見捨てられた村の戦士 2
俺は雪原から村までこいつらの死体を村に運んだ。
1000年振りの、向こうの話が聞きたかった。
この村にまともな教会は無かったが『五体満足』なら蘇生出来る程度の施設はあった。
「よし……なんとか……半分……。まだ掛かるが、頑張ってくれ」
「あ……ぐっ……は、、、い」
勇者と魔女は特段の問題なく蘇生された。僧侶は、絶命前に受けた攻撃が……やはり体内で卵をばら撒かれ、その除去に手間取っているところであった。
「ギィィィィ!!」
「な?!まだ孵化してないものもいたのか?!」
ドォォォン!
魔女が火球をぶつけると、孵化直後のモンスターは炭と消えた。
「す、すまない、助かった」
魔女が手振りで挨拶している。
「………………なんとも不思議な魔物だな。体内から出た瞬間に巨大化して人を襲い出す」
「ユキムシ、という雪原ではありふれた種だな。羽音が無音だから、気づくのが遅れると……ああなる。すぐに除去しないと、体内から食い破られるし、その卵の除去も、卵が神経に即座に絡みつくせいで、とんでもない激痛を伴う」
女戦士が魔女に説明をしている。その横で心配そうに眺めている勇者。
「さて……僧侶ちゃんはもう少し蘇生に時間が掛かりそうだし。この町……?村?かな、案内してくれないか」
「そうだな、俺も村長から、蘇生出来たものが動けるようになったなら連れて来るように言われている。お前も来れるか?勇者?」
「ん、ああ……分かった」
3人は教会……というか、野戦病院のような施設を跡にする。
「ここは……王都からも見捨てられた村だ、人間が住むには過酷過ぎる」
「マナの瘴気が濃いな……魔王城が近いせいか?結界があっても村の中に少し漏れ出している……。普通の人間ではこれでも長くはもつまい」
魔女はそう話しながら、手に持った杖でマナを取り込んでいる。
「その杖なんだ?そんな事が出来る杖……見た事も聞いた事もないぞ?!」
「この杖は色々と特殊らしい。マナを取り込んでおけば私の魔法の補助にも使える。少々気性が荒くて身勝手なのがたまにキズ、だがな」
女戦士の驚く姿に、魔女は少し得意げに話す。
「ほう……?その杖……イグドラシルか……?この世界ではもう、枯れ果てた樹の杖持つ魔女とは……な。」
「………………っ?!貴様!魔人か!?」
「な?!」
「あ、あーいや、ちょちょ、ちょっと待ってくれ!」
先に説明しておくべきだった、余りに馴染んだ光景だったので忘れていた……。魔人は人と争っている……そう聞かされ続けていたのに。
勇者は魔王を倒しました。
最後の魔神メイフィスとの邂逅。
自己蘇生
「もう、歩いても大丈夫なのか?」
「あぁ、すまない……蘇生は……実は初めてで。あんなに……その、気持ち悪いものなんだな」
「私も何度か自己蘇生したが……ここはそれよりはマシだと思うぞ?さすが女神の加護坐す教会の端くれ……だな?」
「待ってくれ、自己蘇生って……」
「私は……こことここと……後は……ここ。頭全て、心臓、そして子宮と卵巣。このどれかが無事なら、時間を掛ければ再生する」
「そんな事まで可能だったのか?」
「同族、この旅で1人や2人見つかるかな、と、期待はしていたんだがなぁ……」




