僧侶の遺した日記 19 「再出立」
回復するのに更に1ヶ月掛かった。
お腹……焼けたような痕残っちゃったな……お父さんコレ見たら気絶しそう。
「マジョ モウイク?イツカエル?」
「魔王ぶっ飛ばしたら気になる事もあるしまた来るよ。洞窟入口はどうやら結界があったようだがかなり古くなっていて私たちに簡単に見つかったのだろう。改めて私が施しておいた。私かこいつらか……縁のある者達以外には見つからないようにしてある。安心して暮らせ。」
「マタクル マツ。マジョヲ マツ。」
もふもふ可愛くて良い匂いだったなぁ……。マナが濃くてあんまり近くにいるとむせたけど。また遊びに来れたらいいな。
「さて、挨拶も済んだし、勇者を迎えに行くとしよう。」
「そうだね……どれくらいズレ……あるんだろう。」
1週間ほど前に、ズレの調査のためにずっと外で過ごしている。一人で……。
洞窟入口に着く。……これ、野営跡地、かなり風化している、入口と中腹でもかなり差があるようだ。1年以上過ぎてる……?
「勇者……ここで過ごしてないのかな。どこだろう。」
「ふむ……マナの揺らぎは……あっちだな。うーん?これは……コアか?」
魔女の案内で歩を進める。
「あれ、これ……マナのコア。勇者が倒したものかな?」
「最初のサソリ程の大きさでは無いが、何体も倒しているようだな。」
ひとつ、ふたつ……いくつも転がっている。彼が一人で……?
更に歩を進めると小さなテントと焚き火跡があった。勇者は……見当たらない。
「あぁ……やっと……忘れられたのか不安になっていたんだ。」
後ろから声が聞こえる。勇者の声、振り向くと……顔の切り傷が増え、ボロボロの服装の勇者がそこにいた。
「ゆ、勇者……服が……。道すがら直せるところは直すね。」
「随分と逞しくなったようだな?外はどれくらい過ぎていたんだ?」
「あぁ、1年とちょっとかな。1ヶ月そこそこかと思っていたんだが……まさかここまでズレているとは。だけど、成果もあったと思う。」
バラバラと大きさは様々だがマナのコア……こんなに……50以上はあるだろうか。
「あの話す魔物に作ってもらった鎧とサソリの毒を塗った武器のおかげもあるけど……ここにあるものと周辺に落ちているものも含めると100位はあると思う。」
「マナのコア……見たこと無いくらい小さい物が多いけれど……それでも一人でこんなに……ギルドで換金したら暫くは暮らせそうだね。」
指先程のコアが多かったがそれでもこのモンスターは一体いるだけでもダンジョン全体の魔物のレベルも上がる。この森林を行き来したり攻略する王都の兵士やギルドの賞金稼ぎも往来も攻略もかなり楽になるだろう。
「成果はあったようだな。さて、あの洞窟とこの森林の時差も考えると……ダンジョン外は私たちが入ってから凡そだが10-12年程は経っていそうだな。」
「そんなに……お父さん心配してそう……。えっと……、大森林を出てだから……次は魔王門かな?」
「そうだね、随分と掛かってしまっているがこのまま魔王門に向かおう。」
魔王門……魔神エィトロが1000年守っている不落の門。私のこの身に代えても……勇者を守らないと。
サソリのコア
「そういえばサソリのコアって大きさどれくらいだったの?かなり強かったし、拳大くらいあったのかな?」
「うん?あぁ、腹にどっしりとしたものがあったかな?小娘の頭よりは大きかったぞ?あのもふもふ共が喜んでいたのでそのまま治療の対価に渡してきた。」
「その大きさ……一生遊んで暮らせる上に宮殿が建ちそう。」
「え?!ぼ、僕のコアだとどうかな……。数はいっぱいあるんだけど。」
「えー……っと、1年は暮らせるくらい……かな?」
「そ、そんなに違うのか……。」
「拳大のコアモンスターがいるだけでも3-4人の精鋭パーティが10組位集まって討伐隊組まれるからね?頭より大きいって王から表彰されて城に飾られるレベルだよ……。」
「なんだ、珍しい物なのか?私の木の洞に同じくらいのが何個か転がっているから旅が終わったら持っていくといい。」
「すご……頑張って魔王討伐しようね……。」




