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ふわふわと漂う感覚と優しく肌を撫でる感覚にゆっくりと目を覚ました。
体を起こせば色とりどりのお花畑の中にいて、真っ白なドレスを身に纏って座っていた。
この光景はどこか見たような記憶がある。
それはいつだっただろうか??
遠い、遠い昔のような起毛する。
立ち上がりあたりを見回すと誰もいない。
だけど、どこへ行くべきかは体が勝手に動き覚えている。
足が向く方向へ向かえば、白亜のお城が見えてきた。
どことなく、フレイアの王城に似ている。
大きな門の前に立つと、扉は自動で開いた。
そのまま中へ入っていき、広い廊下を1人静かに奥へと進んでいく。
一際大きい扉に手を触れた時、不意に声をかけられた。
『シル』
『“ ”さま』
声をかけてきた人物の顔は見えない。
ただ体格と声音からして男性だろうということ。
きっととても親しくて、大切な人なのだろう。
胸の奥から“嬉しい”という感情が溢れてくる。
そのままその男性へと近寄り、ぎゅっと抱きしめる。
ほのかに香るシトラスの香りにかををさらにうずめる。
これは、誰の記憶なんだろう?
全く知らない人。
だけど懐かしく、安心できる人。
私を“シル”と呼日愛おしそうに甘く呼んでくれる人。
ずっと一緒に居られると思った人。
心から、愛おしいと思った人。
いつの記憶なんだろう。
この人から離れたくないと願った。
傍にいて、離れないでと。
だけど、争いの災いはすぐ近くまで来ていて、彼は・・・・・・・どうなった??
“・・・・・・ッテ・・・・シャル・・・・・ロッテ・・・・。”
また誰かに呼ばれた気がして、目を開けた。
この声は私は知っている。
「シャルさま。」
「・・・・マリー・・・??」
私を呼んでくれたのは、侍女のマリー。
どこか苦しそうな表情をする彼女は、どうしたのだろうかと手を伸ばす。
少しひんやりとした、マリーのほおに触れて“気持ちい”と呟く。
あれ?私どうしたんだっけ?少し具合が悪くなって、ライさまもメリーもちょうど居なくて医務室に・・・・それれから・・・・???
体を起こそうにも重く、体の上から何かに押さえつけられているような感覚だ。
「目は覚ましたようだけれど、まだ意識は完全にこちらに戻ってきては居ないね?気分はどう??シャル嬢。」
視線を動かせば、ルイさまがマリーの隣に立っていた。
どうしてここに?それにアル兄様までいる。
ただ、熱を出しただけなのになんで??
熱で回らない頭を傾げながらぼんやりと見つめる。
「アルベルト、マリアと変わってシャル嬢のおばを離れないでくださいね?手を握って、そのままシャル嬢の魔力の波動に同調して、魔力を馴染ませてください。兄妹だから、馴染みやすいはずです。それとシャル嬢ひとまずこれも付けておきましょうね。」
ルイさまから腕につけられたのは、細かい銀細工と沢山の魔石がついたブレスレット。
外しちゃダメだと念押しされたそれは、魔力良いを緩和してくれるものらしい。
「シャル嬢大丈夫ですよ?アルベルトが傍にいますから。今度は夢に引き摺り込まれることもなく、泣くこともないですよ。」
体を少し起こされてアル兄様がぎゅっとハグをしてくれて目元を拭ってくれた。
そして小さい頃寝る前にしてくれたおまじないのように、額とほおにキスをしてくれた。
そこで自分が泣いているということに気がついた。いつの間に・・・・。
確かに夢が幸せなものから悲しいものに変わったのは覚えている。
私を“シル”と呼んでくれたあの人はどいうなったのだろうか??
熱が下がったら調べようと決める。だが、物知りなルイさまがいらっしゃる。
「ルイさま。“シルさま”という女性をご存知でしょうか??」
「シルさま?夢で見たのかい??」
「夢の中で、私がそう呼ばれてまし、た。」
「そう。確認しておくから、水分をとってゆっくりお休み。」
ルイさまの言葉に頷き、サイドテーブルに置かれてた水を飲み干すと、再び体を横たえる。
夢の中の男性の“おやすみ”という声が聞こえた。




