終焉の魔女 1
私は世界を終わらせる。
終わらせるために……
「この杖は……元々深翠の魔女さまの物です。術は、勇者さまから授かりました。深淵の魔物の為だけの術です」
「深翠……かような杖を持っていたとは……。勇者も、げに恐ろしき術を編み出したものだな。人の業……か」
煉獄館7層目
賢者さまにマナの瘴気を防ぐ結界陣を作ってもらい、私は傷の手当てをしてもらっていた。賢者の名に恥じない、何をさせても高レベルな術を使う。。。
「傷は塞がったが、視力はまだかかろう、鼓膜も戻らぬぞ、これから先、あの者が何体出てくるかわからぬ。後何回だ?」
「万全でも、5、今は……3……一度放っていますし……最奥部で必要なので……1が限界ですね」
1……あまりにも頼りない数字だ。万全……せめて瘴気さえなければ……。
「どうやら……深淵の者以外にも脅威はあるようだ」
「ガアアアア!!」
空間が震える程の叫び声、下から聞こえる。まだ遠く感じるが、それでも胸に響く音量だ。
「ダンジョンコアを守っていた守護獣だな……。元々あれは特殊な魔物なのだ。空間限定とはいえほぼ不死、とはいえ完全に倒され、こちらで処置せねば100年は戻らんのだが……」
ドシン、ドシンと扉の前を大きな足音を響かせ通り過ぎて行く魔物。
「あのマナの量……コアモンスターも徘徊しているようだな。どおりで魔物が強いわけだ。……どうする?体制を立て直し再度攻略も手だと思うが」
「このまま進みます。短時間でこれだけの異変……間を置くと救助は更に困難になるかと」
「承知した。幸か不幸か……このマナ……コアモンスターの感知は容易、深淵の者自体の感知は難しいが、独特に揺らぐマナ……なんとかしよう」
……本当に頼もしい…………。一切ブレずに最前の手を常に打ち続ける……この人を本当に勇者さまが?
「さて、そろそろ行くか……」
私は足早に道具の整理をし直し扉へと向かった。
煉獄館9層目『大緑蓮回廊』
大きく口を開けた大穴……物凄い量のマナが吹き上がっている。溶かし尽くされてしまうんじゃないか、そう思える量だ。
「ここにも異常……か……」
「これ……そうなのですね。何処に吹き上がっているんでしょう?外には噴出していませんよね?」
返事はなかった、あてがないのだろうか、それとも……。
「クフ、クフ、クフふふ」
ベン!
「………………!?」
「深淵の……魔物……」
咄嗟に飛び下がる。また……聞いた特徴にない深淵の魔物……。それに、何か……音が聞こえたはず……私は無事だが……賢者さまは……動いていない……?!
「…………ぐっ……ぬかった……」
腰の辺りが抉り取られたのかボタボタと出血している。相手の攻撃方法すらわからない。…………私のする事は……。
魔王が勇者に倒されました。
終の魔女が終を謳う。響け届けと四方へ向けて
コアモンスターについて
ダンジョンにはいくつかの種類があり。基本的にはマナの集まる場所に出来ます。
内部でマナが満ち満ちると、マナの収束化現象という現象が発生。
強力なモンスターへとマナは収束し、体のどこかで結晶化します。
マナの結晶と呼ばれるそれを内包した魔物をコアモンスターと呼びます。コアモンスターはダンジョン全体のレベルの底上げまで行う厄介な存在です。
このモンスター討伐を主たる目的として、大陸ギルドは発足しています。




