時の彼女はいつものほほんとしてた。怒りも、苦しみも無い。優しさだけが彼女にはあった。
偶に話し相手にもなってくれた。いつも他愛の無い話をしていた。それでも彼女は笑ってくれてた。母親みたいな人だ。僕の母親はもう居なくなっちゃったから、彼女は母親代わりになろうと頑張ってたのかな。
当時はなんとも思ってなかったけど、今となってはありがたい。
そうして僕は大図書館を出た。あれを伝えるだけなら、フエルヴィに伝言させても良かった様な気もする。もしかしたらクラリアは僕の顔が見たかっただけだったのかも。会ったとき、心なしか嬉しそうな顔してたような気もする。
最近はあまり家に来てくれなくなったな。偶には会いに来て欲しいな。
そう思いながら帰路につく。
深夜の街はもう真っ暗だった。月明かりを頼りに、家へ向かう。
最近は一人で夜道を歩く事が増えた。その度に誰かと遭遇してるような…。
ふと前を見ると、誰もいない。後ろも見ると、誰もいない。誰とも遭遇しそうにない。今日はそういう日なん──
「わっっ!?」
突然横の路地裏から腕が伸びてきた。僕は一瞬にしてそれに引っ張られ、路地裏に引きずり込まれた。
つい倒れ込んでしまった。
顔を上げると、見覚えのありすぎる顔が見の前にあった。
「…コロ──」
僕が口を開こうとすると、彼女はそれを手で抑え、人差し指をそっと自身の唇に当てる。
それからしばらくの間、彼女は耳を澄ませる。数秒すると、口を塞いでいた手が退けられ、彼女は言った。
「ねぇヴァルフォン、ちょっと助けてくれない?」
「どうしたの」
僕の目の前にいる黒髪の狼の少女、コロン。いろいろあって一緒に住んでる。
「家の鍵失くしたの!」
「…。」
僕は一瞬、時が止まったかのような感覚に陥った。こんなことは日常茶飯事なんだけど…、不思議だ。
でもそれならわざわざ路地裏に呼び込む必要も無かったよね…?耳を澄ませたのも良く分からない。コロンはいつもこんな感じだ。普段から何を考えてるかは、ずっと一緒に住んでる僕でも分からない。
なんかボディータッチが多めだし…。よく甘えてくるし…。突然キスされた事もある。距離感近いタイプの人なのかな。
まぁでも僕はそれがコロンの良い所だと思ってる。実際彼女と暮らすのは楽しいしね。
「ポケットとかに入ってたりしない?」
「無い!全部確認したけど無い!」
彼女は服のポケットに触れながら答えた。
「スカートのポケットとかは?」
そう言うと、彼女はスカートのポケットを探り始める。
「えー、多分絶対無いよ──…あ。」
あったみたい。良かった。
「それじゃ、帰ろっか。」
「うん…。」
「…。」
「…。」
互いに倒れたまま動かずに、無言の時間が流れた。こういう時ってどうすればいいんだろ。話しかけるべき?無言のままでいるべき?
何も無いと眠くなってしまう。…ふあぁ、ねむくなってきた。
僕は少量の欠伸を漏らす。それと同時に、睡魔が僕を襲う。一日中歩いて疲れてたのかな。そんな事を考えてる間にも、ぼんやりと意識が遠のいて──。
「……っ!」
危ない、寒い外で寝てしまう所だった。
僕は倒れた体を起こそうとした。その時に気づいたけど、僕はコロンの身体の上に居た。彼女は僕の下敷きになってたみたいだ。
僕は急いで起き上がり、コロンに謝った。彼女はそれについては怒ってなかった。でも少し残念そうな顔をしていた。
コロンも起き上がり、一緒に家に帰る為、歩き出した。その間、彼女はずっと僕にべったり抱きつきながら付いてきていた。
To Be Continued…
さてついに2章が始まりました。
あの怪文書とはついにおさらばできる筈。
よく耐えた!おめでとう!そしてごめん!
2章は文章力がまだマシだけどシナリオがカスかも




