僧侶の遺した日記 17 「毒の療養」
余りの激痛にすぐに意識が飛んだ
そこで記憶が途切れて……
まともに筆を取れるようになったのはあのサソリのコアモンスターとの戦いから1ヶ月も後だった。その間の出来事も記しておく。
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意識自体が戻ったのは2日後だったそうだ。この辺の記憶は曖昧だ。激痛の記憶。お腹から下の感覚はなく、お腹が焼けたように熱くて痛くて苦しかった記憶しかない。
「おい!意識が戻ったぞ!!どうすりゃいい?!」
「コレ チンセイ ノマセル」
「あぁ!あ゛づい!!痛い痛い痛い!!」
「本当に大丈夫なのか!?くそ!こんな事ならもう少し薬学に力入れておけばよかった。」
魔女は焦ってたし、勇者はオロオロしてたそうだ。洞窟のもふもふ達の薬で私は死なずに済んだ。
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記憶がハッキリしだしたのは襲われてから10日後辺りだったと思う。
「ちょ……!痛い痛い!!ほんとにこれ効いてるの?!」
「とんでもない腫れだったんだぞお前。コイツらに感謝しろよ。」
「本当にすまない……僕がなんとか出来ていれば……。」
この時は拷問されてるんじゃないかと思うほどの痛みだった。意識が飛びそうなほどの痛み。後から知ったがほんとに日を追う事に痛みも腫れもマシになっていった。
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20日目にやっと体を起こせるようになった。かなり強い痛みがまだ腹の辺りにあったし、見るのは怖かった。
「そういえば、あの後生き残れてる事が疑問なんだけど。あのコアモンスターは……?」
「ん?ああ、それなら私が丸焼きにしてそこのもふもふ達が中身は食べていたぞ。甲殻が勇者の鎧の加工に使えそうだったので奴らに作らせている。」
私……死にかけたのに……。
私が治療されている場所、どうやら洞窟の入口よりは少し奥に入った場所のようだ。焚き火もないのに少し暖かい。地下なのかな?
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30日目、やっと筆を取れる。まだ痛みは強いが動ける程度には回復した。
「勇者、あまり見かけないけどどうしたの?」
「あぁ、不甲斐ない自分を見せてばかりだからと修行しているようだぞ?朝方に出て、夜には帰ってきてるよ。」
「あまり危険なことして欲しくはないのだけど……。」
「ただいま。僧侶、もう日記書いてても大丈夫なのかい?まだ無理しちゃだめだよ。」
「うん、ありがとう……。ってずいぶんボロボロになってない?」
「ん?あ、あぁ、少し迷子になってしまって。モンスターの群れと連戦してたからかな?」
随分とボロボロになっている。本当に無理しないで欲しい。魔王の討伐なんかより、私はあなたが心配です。
「ふむ……。少し強力なコアモンスターの介入で報告が遅れたが、このちっこい話す魔物どもの事が分かってきたので情報共有しておこうと思う。」
魔女の話した事は、信じられない事の連続だった。
サソリ味
「私が殺されかけたモンスター……食べたらしいけど、味はどうだったの?」
「いや、僕も怪我で食べてはいないんだ、君を守るのに必死で……。」
「エビみたいな味でプリプリしてたぞ。」
「ウマイ カッタ!マタタノム。」
「あはは……命懸けになるからまた今度ね。コアモンスターは居たのに通常個体を見かけないけど……。」
「アレは樹上種ではなく砂漠等にいるような個体だった。寒さもあるし本来はいないはずの種だ。似たような事が前にもあったな?」
「女神の聖森……。」




