翠瞳の記憶
陽だまりが終わり黄昏の日々。
夕闇を歩き続けた魔女は若木に出会いました。
「貴女が1000年生きた魔女さま?嘘でしょ?こんな子供が?」
本当に失礼な小娘だった。あの場で炭にすれば良かった。
「こらこら、そんなはず……きっとお弟子さんだよ。魔女さまの所まで案内してくれないかな?綺麗な翠の瞳のお嬢さん?」
皆この瞳を見るだけで震え上がるというのに。
魔女の家への道中、勇者と名乗る、20にも満たないこの男が、魔王を討つと嘯いた。
面白い、面白い、面白い。
「私がお探しの深翠の魔女さまだよ。君たちが気に入った。数々の異名は知っての通り、また1つ増やそうじゃないか!魔王殺しの魔女。いい響きじゃないかい?」
小娘の驚く顔が実に滑稽だった。
あぁ……懐かしい。
楽しい楽しい旅だったよ勇者。
君は魔王を討つと言った。だから、ここで終わる訳にはいかないだろう?泣くなよ男だろ。
小娘もだ、なんだその顔早く行け。あと何度も言ってるだろ、1000歳越えてないからな私は失礼な。どいつもこいつも……私が譲ったんだぞ……必ず……
おじじ様……おじじ様の研究……何の役にも立たないじゃないか……なんだこれ……深淵の……。
深翠の魔女は深淵の魔物に殺されました。
勇者の魔女は魔王城の麓まで勇者を守りました。勇者パーティ、■人目の犠牲者、深翠の魔女。
賢者の独白
ここで深翠の魔女を処分出来たのは僥倖でしかなかった。




