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勇者は魔王を倒しました  作者: 匿名記号
幕間

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20/102

皇位継承順位73位

勇者は魔王を倒しました。


囚われの姫を救う勇者。英雄を彩る物語。よくある物語。

 1人の侍女を与えられた。


 それで終わりだった。


 父には1度も会った事はなかった。

 王都から遠く離れた、他国の王族や有力者をもてなす為だけに作られた街。


 普段そこに住んでいるのは

 最低限の管理と掃除のための奴隷が数名、私、侍女だけだった。


 自然と侍女とも仲良くなった。

 とある村の大家族の五女だそうだ。

 似た境遇だね、2人で笑い合う。


 ここの暮らしは退屈だったが、不幸ではなかったと思う。

 時折現れる王族や有力者の相手は少し疲れるけれど、辛いと思ったことは無い。


 奴隷たちとも少し打ち解けた。

 いつしか一緒に食卓を囲うようになった。




 唐突に小さな幸せの日々は終わった。


 ガタン!大きな音で目が覚める、深夜だというのに侍女は何をしているのだろう。

 そうだ、後ろから脅かしてやろう、そう思いゆっくりとドアを開ける。


 違和感はあった、血なまぐさい臭い……散らかった通路。少し怖かった。でも、好奇心には勝てなかった。少しずつ歩を進める。


 リビングの暖炉の火に照らされた侍女の影が見える。

 なんだ、やっぱり侍女だ。安堵し、やはり脅かしてやろう、ゆっくりと影に近づく。


 おかしい、侍女は私と同じくらいの背格好だ。


 影は


 ゆうに3mはあった。




 次に目が覚めた時。

 私の目にうつったのは神殿のような壁と……揺れる天井だった。





勇者は魔王を倒しました。


勇者の救ったお姫さま、王も忘れたお姫さま。

侍女の記憶

気配を感じた訳では無かった。ただの勘、そうとしか言いようがなかった。

狙いはきっと姫さま、賊に私は勝てないだろう。せめて、せめて逃げる時間位は……

だが

何もかも甘かった。

私を見上げる姫さまの悲痛な顔。

あぁ……姫さま……どうかご無事で

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