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窓辺のソファに座ると、ふと思う視界の端に映ったのはキャラメル色の髪の毛。
人がいることに全く気づかなかった事に驚いたが、どうやらその人物は眠っているらしい。
規則正しい寝息が聞こえてきているので起こしてしまっては申し訳ない、と思いそっと立ち上がりその場から離れようと立ち上がる。
バサバサバサッ!
突如発生した音は本が床に落ちた音で、心臓が跳ね体が固まってしまった。
そろりと音のした方を見れば、床に二、三冊の本が落ちていた。
ページが折れ曲がっていないか、眠っている人物を起こさないようにそっと近づき本を拾って、サイドテーブルに整えているとこちらに近づいてくる靴の音に気がついた。
振り返れば、一瞬驚いた表情をされたがすぐに破顔された。
「久しぶりね!メリー!!」
「久しぶりですわね!」
「話したいことはいっぱいあるのだけど、ちょっと今立て込んでて・・・・。ライ様いい加減、狸寝入りはやめていただけませんこと?!」
「・・・・・グゥ。」
「はっ倒しますわよ?」
「痛い痛い!悪かったって!」
シャルにほっぺたを引っ張られ狸寝入りをしていたのは、ライ様だった。
「メリー、助けてくれ。」
「まぁ!仕事を放ってサボっていたライ様がメリーに助けを求めるのは100年早いですわ!」
「シャル、そのあたりで。ライ様のサボりぐせはいつもの事でしょう?」
「甘やかしてはいけません。ダサいですわよ?ライ様」
「ぐっ。わかったよ。メリー嬢この度は父の生誕祭に参加していただきありがとうございます。」
「いえ、こちらこそご招待ありがとうございます。」
「メリー夕食までは時間があるから、ゆっくりしていてね?」
「あ、うん。」
「メリー嬢お困りごとがあったら、俺でもシャルでもいいから気軽に声をかけてくれ。」
「お気遣いありがとうございます?」
「仕事に戻りますよ?」
「わかったわかった。」
ライ様が魔法で書籍を元の位置に戻すとそのままシャルと一緒に入口の方へ向かって行った。
相変わらず仲がいいなぁと思いながら、その後ろ姿に、胸がずきりと痛む。
その痛みを誤魔化しながら、窓辺のソファに座り、アルマが書籍を持ってやってくるのを待った。
ただ、学生時代より、2人の距離が近くなっているような気がした。
私とライ様、シャルとの出会いは幼少期。
シャルの誕生日に同年代の王女という事で招待をしてもらった。
初めて参加したパーティだったのでよく覚えている。
自分の髪色と一緒のラベンダー色のシフォンドレスを着て生花で髪の毛を飾っていた。
その姿をお二人は「妖精みたいだね。」「可愛いね、お友達になってください」と言われたのが嬉しくて、すぐに第2王妃である母に報告をしに行ったものだ。
パーティのあと、音王様にライラック殿下と結婚はできないのかと純粋に聞いたことがある。
結果は、シャルと仮婚約を結んでいるから今は難しいという返事だった。
難しいと言われたのは、フレイアス王国独自の理由で、成人するまでの仮婚約は本人たちが成人をした年の、国王の誕生日までに、本婚約を結ぶかどうか決められるらしい。
成人の年齢は18歳、19歳になる年に決まる。
それは、“愛の女神フレイア”の伝承が由来していて、基本的に“恋愛結婚”が主流のフレイアス王国は王族であっても恋愛結婚が推奨されて、成長過程で、“恋した相手”がいれば仮婚約の間に見つか李、両思いであれば仮婚約は解消される。
なので大きくなるまではわからない整えて、言われて落ち込んだものだ。




