3
今日は俺の誕生日で、成人を迎えた。
放課後、シャルとジェニーと一緒に王城へ向かい成人の儀式を行うことになっている。
去年にもすごかったが、今年はそれ以上に誕生日プレゼントの量が多い。
毎年ある程度は想定範囲内なのだが、成人を迎えるということもあり今年はプレゼントの量が予想以上になっていた。
父上から、俺とシャルの婚約がまだ“仮”の状態であることからチャンスがあると思っている令嬢たちや、その両親からのプレゼントだろう。
仮婚約の時点でお見合いのようなものはできない。
だからどうにかして俺の気持ちを向けようと頑張っているのだろう。
裏を返せば、自分たちは魔力があり、美しく、王子妃となっても問題ないくらいの教養は持っている。
と自負している貴族連中が9割だ。
が、そういうことは、一度でもシャルに勝ってから言え。
と、正直思ってしまう。
シャル以外の仮婚約が上がってくるとすれば伯爵家から子爵家後は、平民だが大きな商店の娘とかだと思っているが、正直めんどくさい。
俺は俺なりにシャルの事大事にしているし、シャルが打ち上げてくれた“ルー”という男性に聞いた時の胸の痛みを感じたが、理由はいまだにわかっていない。
どちらにしても皆、同じ学院に通っていて俺と年齢が近いというのなら成績上位者は、廊下にテストの結果が張り出される。
だが、縁談をという娘の名前を見たことがない。
三年の首席は6年間ずっとシャルだし、1年の首席は妹のジェニーだ。
あれか?二言目には“魔力をほとんど持たないくせに”という、テンプレートがくるのか?
あいにくだが、俺たち王族と六侯爵家はシャルとジェニーを敵に回す奴は好意的になれない。
愚か者の一族など滅びてしまえばいいと思う正直思う。
「はぁー ーーーーーー。」
盛大にため息をついた時、指輪の魔力を感じた。
朝から少し体調がよろしくなさそうだった、シャルの元へ急いで向かった。
シャルが居るであろう場所は野次馬ができていた。
シャルの姿を捉えた時には猿が後方に倒れ、そしてそれをレオナルド殿が抱き止めた所だった。
そしてそのそばには兄貴が立っていた。
2人が揃っているということは、仕事関連で学院に来ているか、俺たちを迎えに来たのか。
兄貴の冷ややかな視線の先には顔を青ざめているだろう令嬢が数人。
確か、諦めの悪い伯爵家の令嬢だ。
明らかに怒気を孕んだ兄貴の言葉に皆震え上がっている。
普段優しい人が怒ると怖いということは、こういう事だろう。
目は笑っていないくせに、エセ紳士スマイルででも言葉遣いが荒いから相当怒っていると思う。
状況を把握するためにも話を聞く必要がある。
兄貴の指示に従うために、元凶である令嬢たちを無視して周りで見守っていたであろう生徒たちに話しかける。
見かけた生徒たちがいうには、スニオン伯爵令嬢たちから声ををかけて、シャルが応えたということだろう。
後、シャルが不機嫌そうだったということ。
後はテンプレートの罵声だったという。
珍しくシャルの口調がキツかったというのには驚いたが、確実に具合が悪い時にどうでもいい話をされてイライラしたんだろうと、結論づけた。
それにしても・・・・・
「“魔力がないから王子妃に相応しくない”・・・・・・・ね?」
事情を聞いた生徒達には教室に戻るように伝え、先生に何か言われたら、俺に事情を聞かていた。と伝えればいいと伝えた。
未だ立ち尽くしているスニオン伯爵令嬢に視線を向ける。
「本気で俺の妃になれると思ってんの?こんなくだらないことをしている奴が?思い上がるのも大概にしろよ?」
「・・ひっ・・・!申し訳・・・・」
溢れそうになる魔力を気にもせず放ち続け、元凶を睨む。
「ライラック殿下!シャーロットさまに言いつけますよ?!」
大きく廊下に響いたその言葉にピタッと動きが止まる。
やってきたのはシャルの侍女“マリー”。
マリーがはっきりと断言したという時には確実にシャルの耳に入る。
そしてその後しばらく口を聞いてくれないのだ。
こんなくだらないことでシャルと話せなくなるのは非常に不愉快なので、魔力を抑え込むとそのままマリーと共に医務室へ向かった。




