韋駄天 5
2年……同じ砦で過ごした。
面白い奴らも多かった。本当に、いいヤツらだった。
「うぅ……僧侶さん……ご達者で……!ご武運を!!」
「「「魔女さまあああ!好きだあああ!また罵ってくださあああい!!」」」
「別れとなると辛いな韋駄天の戦士……お前と共に戦場を駆けたかったぞ」
「勇者どの、ここに来る前より一層強くなられた。ご武運を」
2年、僧侶の呪いのダメージも癒えた。きっと俺の毎日のお祈りのおかげだな。僧侶ちゃんマジ天使。
魔女の魔力もある程度回復したそうだ……、2年もあって、ある程度???マナの瘴気の中瞑想していたそうだが、めちゃくちゃだなあの人。2年もあって会ったのはここに来た日を合わせて数回だぞ……。
勇者もじゅうぶんに鍛え直せただろう。最後の1ヶ月の模擬戦の戦績は五分五分、強くなった。
魔王門をくぐり、……1000年振りの魔王領……久遠の雪原。
ここを越え、魔王城に辿り着き……魔王を倒す……1000年の悲願。
「む……く、これは……想像以上だな、私はここでは役に立ちそうにない。すまないが……頼む。エーテル魔法が使えないとは聞いていたが……マナも全くダメではないか。昔の文献などいい加減なものだな」
「おやおや、魔女さまの魔力でもダメならもう人間の魔法使いは全員無理っすねぇ、、、これは……厳しい戦いになりそうだな……」
「私も……回復魔法……直接手を当ててれば……かなり弱体されてますが……やれなくは……ですね」
「…………とにかく吹雪くと渡り切るのは困難だ、急ごう。せめて拠点になるような場所を探さないと」
過去の残された記録でも、1日2日で渡れるような雪原ではない、直ぐに吹雪が巻き起こり、行く手を阻む。
じゅうぶんな食料を確保した
だが……俺らは甘かった。
久遠の雪原
この雪原を通常ルートで越えた人類は、存在しない。




