16/102
深翠の魔女 3
深翠の魔女の伝承ははるか昔。
おとぎ話になるには浅く、人の寿命よりは深い。
私の才能は魔力の量にあるらしい。
おじい様の数万倍かそれ以上の魔力だそうだ。
あまりにも突飛な数値だ。数合わせすら苦手な私ではついていけない。
おじい様は笑っていた。
色々な事を教えてくれた。
マナとエーテル。
女神と魔族。
■と魔王。
天使。
この世界は球体である事。
東方の桜。
南方の魚。
西方の魔族より危険な生物。
ダンジョン最奥部、隠し扉の先にいる深淵の存在。
その研究に生涯のほとんどを捧げていた事。
長い長い時をおじい様と過ごした。
魔法については多くを語らず。
ただ見守られる事が多かった。
魔導書を一瞥するだけで使いこなす私に、教える事は何も無いと。ニコニコと私を眺めながら話していた。
木の洞にある魔導書の全てを読み尽くす頃には
おじい様は床に就く時間の方が長くなっていた。
翠の魔女と呼ばれた。堪らなく嬉しかった。
暖かい陽だまりの時間、かけがえのない時間。
深翠の魔女の記録
マナもエーテルも使いこなす異端の魔女。
魔族から畏れられ、人間から恐れられ。■■の天敵である。
■の魔法も使いこなす。
■の末裔。




