2
案内された食堂は、王族生活区域内の小さな食堂だった。
テーブルにはすでに、ラザルート王太子殿下とライ様が席を一つ開けて座っていらした。
「おはよう、シャル。」
「おはよう。シャーロット。」
「おはようございます。ラザルート様、ライ様。本日はオステン王太子殿下と、メリーを朝食にお誘いしてきました。」
「ノア殿。メリッサ様もおはようございます。」
「おはようございます。ノア様、メリー。」
「おはようございます。本日はお誘いありがとうございます。」
席順は、左からライ様、一つ空いてラザルート様、ノアお兄様、私、最後にシャルが座った。
「メリーと久々に一緒にご飯が食べれて嬉しいわ。学生以来ですわね。」
「そうね。私もシャルと一緒にご飯が食べれて嬉しいわ。」
ふふふと笑うと、シャルも嬉しそうに笑ってくれた。
「メリー、シャルに無理やり合わせる必要はないからな?嫌ならNOと言うんだぞ?」
「私、今喧嘩売られました?」
「いえ、私は全然構いません。シャルともお久しぶりにたくさん話したい事がありますし。」
挨拶をしている間に運ばれてきた朝食は、クロワッサンにオムレツ、ベーコンとサラダと紅茶とコーヒーでした。
「皆さんはいつも一緒に朝食を取られているのですか?」
ノアお兄様がラザルート殿下に尋ねられた。
いくら家族とはいえ、食事をあまり一緒に食べるという習慣のない私たちにとっては珍しい事である。
「そうですね、公務の進み具合にもよりますが基本的に昼食以外は家族が集まります。もう少し早ければ、父上や母上、叔父上もいらっしゃいますよ。」
「陛下方もですか?」
「えぇ。あと他の六侯爵家が泊まりに来た時も一緒に食事をとります。近況を話したり仕事の進み具合だったりとありますが、家族で食事をとるのは私たちにとっては当たり前の事ですので。」
「だからずっと私を食事に誘いに来てくださったのですか?」
「メリーは家族の一員のような感じですからね。」
「小さい頃からそういえばそうでしたわね。」
「賑やかだったでしょう?」
「えぇ。今は1人で食べているので少し寂しいくらいです。」
思い出に花を咲かせながらいただいた朝食はとてもおいしかった。
食後ゆっくり飲み物を飲み終えたあと、ラザルート様は執務に行かれた。
ノアお兄様も、ラザルート様とお話しされたいことがあると言うことで、食堂を後にされた。
残ったのは幼馴染の3人だけ。
ライ様は先程からも黙々とフルーツを食べられています。
「メリー今日の予定は?」
「え?特にはないわ。昨日借りた本を読もうとしていたくらい。」
「では、西地区に行かない?」
「西地区に?」
キョトンとしていると耳元で「ライ様の誕生日プレゼントを買いに行きませんか?」と囁かれて顔が赤くなった。
「何の話をしているんだ?」
「ライ様には秘密です。どうされますか?メリー」
「・・・・是非、一緒に行きます。」
「決まりね!じゃあ準備をしてしましょ?」
「シャル?メリー?」
「女子会に殿方は不要でしてよ?護衛はちゃんと連れて行きますし、問題ありませんよ??マリーもアルマさんも一緒に行きますし。私の護衛騎士4人同行するのですから何か問題でもあります?」
「・・・・昨日から期限悪いな。」
「あら、それはご自身でお考えください。やることは沢山あるでしょう?」
にっこりと笑みを浮かべたシャルの表情は珍しく冷え切っていて、静かにブチ切れている事がわかった。
一体ライ様はシャルに何をしたのだろう?ライ様も思い当たる節があるようで、ぐっと黙り込んでしっまった。
「ライ様、帰ってきたら3人でお茶会をしましょう。それまでに執務を終わらせておいてくださいね?よろしいですわね?」
「・・・善処する。」
「さぁ、シャル。私たちはお買い物に準備をしてして出かけましょう??」
「えぇ。」
とにかくこの久々のバチバチとした空気をどうにかすべく、帰宅後のお茶会の約束をしてライ様は執務、私とシャルは西地区へお買い物へ行くことにした。
ライ様のお誕生日プレゼントを気にするあたりそこまでして本気で怒ってはいないと言うことはわかった。




