僧侶の遺した日記 26 「韋駄天との出会い」
いつも動けなくなってるな私……
呪いで受けた傷は回復魔法も受け付けない……、自然治癒とリハビリに任せるしかないのがもどかしい。
手紙を読んでから一週間ほど経った。
私は必死にリハビリした。
「なんとか1人で動けるようになってきたし、もう大丈夫だよ。私ひとりでリハビリも出来るよ。」
「いや、まだ松葉杖でじゃないか、傍にいるよ。」
「そ、そんな頼りないかな……私……。」
「いや……そんな事はない……が……その……。」
「……。」
「……。」
「「あの。」」
ドカーーーン!!!
「む……?なんの音だ?王都側から?僧侶はここに居て、僕が見てくる!」
「あ、ちょ……ぁ……。もう!待ってよ!私も行く!」
勇者が走って行く。必死に……、必死に追いかけたが追いつけなかった。待って……私を…………私を置いていかないで……。
必死に、必死に追いかけた。
やっとの思いで音のした広場に着く。
あれ……?あの兵士の人達の山の一番下にいる人も王都の人……?
「あ、あれ?何、なんの騒ぎ?」
「う、美しい……女神……。」
私が着いた頃には勇者とあの戦士が戦い、勇者が負け、殺されそうになった所を魔女が助けたようだ。勝負はつかなかったそうだ。
あの戦士……簀巻きにされて奥の会議室へと連れて行かれている。勇者と魔女も行くみたいだったので、私も……と思ったが無理に追いかけたせいか動けない。うぅ……置いていかないで……。またゆっくりゆっくり会議室へと向かう。
なんとか会議室前に着く。
深呼吸して中へと入る。
「え……っと、私も参加……して大丈夫かな?」
「おおぉ!僧侶さま?!まさか俺の心配を?いやー参ったなー。」
「…………ちょうどよかった僧侶……みんなも……ちょっといいかな、戦士……僕たちと一緒に来てくれないか?この砦に僧侶の療養も兼ねて1年は最低でもいる予定なんだ。」
「ふーん?まぁ父さんが加入したパーティなら入ってやらん事もないが。俺は勇者も魔女も殺そうとしたんだぞ?いいのか?」
「私は反対だぞ。髪の毛を切られた。」
「僕は誘ったんだし、もちろん賛成だ。」
「えと、、、私は、この人は悪い人ではないと思う。だから、さ、賛成……かな。」
後から話を聞いた。騎士さまの養子の戦士……厄祭には参加せず。東の国に個人的に派兵し活躍していた人だそうだ。勇者はこの人に師事し砦で過ごす事になった。
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1年、リハビリを頑張ったがどうしても本調子からはかけ離れていた。
「ごめんなさい。どうしてももう少し必要そうで。」
「大丈夫だよ。魔女もほとんど魔力が戻らずずっと地下に引きこもりっぱなしだし。もうしばらく様子を見よう。」
「魔女はともかく僧侶ちゃんは人間なんだからゆっくり休まないと!勇者も全然体力つかねーし一緒に走り込み続けるぞ!」
「え?あ、はい!じゃあまた後で。」
懐かしい、勇者の村に立ち寄った時のような、穏やかな日々、魔女ももう少し顔を出せばいいのに……。
戸惑い
私にとって大事な人ではあったけど……。
これって……?




