2
そろそろ室内に戻ろうとライ様が立ち上がった際に、思わずジャケットの裾を引っ張ってしまった。
「どうした?」
「えっと、あのですね、昨日シャルと一緒にお買い物に行った際に、ライ様へのプレゼントを購入しまして、ご迷惑でなければ、受け取っていただけないでしょうか??」
バックに入れていたプレゼントの包みを差し出しつつ視線は次第に、下へと向いていく。
カサリ。
受け取る感触があり、視線を上げれば嬉しそうに笑うライ様がいらした。
「誕生日以外で珍しい。開けてもいいか?」
「え、えぇ。もちろん。」
ガサガサとラッピングを開く音を聞きながら、ライ様がどのような反応をするのかドキドキしてしまう。
「これは、メリー髪の・・・・オステン王家の色か?」
「え??!いいえ違います。色味は似ていますが、ライラック色です。なので若干私の髪の毛の色とは違います。」
「ライラック色ってこんな色なんだ。」
ハンカチを取り出した、ライ様から生地の色について聞かれた。
私は単純に‘ライラック’となのつく色の生地があったのでそれをおおそのままハンカチにしただけで、自分の髪の毛の色だと思われるとは予想外だった。
「そう。デザインはシャルといっっしょに相談して決めて、中心に刺したお花もライラックの花なの。どうせなら、名前にちなんだものを贈りたいと思って・・・・。その、もし気に入らないのであれば処分してくれて構いわないから。シャルは大丈夫だと言ってましたが、受け取ってもらえただけで嬉しいので。」
鼻の奥がつんとしてきて、涙が出そうになる。
プレゼントを受け取ってもらえて嬉しい。
だけど、送られた側のライ様の気持ちをよく考えていなかった。
シャルは、‘内側’だから大丈夫だと言ってくれた。現にプレゼントを受け取ってもらえたし、あまり見ない笑顔も見れた。
だけど自信がない。
私の気持ちが重すぎないか?と考えてしまった。
「メリー、これ・・・・・。」
あぁ、泣きそう。
その続きを聞きたいような、聞きたくないような。
「ライ様、ごめんなさい。私部屋に、・・・戻りますね?」
視界がぼやける中、笑みを浮かべるとくるりと王城の方へ体の向きを変えて全力で走り出す。
走るとか淑女としては、ハシタナイ行動であってもあの場所にはいたくないと心が逃げてしまった。
ライ様のことを思って刺繍のハンカチとタイピンを選んだのは私。
勇気がなくて逃げ出したのも私。
こんな状態じゃ想いだけでも伝えれられればなんて簡単んじゃないという現実を突きつけられたような気がする。
でも、国に帰ってお父様の進める婚姻を受け入れるにしても、ライ様への気持ちは区切りをつけておきたい。
たった数日で今まで以上に気持ちが大きくなるなんて思わなかった。
これほど‘好き’だと気づきたくなかった。
庭園の入り口にきた私は走る速度を緩め涙を拭う。
泣き顔なんて、アルマやノアお兄様が心配する原因なんて作りたくない。
それにシャルも心配をする。
感情は、「好き」でいっぱいだ。
その気持ちに折り合いがつかず、グチャグチャでとにかく落ち着きたかった。
ため息と共に「嗚咽が漏れそうになった時、体がふわりと宙に浮いた。
それと同時に頭にかぶされられた布にさらに驚き暴れる。
「いやッ!!」
「大人しくしてくれ、俺だ。」
聞こえた声はライ様にも声で、追いかけられる理由はたくさんあるが、抱き上げられる理由はない。
「下ろしてください!」
そう訴えても、反応はなくライ様の靴音だけが嫌に響いた。




