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勇者は魔王を倒しました  作者: 匿名記号
終の章

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35/102

終焉の魔女 3

私では足りないのだろうか


わたしでは、とどかないのだろうか

 フロア内が紅蓮の焔に包まれる。


「やはりダメか……?姿まで変わっているのだから当然か……」

「賢者さま、私に出来る事はありますか?」


 水氷は?ダメです、私のでは火焔に抗せません

 地は?あの膂力相手に防げません

 光は?…………なんですかそれ?


 ワイバーンの周囲に無数の魔法陣が展開される。


 では……防御は?……いけます!


「我の分も頼む。30秒でいい」

「……はい!」


 2人の辺り一帯を光の矢の雨が襲い、光に包まれる。ワイバーンは勝ちを確信したのか何度も地鳴りのような咆哮を放っていた。

 光が収まり、様子を伺う。

 無傷の賢者と、切り傷だらけの女が見えた。


「少々おいたが過ぎるぞ。ワイバーン!」


 賢者の目の前に真っ黒い影が出来、中から球体のような……禍々しいオーラを放つ球が現れ、中から無数の筋……手?のようなものがワイバーンを襲う。

 黒い手に捕まり、叩きつけられるワイバーン、押さえつけた手は拘束具に変わっていく。


「お前、我の事がわからんか?本当に??」


 ワイバーンがハッとした顔をし「クルル、クルルルル。」と雛鳥が母を呼ぶような声をあげる。


「はぁ…………はぁ……、それ……どういう事です?」

「こいつは、我が雛鳥の時から育てたワイバーンだ、見た目ごと変わっていたから気づかなかったのだろう」

「なぁ……るほど…………先に言って下さい」


 説明したが?と言いたげな顔でこちらを見つめてくる……。とりあえず……これで、後はこの先に……。


ゴゴゴゴゴッ


 地鳴りが聞こえる……ここから更に下…………本命……だろうか。違ったら……。




ヌ゛ッッ


 と女の後ろ側から大きな口が飛び出す。


「…………ぁ……」

「おい!」


ゾルンッ


 賢者が咄嗟に手を引くが左肩から左膝にかけて牙が女の体を引き裂く。


「………………!ひ……!ぃい、っっっ!あああああ!!あぁ……が…………」

「…………ぐっ、あれが……目的の者か?」

「はぁ……あぁ、ああぁあ……くっ……。は、はい……聞いていた特徴と合致します。。。」


 女が手持ち最後の薬草で治療しながら話す。

 8つの首、8つの尾……。……深淵の魔物……これが……今までの奴らはこいつの幼体?いや……別次元過ぎる……。


「深淵の中の深淵……か……他の者が雑魚に見える程の存在だなコレは……」


 左手と左足の感覚がない……。あぁ……後、もう一時で構わない……体……動いて……。


「シュオ?しょロろロ?」


ポッ、ポンポン


「…………っ!」


 咄嗟に上へ跳ぶ。

 軽い音と裏腹に、飛んだ後ろの壁や地面に歪な球状の穴が空く。

 …………あれは、私を狙って放たれてなかった……。あれは……。


 空いた穴が真っ黒に染まり、中から魔物が現れる。


「け、ケケ、け?」

「イイイイぃぃぃぃ!!」

「ここ、ここ、ココ」


「前門の深淵、後門の深淵……か……」




覚悟は決まった


後は……発動までの時間…………。

し、え、のもののは、し

じょ、、しゃはかい、ゃをよび、せる。

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