勇気の代償 1
私が何をしたんだろう。
何を恨めばいいんだろう。
魔王領を目前に僧侶が病に倒れた。代わりの僧侶を勇者が探している。
こんな辺境の村まで勇者の情報は届いた。
あぁ……お兄ちゃん……兄様……何年ぶりだろう、会いたいな。
家に居ると父がうるさかった。弟を事故で亡くし、困窮し……私も街に出稼ぎに出され……すぐに妊娠してしまい、役立たずと罵られた。
子供も両親や弟に預けられる位には大きくなった。
うん……きっと大丈夫。大丈夫……私なんか居なくても。
私は勇者、、、兄に会いに王都へと向かった。
王都へと着くと直ぐに勇者を見つける事が出来た。
エーテル教会前の広場で僧侶を募っていたからだ。
人だかりが出来てはいるが、魔王討伐の勇者の前に集まる人の数ではないように見える。
恐る恐る勇者の元まで近づいて行く。
お兄ちゃん……少し老けたかな?白髪も混じっている……。隣に立っている方は……魔法使いかな?物凄い美人……女の私でも見惚れてしまう。
「君は……修道女かな?」
兄に声を掛けられた。私の事……気づいていないのかな……?
「………………ぇ……?ぁ…………はい……」
自分でもビックリする程か細い声だった。いつぶりだろう、悲鳴と謝罪以外の声を出したのは
あぁ……女神の御加護があらん事を
穢れた修道女
兄勇者との非業の出会い、物語の始まり、始まり。
第一印象 1
なんだこの女、全身傷だらけじゃないか。顔だけ小綺麗にして……化粧と……香水……変態趣味の男相手の下女め。コレが修道女のはずがなかろう。




