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勇者は魔王を倒しました  作者: 匿名記号
勇気の章

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26/102

勇気の代償 5

一睡も出来なかった。


恐怖で、眠れなかった……。

「ただの下女なんか私が連れてくるか!」


 開口一番早速怒られた。魔女さまはやっぱり私の事が嫌いなんだろう。


「まぁまぁ……順を追って説明してあげようよ」


 あぁ、兄様は優しいのにな……。


「はぁ……神官職にしか出来ない事はなんだ?言ってみろ」


 試すような問いかけ。すごく苦手だ。答えを教えて欲しい。


「ぇ……と……治癒の魔法と……即死魔法耐性……ぁ……。え?でも、、、」

「私は魔法使いで、こいつは勇者だ、ほんと、相性最悪。僧侶ちゃんが居なけりゃ手も足も出ない」

「………………大役を任せてすまない、僕と彼女で全力のサポートをする。頼めるかな?」


 頷いた。私にしか出来ない事だった。ただ、疑問が残る。


「あの……どうして……魔神が女神さまの加護を……?」


 魔女さまがニヤニヤと笑う。


「ククッ……今聞く?それ?この国最大の恥部……とある祭の噂くらい知っているだろう。奴がそのお祭りの主賓だ。」

「祭……集められた兵士は、1人も生きて帰らないっていう……?」

「そうだ、今年、祭は行われ……奴は今、マナの魔力の補充にかかり切りになる程に弱っている。今この国で奴と戦えるのは……僕と魔女と……僧侶しか望めないレベルだ」


 兄様の真剣な口ぶりに私は息を呑む……でも、肝心の疑問が解消されていない。


「え、と……でも私の……」

「深く考えなくても分かろう、あのまじんさまはな、元人間だ。確証はない。だが……間違いない、クロだ」


 魔女はなお、私の顔を見てニヤニヤしている。




…………魔女さまの説明、聞かなければよかったな。私は……一体ナニに祈ればいいんだろう。


「さぁ……楽しい楽しいピクニックの始まりだ!」




あぁそうだ、ここに来た理由、『大好きなお兄ちゃんのために死ぬ』


2度目の決戦。魔神戦第二幕。

厄祭

魔神エィトロは放った呪いの効果でその場を動けない。

50年に一度、魔神をその場に留めるために、祭は行われる。

生存率0%の祭は、勇者が来る3ヶ月前に行われている。

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