僧侶の遺した日記 36 「ワイバーン」
回廊を抜けて先へと進む
なんとか魔女の杖も借り勇者の治療を行っていたが……ギリギリだった
10層目、大量のゴーレムとの闘いで賢者も広範囲の魔法を使わざるを得ず。魔法力が尽きたようだった。防御に使う魔力も無くしたようでゴーレムの一撃で致命傷を受けてしまう。
「ぐっ……わたくしとした事が……ここまで厄介な魔物が多いとは……ここの攻略を提案したというのに申し訳ありません」
「ここまで潜ってもまだなのか?そのお姫さまの捕まっている部屋というのは」
「ええはい、12層のダンジョンコアの間の奥のはずです。」
「どうする?罠の発見に解除に、一人欠けるだけでもかなりキツいぞ。そもそもこのダンジョンの長さ。数人のパーティで攻略するような規模ではない」
「いつも判断が遅くてすまない……。今回は進もう。12層ならもう後は11層を越えた先だ。魔女と賢者のおかげで幸い僕は魔力に余裕がある。慎重に攻略を進めよう」
11層目に入ってすぐだった。魔力強制消費の罠に掛かり、私も魔力が尽きてしまった。
「うぅ……ごめんなさ。」
「起きてしまった事は仕方がない。だがどうする?11層の門番に、おそらくダンジョンコアを守る魔物もいるだろう。無傷で進むのは難しいか……」
「あ、あの、私が前衛をするから。勇者と魔女で私ごと撃って……!加護もあるから……上手くいけば……」
「な?!深くまで来たせいか魔物も強力になってきている。そんな無茶させられない」
「大丈夫……お願い」
意地で押し通した。大丈夫……2人ならきっと……大丈夫。
11層目は10層目にいたゴーレムとは比較にならない程大きなゴーレムが一体だった。なんとかゴーレムの攻撃をかわしながら引き付ける。魔女が足を凍らせたところに勇者がゴーレムの胸元の核に飛び掛かりなんとか破壊に成功した。
「あはは、まさかあんなに大きいのが相手とは思わなかったよ」
「最初の打ち合わせ通りとはいえ想定外なら後ろに下がっててくれた方が助かるよ……」
「私は小娘の割に肝が据わってて良かったと思うぞ」
「何も出来ずすみませんでした」
「いや……僧侶みたいに無理されても心配事が増えるだけなのでお気になさらずに」
なんとか12層目へと差し掛かる。
「帰ろう。無理だ」
「いやいや、戦う前から諦めなくても」
「ドラゴン……いや……あれは……近縁種の翼竜ワイバーンですかねぇ。絶滅したと聞きましたがまだ生き残りいたんですね。流石に解剖したい、などとは言いませんよ。どうします?」
「どうしてワイバーンが……」
「…………ダンジョンコアに封印術式……奥に見える扉も……か。あのデカいのを倒さないとコアの破壊も姫の救出も不可能そうだな」
ワイバーン……消耗した私たちで勝てるのだろうか……。
ドラゴン
神話の中ですら語られる事のない伝説の存在。




