僧侶の遺した日記 24 「のろいのいたみ」
いたいいたいいたい
ころしてほしい、おねがいだから、おわらせてほしい
代わりに呪いを受けた事を後悔した。
ごめんなさい。弱くてごめんなさい。
喉が切れて、血を吐いて、何もかも垂れ流しにして痛がる私を……魔女は自分が汚物に塗れても構わず介助していたそうだ。
意識が少し戻った時も、痛かった、ただただ痛い、終わらせて欲しい。殺して欲しい、そう願っていた。
ずっと、勇者も、手を握ってくれたから
励ましてくれたから
ああ……
生きよう。
ギリギリの所で生き続けていた。
なんとかあの魔神を倒すため。
魔女の提案で一度王都に戻り、代わりの神官職を探し、あの魔神を倒して、私の呪いの解呪を行おうと頑張っていたようだ。
王都に戻ったと聞いたのに、二日に一度は戻ってきて、私の手を握り、「大丈夫だ。もう少しだから。」とずっと励ましてくれた。
きっと、魔女も勇者も無理してる。兵士たちも話していた。「とんでもない無茶をする魔女だ。」と。
エィトロに悪用される可能性がある都合。この砦には転送魔晶石はない。つまり、魔女の魔法で行き来している。
騎士を殺したパーティ、何年も行方不明になっていたパーティ。私たちには良い噂がないとも兵士は噂していた。英雄を殺し、10年以上行方知れずだったんだから……仕方ないのかな。
王都にパーティを探しに行って1ヶ月以上過ぎ去っていた。
私も、生きることを諦めかけていた。
後になって分かる……パーティメンバーとの出会い
私も一度か二度しか会った事がない、勇者の家族……長女の修道女が仲間に加わった。
呪いを受けた私と同じ位痩せていて、傷だらけで、でも、可愛らしい子。
魔女はどうやらあの子を嫌っているようだった。多分、私以下の実力だから、無駄死にさせたくないから。
優しい魔女さま。
きっと……勇者は無理をする。その時救うための術は幾つも……幾つも持っている。無理してでも……戦いの場に……。何度も何度も痛みで転んだ、血も吐いた。それでも私は…………彼の元に……。
魔王門前までどうにか着くと案の定、勇者、死にかけてた。
「ははっ ゆうしゃ しにそうじゃん。」
「そ……う、、、。ごぼ、ごほ。」
口から血を出して……ほんとに……世話の焼ける……。
「だいじょうぶ だーいじょうぶ こんなの すぐだから わたし に まっかせなさーい。」
私の大事な勇者さまを絶対に救う魔法。この時のために修行した、司教にまでなった。
淡い蜜柑色の魔法。私の命で、あなたの……全てを癒す……魔法。
すぐに治り、私を抱き抱えて……泣かないで……。
「しなないよ ゆうしゃ は わたしが……。」
その後すぐに私は命を貰った。
勇者の妹の命を……。
その間に……魔女が魔神を倒したと聞き……この日は本当に驚きの連続だった。
崩れた魔王門前にて 1
「……私の母は、最後に笑って死んだのでしょうか?」
「え?あー……どーだったかなー。」
「笑っていたに決まってるだろう?」
「は?私が聞かれてるんですけど。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「なんだこれ、私、答えてないんですけどー?」




