終焉の魔女 2
逃げるのですか、逃げるのですか、逃げるのですか
逃げるですか、逃げですか、逃げすか、逃がすか、ごきげんよう
魔力を放つ事に集中する。ここで出し渋るような相手でも、状況でもない。私が出来るのは今、信じる事。
「ぐ……くっ…………。化け物め……!!」
「くふ、くふくふ、クフフフ」
べベン!
賢者に謎の音が襲う。
ピィ…………ン
ガラガラ……
澄んだ音が響き、階段の一部が波形状に削り取られ……崩れ落ちる。
「ふっ……はぁ…………はぁ……、少しずつ分かって来たぞ、貴様らのカラクリ……」
「くふくふくふくふくふくふくふくふくふ」
「なっ?!」
「賢者さま、上へ!」
深淵の魔物ははらはらと白い結晶と化し崩れ落ちる。
「ふぅ…………間一髪……というのはこの事だな。なんだあの量……やはり正攻法は通じぬな、捌ききれん。初手、奴らが油断してるところにぶちかますのはかなり有効なのだな」
「勇者さま直伝の魔法ですので……!消耗もかなりしますが……」
「アレらが一つ所にこれほどまでに集まっているのが異常なのだ……本来ならこうはならぬ」
煉獄館10層目
「ぐっ……肺の先を少し……やられているようだ。次の階層にならまた隠し部屋があるのだがな……。人とはここまで脆弱な生き物なのだな……。もつかどうか」
「何言ってんですか賢者さま、更年期?」
「ず、ずずずお、お、お、お」
天井からだった。咄嗟に肩に抱えた賢者さまを蹴り投げる。
ゴッ
「あっ!ぐっ……あ……」
頭に強い衝撃が走る、目が霞む……ここで倒れたら……全滅。。。
選択の余地など無かった……。
煉獄館11層目『隠し部屋』
「うっ……ぐっ…………かっは!!はぁ、はぁ、どうする、頼みの綱の魔法ももう打ち止め。我々は満身創痍、そもそもここまで深く潜っておる。戻るのも……もう、不可能だ」
脇腹の止血と体に入り込んだ石の礫を取り除きながら話す賢者さま。
「………………、ひとつ……魔導具もあります」
「…………その腕に巻いたペンダント……やはり魔導具であったか……、それで可能なのか?」
「1度しか使えないんです……わかりません。ただ、それでも例の守護獣……どう切り抜けますか?」
「ふむ、そちらは手がなくはない、が、今の私で大丈夫かどうかは、五分だ。期待はするな」
煉獄館12層目『最奥部、ダンジョンコアの間』
「あ…………あぁ………………え?なんで、ドラゴンが……」
「あれは近縁種ではあるが……ワイバーンと呼ばれる種だ。それでも、この大陸では守護獣としてのこれのみであろう。世界に生き残りがいるかどうか……」
どうしてあの人たちは化け物ばかりと戦っているのだろうか……。。。
終焉の魔女は詩う、安らかに
終焉の魔女は唄う、安寧を
ワイバーンについて
近縁種とは言われているがワイバーンとドラゴンの差は愕然たるものです。
とはいえワイバーンを越えるような魔物は多くなく。周囲一体を紅蓮の焔で包み込み逃げ場を無くす狩猟方法、多種多様な魔法とブレス攻撃を掻い潜っても、硬い甲殻があらゆる攻撃を防いでしまう。




