焚書目録
焚書、焼き捨てられた書
辺りを見回しても、神はいなかった
宙が揺れている
地面も……あるかどうかも分からない
三次元ではないドコか
ところどころ装甲が欠けた、ボロボロの真っ黒いボディスーツに、目元も伺い知れない真っ黒いヘルメットを被った2人が揺らめく宙を歩いている。
背の高い方が歩を止め、腰から何か機械を取り出しなにか操作をしている。肉眼には写っていないが、確かにそこには何かあるようだった。
「本当に……あった…………。ここに例の目録もあるんですか?」
「アカシックレコード、神の意思、生命の書、聖書、集合的無意識、アカシャ、禁忌教典、次元の狭間……他にも様々な呼び名はあるが……、全ての世界、宇宙、次元の記録と記憶がここに集まる。焚書など人がただ燃やし、目の前から消しただけに過ぎない」
「という事は……あの特異点についての情報もここにある?」
「間違いなくある。だが、解書出来るかどうかは……また別問題だ」
「私も隊長も……封印術式の解呪はあんまり得意じゃないですもんね……。隊の皆が残っていれば……」
背の低い方が大きな機械を取り出し、また何か操作している。すると、目の前に光の筋が現れ、そこから一冊の本が出てくる。
「これが……?ボロボロの日記……ですか?」
「本の意匠からして……我々の世界の物ではないな。魔法主体の世界の物だろうな」
「え?!じゃあ簡単に解呪……できそう……に…………?………………なんですか……この術式?こんな、複雑なもの、魔法世界って……人が編んだ物ですよね……1人の人間がこんな……」
「ぐっ…………忌々しいマナの呪いめ……ここまで、ここまで来たというのに……!」
本から翠の煌めきと共に膨大な数の魔法陣が現れる。中から現れた翠色がスーツの2人を包み込み。そのまま宙の波間に溶け消えていった。
ホログラムが起動し小さな女の子が半透明で映し出される。
「こんにちは!■■図書館へようこそ!!こちらの書籍ですが、レベルいんふのロックがされています!必ず上級図書員2名の立ち会いと許可を得てから閲覧してください。じょじょじょじょうきゅきゅきゅ、まどどどどどうううううう」
ホログラムがジージーと乱れ、元気で明るい女の子の声から大人の女性の声が聞こえてくる。
「わた、わたしは、ひとりのにんげんとしていきたかった。それそれが、ただかなななわい。こここなせか…………いらない、いらない、いらない。もっといきききたかった。もういらない、もういらない、もう、、、」
呪いあれ
「魔女さま?何してるんですか?」
「うん?ああ、友人の日記を燃やしていた。ついでに少し細工をな」
「細工?」
「くくっ、乙女の秘密を覗くものに、呪いあれ、だ」




