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留学をしてきて、ライ様とシャルを目で追っているうちにはっきりわかったことは一つ。
この2人はお互いのことが大好きだと言うこと。
幼馴染として私も一緒に育ってきたが、シャルを見る眼差しはとても優しく愛おしさが伝わってくる。
それに、シャルに男子生徒が近づこうものならば一気に牽制をする。
わかりやすい独占欲なのに、ライ様はそれが恋心ということに気づいていないようでお互いに「好きな人が見つかるといいよね。」と話している。
現在この学院のには、高等部に六侯爵家の、アルベルト=フォン=エレノアール様、ニクス=フォン=ヴァリエーレ様が2年、ノヴァ=フォン=エスティル様、ジャスパー=フォン=オヴェリア様が1年に、中等部にはライ様とシャルの2人が通っている。
周りから見れば仲の良い仮婚約者同士に見える。
ライ様の気持ちがシャルに向いているシャルに向いていることが分かっていても、中々諦めることができなかったのだ。
理由は成人するまであと6年あると言う事、2人が「お互い好きな人が見つかるといいよね」と言っていること。
本当に2人が言うようにお互いが「好きな人」を見つけた場合は、仮婚約は解消される。
シャルは“好きな人”が見つからなければ、王弟のルイ様、王太子のラザルート様のどちらかと婚約をして婚姻を結ぶことになるらしい。
さすが、愛と豊穣の女神フレイアの加護がある国だな。
と、ぼんやり考えながら留学以来習慣化している学院の図書館で気になる書籍を探している中、本棚にかけられてハシゴを登る。
高いところは司書の方に頼めばいいのだが、取ってもらって内容がいがった時が申し訳ないので自分で登る事が多い。
上の方に登っていくつか目当てのものを取り、ハシゴの上に座りパラパラと内容を読み違っていたら治すと言うことを繰り返していた。
図書館の入り口が開く音がして、視線を上げればライ様とシャル。それと見慣れない男性が1人一緒にこちら側に向かってきている。
なんとなく、今は会いたくないなと思い一冊だけ本を持ってハシゴを降りていく。
木で作られたハシゴは、足を置くたびミシミシと音が鳴る。
3人の声が近くまで聞こえ焦った私は足を大いに踏み外したのかバキっと言う音と共にバランスを崩した。
「っメリー!!!」
「っ?!!」
「叔父上!!」
「止まれ!!」
聞こえてきたのはシャル達の声。
驚きのあまり声が出なかった私は、上段のハシゴを掴もうとしたが掴むことができず後方へ倒れた。
ぎゅっと目を瞑り、来るであろう衝撃に耐えるため体を硬くした。
が、柔らかい風に包まれてそのまま抱き止められた感触に、ぎゅっと瞑っていた目をゆっくり開いた。
頭上から聞こえてきたのは、安堵のため息。
状況が飲みこお珍しい、見上げればライ様の顔がすぐ近くにあり、一気に顔の温度は上昇する。
「メリー!大丈夫?!どこか怪我とかしてない?!」
「俺の瞬発力!」
「ルイ様の魔法のおかげです。」
「オステン王女大丈夫ですか?」
「シャル、え?ら、ライ・・・・・いやぁああああ!」
「おや?」
「わッ、どうした?!」
「メリー?!」
咄嗟に持っていた本で顔を隠す。
とてもじゃないが、冷静に受け答えなんかできない。
「ライラック、シャーロットここは私が対応しておくから、オステン王女を医務室まで連れて行ってあげてください。」
「ルイ様、よろしくお願いいたします。行きますわよ、ライ様」
「んぁ、ああ。」
頭上から3人の会話が聞こえ、医務室に着くまでそのままの状態でいたのは仕方がないと思って欲しかった。




