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翌日、生地に、刺繍糸をたくさんっ持ってきてシャルはやってきた。
スニオン商店で購入したのは、ご家族へのプレゼントで探している人物が見つかり、思いが通じ合っていた場合本婚約となり、苦手な刺繍をしている暇がなくなるそう。
だから、刺繍が得意な私に教えてほしいとお願いされたので、一緒に刺繍をすることになったのだ。
「シャルは、昔から刺繍だけは苦手よね。」
「苦手というより、もう天敵よ。でも、将来のために少しでも刺繍は上手になっておきたいじゃない?ただ、黙って黙々と作業することが苦手なのよ。剣の訓練や、勉学なら問題ないのだけれど、刺繍だけは長く続かないのよ。」
アルマにお茶の用意をしてもらいながら、苦笑するシャルと共にデザインとなる家紋を下書きにする。
フレイアス王国の皇族の家紋は月桂樹に王冠、バラの花で彩られている。
六侯爵家は王家の紋章に少しアレンジをしたものになっている。
エレノアール侯爵家だと、ブルーベリーとオリーブの花が入る。
私は、ライラックの花を刺繍で追加することにした。
刺繍糸も生地も昨日購入したものと、シャルが持ってきてくれたもので十分足りるだろう。
紙にデザインを書き出して、それを生地に転写する。
必要な刺繍糸の色も決めて、ハンカチを枠にはめてシャルに説明をしながらゆっくりと刺繍をしていくことにした。
「昨日のライ様は可笑しかったわね。幼少期から一緒にいるのに今の今まで忘れていたようなlことを言うんですもの。まぁ、メリーに対しては好感触なのは相変わらずだったけど。」
「驚いた表情おをしていたいから、私もしかして気に触るようなことを言ってしまった??後ずっと昨日から考えていたのよ?」
「昨日は自分の視野の狭さと先入観が邪魔をしていた感じじゃない?悪い風には取っていないから大丈夫よ。」
「それならいいのだけれど。」
それなら今朝の朝食の席でのライ様の視線も自分のmわりくる令嬢と私を比べていたと言うことかしら??
「ライ様も自分の中ではっきりと答えが出れば落ち着くでしょうから、しばらくは様子を見ていたらいいよ。それよりも、この月桂樹はもう少し葉を大きくした方がいいかしら??」
「私もしばらく様子見をします。メインはお花だからそれくらいのサイズで大丈夫よ。」
刺繍をしながら、昨日から気になることを話して、ライ様の様子も聞きつつ楽しい時間を過ごすことができた。
簡単な刺繍だったので、アフタヌーンティーの前には2人とも一枚は完成させた。
シャルは後はお兄様方の分を自室で刺繍すると言っていた。
マリーさんとアルマが持ってきたのはラッピング用の材料。
とりあえずできた分だけ材料を選んで、ハンカチを包んで、それぞれの髪の色のリボンで仕上げた。
「猿はもう、ライ様へのプレゼントは渡したの?」
「私はまだ。スニオン商会へ注文してるから届くのを待っている状態。それよりも、お父様にプレゼントするハンカチが上手に刺せて嬉しい!お兄様たちの分は今からだけど、がんばって刺繍するわ。ありがとう!」
「お役に立てて良かったわ。」
ふふ。と笑い合っていると部屋のドアがノックされた。
マリーさんがドアの外へ出て対応し戻ってくると、ライラック様がお越しですと告げてきた。
「2人で何をしてたんだ?」
「それは秘密よ。それよりも、ライ様、私に用事というよりメリーに用事でしょう?私はまだやることがあるし、部屋に戻るわ。メリーまたお茶しましょうね?」
「え?えぇ??」
シャルは刺繍の材料を持ってマリーさんと共に自室へ戻って行った。
「メリー、一緒に昨日の庭園へ散策はいかがですか?」
「私でよければ。少し準備をしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん。突然尋ねてきたのは俺だし、廊下で待っている。」
そう言って部屋を出て行かれたライ様を見送ると、アルマの手によって散策用の日傘が準備された。
それと、先ほど完成したハンカチとタイピンを包んだ箱を一緒の袋に入れて、それをハンドバックに入れて持っていくことにした。
「お待たせしました。」
「では、いきましょうか。」
手を差し出されてそのままエスコートされながら、昨日のバラ園へ向かった。




