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勇者は魔王を倒しました  作者: 匿名記号
韋駄天の章

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39/102

韋駄天 3

なんという事だ……


こんな所で……運命の出会いが……

韋駄天

 伝説の騎士が東方出兵時に拾った戦災孤児である。

 東方連邦の若き英雄王に稽古をつけ、パラディン、という職を新たに作り出した伝説の騎士さま。

 その騎士さまのために生きる。と誓った。

 必ずあの人の剣になる。そう誓い。誰にも負けない速さを手に入れた。速さは……力だ。誰にも負けない力だ。


 そう思い、この力で、老いて自信を無くした騎士を、いつか勇者と共に魔王を倒す夢を……支えたかった。


 知らぬ間に、勇者と共に旅立ち、知らぬ間に……亡くなるとは、全く考えもつかなかった。

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「っで?事情がまだ半ばだったな。こいつはなんなんだ?」

「うちの者が大変失礼を……、こやつは……王都指南役、騎士さまのお子にございます」

「な、独り身だと言っていたぞ!?」

「はい、この者は実の子ではなく、戦災孤児にございます。騎士さまがお引き取りになり、小さき頃より武術指南をしておられたのです。ただ、気性までは受け継がなかったようでして……鉄砲玉のように最前線に向かい功を焦る始末」


 部隊長の説明を聞いている間。勇者は押し黙っている。

 縄でぐるぐる巻きになった戦士が口を開く。


「俺も先程事情は聞いた。父の油断が招いた事だったんだろう。だが、勇者はともかく、この魔女がいてどういう事だ?!何故、父はそんな所で亡くならねばいけなかったのだ!!」

「威勢のいいガキだな。私にも事情というものがある。相性の問題だったよあれは。場所も悪かった。………………」


 魔女から、更に詳細な事情を聞き戦士は絶句する。


「な……何故そのような事に……?!おかしいだろ!何故……。女神さまは……」

「これは……私のせいだ。私無しでいれば、騎士は今も存命だったろう。女神の加護持つあの騎士がいれば、エィトロにも苦労しなかったであろう」


 部隊長も詳細な事情を聞き絶句していた。

 沈黙が暫く続く。

 そんな折、会議室のドアが静かに開く。


「え……っと、私も参加……して大丈夫かな?」


 僧侶だった。


「おおぉ!僧侶さま?!まさか俺の心配を?いやー参ったなー」

「…………ちょうどよかった僧侶……みんなも……ちょっといいかな、戦士……」


 勇者の言葉、まさか、仲間に勧誘されるとはな。




納得のいかない事もあった。


だが、俺の女神のために戦おうかな。それもありかな。と思った。

魔女の杖

「ところで、魔女って杖持ってたんだな?どうして今まで使わなかったんだ?」

「あぁ、細かな制御したりする時はこれがあってもいいんだが、あまり魔力の消費を気にして魔法を放つ事がなかったからな。ここからはシビアに管理しないともたないと思ったので。引っ張り出してきた」

「な、なるほど……?ところで、その杖、何で出来てるんだ?それか、名前はあるのか?」

「あぁ……なんだったかなぁ、一応おじじ様の形見なんだが…………うーんと…………何だったかなぁ……」

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