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マリアに情報収集をしてもらって翌日、盗賊も野党も、魔獣も被害報告は出ていないらしい。
予兆もない。
つまり、あの傷は誰かに殺されかけた。
とういうことだ。
(領地内で殺人未遂事件なんて、なんてことなのかしら。何か身元がわかるようなものがないかしら)
私は、こっそりと屋敷を抜け出してジェフリー先生のところをたづねた。
少年は相変わらず目を覚ましてはおらず、先生がお世話をしている状態である。
「ジェフリー先生、彼は一度でも意識は取り戻したんですか?」
「いや、目はさましてはいないが峠は超えたよ。あとは本人が目をます石があるかどうかだね。」
「そうですか。」
ベットのそばに椅子を置いて、目元にかかった髪の毛をずらす。
パチッ。
と、静電気が走る。
これは・・・・・。
おでこに手をかざして、解呪の魔法を使用すると、黒だった髪の色が、金色に変わる。
この子も私と同じように髪色を変えていたという事がわかった。
つまり、最低でも大店の商家の息子だろう。
ただこの金色の髪色は、見覚えがある。
ライラック様が同じ金色の髪の色をしている。
でもライラック様であれば私はすぐにわかる、それでも見たことのない顔だとすると、病弱と噂の第一王子殿下もしくは、侯爵家、王族と血縁関係のある貴族家か。
どちらにしてもこの子は、貴族社会の血生臭い争いに巻き込まれたのだということ。
髪の毛の色を元の状態に戻すと、私は先生のお手伝いをする。
授業を受けながらも 頭の端っこではあのこの素性をどう調べようか考えている。
お父様に頼めば一発でわかるのだろうがそうなった場合、“私は屋敷を抜け出してます”っていうのをみとっめた上、お説教が始まり、行動制限がつく。
それはごめん被りたいので、自力でどうにか答えを見つけ出さなければいけないが、この子が目を覚ましてから話を聞くのも情報収集の一つになるので、まずは彼が目を覚ますのを大人しく待つことにした。
彼が目を覚ましたのはそれから2日後、開かれた瞳は少し紫がかった赤だった。
目を覚ました彼は、まず自分の傷の確認をしてあたりを確認して、そばにいた私達を警戒した。
死んだ覚悟した自分自身が目を覚ましたら生きていて、薬草の匂いが充満している部屋にいて、見知らぬ私と先生がいるのだ。
「落ち着けというのも無理な話だが、まずは、3日前路地裏で血を流して倒れているのを保護したのは、私だ。名前はジェフリーという。この子は、俺の弟子のロッテ。この下町で医師をしている。そして君は何を覚えている?名前はわかるか?」
「・・・・・僕は・・・・ルーと言います。助けていただいてありがとうございます。・・・それでここは・・・・?」
「ここは、エレノアール侯爵領の下町ノアールよ?何か覚えていることはない??」
「・・・・エレノアール侯爵領・・・・・。」
「ルーはどこに住んでいたの?」
「・・住んでいた場所はわからないです、いつも部屋の中に1人で住んでいて、日に3回食事か届いていました。寝るか食事をするかのどちらかです。」
閉じ込められていた?
でも色は与えられているということは、閉じ込めていた人間からすると大事な人間だったということよね?
「そこから逃げてきたの??」
「いえ?多分違います。目隠しをして荷台に乗せられて移動している時に、襲われて切られたのは覚えてます。ただ、だれ?というのは分かりません。」
「まぁ。一間はしっかり傷を癒して、しっかり食べて過ごすといい。」
ジェフリーの一言で、完治するまでひとまずこの診療所にルーが住みことが決まった。




