僧侶の遺した日記 27 「旅立ちまでの2年」
砦の経験はとても良い経験になったと思う
とても充実した時間だった
付きっきりでリハビリしてくれたお医者さまには頭が上がらない。
「2年もよく頑張りましたねぇ。10年も旅をしてるとは思えない程お若い。呪いを受け、鉄サソリの毒を受けても生き残ったあなたの調査、興味深かった。この国の医療の発展に貢献出来ると思います。」
「あはは、ありがとうございます。体良くなってからは干上がりそうな程血を抜かれて焦りました……。あと、軽く報告したのですが、恐らく時間の流れがおかしな場所によく訪れていたので、私はまだ全然20代ですよ。」
「ふーむにわかには信じがたい……。もう少し検査したかったのですが仕方ない。それでは、お元気で。」
よし……準備もしっかりしたし。ここからやっと魔王領……。
他の人たちの2年も軽く記しておこう。
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勇者
基礎体力作りだーとずっと走ったり素振りしたりさせられてた。途中からなんか重い靴とか戦士を背負って走らされていた。
根性論?的な師匠は勇者に合っているのか楽しそうにしている。
兵士達からも好かれていたのか色々な戦闘技術を教えて貰っているようだった。人を自然と惹きつける、勇者の素質はあるんだろうなと思う。
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戦士
小さな体格に不釣り合いな大きな剣とごつい鎧。
それを身につけ、勇者より早く、強く、重い一撃を放つ。
この人も周りへの気配りが凄い、よく見ている。相手に合わせて動いている。彼が本当の意味で実力を発揮できる味方がいれば負け無しなのではないだろうか。勇者はついて行くので精一杯のようだったが。戦士と同じような技術を身につけようと必死そうだった。
そんな勇者が気に入ったのか、何度も何度も同じミスを繰り返す勇者に対しても、時に叱り、時に励まし、寄り添っている。
騎士様をよく知る老兵士とよく話していた。
後は自身の研鑽のためだろうか、この砦で一番強い兵長とよく模擬戦を行っていた。
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魔女
この2年、ほとんど顔を見なかった。
何回目の訪問の時だったろうか、初めて二人で話す機会があった。私は勇者と勇者のおじいさんとの初めての出会いを話した。
魔女は……子供の頃の話をしてくれた。
同い年の子供達からはみすぼらしい格好だといつも虐められていた事。その復讐によく魔法を使ったせいで更に気味悪がられたそうだ。
育ての親は魔女の顔をほとんど見てくれなかった事。言葉も発しない実の子供にかかり切りだったそうだ。
両親が顔を見てくれたのは当時の王に見初められた時の報酬を奪い取るまでの一瞬だった事。
………………お世話をしていたおばあ様から、目の色を気持ち悪がられ、人前で目を晒す事が酷く怖い事。
その目の色を褒めてくれたのは、お師匠さまと、勇者だけだった事。
優しい魔女さま、どうか、幸せが訪れん事を……願わずにはいられなかった。
戦闘技術の継承
「韋駄天さん?の戦い方、私が勇者様から教えて貰った戦い方です。」
「お前もあのチビと同じくらい小さいからな、大きな獲物を使う都合、同じ戦い方を教えた方が良いと思ったのだろう。」
「私は……勇者様と……その仲間の皆さんからもいっぱいいっぱい、色んなものを頂いてたんですね。」




