貴方は私から諦め方を奪ったの
ライ様に連れてこられた場所は私も知らない所で、シャルと2人でよく遊んでいた秘密基地らしい。
壁には絵本や2人が描いたであろう絵や、模造刀などが置かれていた。
天井には、星や天体、天使やお花などのモービルが吊るされていた。
この部屋に入った時に音が漏れないように防音の魔法をかけたので外に音が漏れることはないと説明を受けた。
気恥ずかしさもあったが、ライ様がいつものように話すので、だんだん緊張も落ち着いていくと部屋をでて、再度バラ園を2人で散策して回った。
「手順はきちんと踏んでから、求婚するが構わないか?」
「手順というのは?」
「まずは、シャルの身の安全が確保できてからになるが・・・。」
「シャルの身の安全?!」
「シャルは国内外問わず優良物件だからな。俺もだけれど。だが俺という仮婚約者がいなくなれば強引に話を進めてくる奴もいるし、魔力の弱いシャルは表向き俺が仮婚約者から外れると既成事実を作ってこようとするものもいる。」
「それは、シャルの安全を第一にしてください。私は、シャルが傷つくようなことはいやです!」
「ということで、シャルの好きな人が見つかるまで俺たちは、秘密の恋人という事だ。まぁ、シャルにはうまくいったと話すし、父上達にも話を進める。」
部屋まで送ってもらうと、“また夕食時に”と言って別れた。
思いが通じた日から、ライ様は何かに理由をつけて私の元へ公務の間を抜け出してくるようになった。
それは、シャルも呆れるほどだ。
その日は、シャルもライ様も用事があり会いに来れないと連絡があったので、私はアルマと2人で与えられた客室で過ごしていたのだが、借りていた本音を読み終わったので、本を借りに行こうと図書館を訪れた。
入り口のカウンターには、ルイ王弟殿下ではなく違う職員の方が座っていたが、ライ様とシャルと再会した際奥の窓辺にルイ王弟殿下はいらした。
向かいの席には、銀髪の神秘的な美しさを持つ、男性が座っていた。
何か難しい話をされていたので邪魔をしてはいけないのでそっとその場を離れた。
図書館で本を読むことを諦めて、数冊本を借りて客室へ戻っている所で、数人の数人の令嬢に囲まれた。
フレイアス王国に来てからシャルとライ様以外と交流を持っていなかったので、相手がどこの国のどの令嬢か知らないが、少なくとも諸外国の王族ではない。
フレイアス王国以外は、だいたい国の大きさは変わらないので優劣はつけられない。
ここは王城で、いくら他国であっても王族へ直接声掛けはマナー違反になる。
これが学院となると、下位のものから話しかけられても問題ない。常識内であれば。
この場合、私が答える必要せなどないし、無視をしても構わない。
何せ、他国の王族ではない事さえ分かっていれば、オステン王国第4王女で今回は直接ライラック様から招待をされている。
侍女のアルマは眉間に皺を寄せ、私を庇うように前に出ようとするが、それを片手で静止させる。
ここいで私が無視をして通り過ぎてもいいのでしょうけど、後々問題になっても面倒ですわね。と、小さくため息をついた。
「何かご用かしら?」
そう尋ねれば、キッとに絡まれた。
睨まれた所で理由がわからない限り、こちらからの回答はないし、話す気がないのであればそもそも囲まれることはない。
「用がないのでしたら、失礼致しますわ。」
「ライラック様に近寄らないで!ライラック様は私の婚約者よ!」
「まぁ、そうでしたの。でしたら私の事にも詳しいですわよね??私、ライラック殿下とは幼馴染として育って来ておりますの。仮婚約者であるシャーロット様とも同様ですわ。ですが、2人が婚約を解消したという話は聞いておりませんし、ライラック殿下が他の方と婚約をするという話を、私は聞いたことがございませんわ。ご婚約発表の前には、仮婚約の解消の発表があるでしょうし、それを貴方が言ったことで、問題が生じた場合責任は負えますの??」
そう指摘すれば、さぁーと令嬢達の顔が青ざめた。
王族の婚約に関しては、国王陛下が宣誓をして初めて婚約者として認められる。
少なくとも内々で決定していてもそれを宣誓前に漏らしてはいけない。
「無ければ私は失礼させていただきます。」
そう令嬢に伝えると、アルマを連れて客室へ戻った。
客室へ戻ると、ノアお兄様がお茶をされていたので、先ほどの内容を報告をして、シャルとライ様にも同様に報告をしようと手紙を書いた。




