説明しました、いや、させられました。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
前回更新後、なぜか完結設定になってしまっていました。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。
まだまだ終わる予定はありませんので、今しばらくお付き合いください。
おかげさまで1万PV達成です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
超古代魔術文字って、あれだっけ。
今から10万年前くらいに使用されていたんだけど、その読み方の失われた文字だっけ?
長寿の魔族からしても、超古代と言えるほどに年月の経った遺跡とかに、失われた技術とともに、眠っているとか。
その失われた技術を解明するには、超古代魔術文字の解明も必須だとか言われているものなのよね、確か。
と、ここまでクロに教えてもらった、超古代魔術文字についての情報を思い出していたら、怒られた。
「そなた、また余を待たせるつもりか」
「すみません」
別に、待たせるつもりはないんだけどね。現状把握に時間がかかるんだよ、すでにいい年してるから、非現実的なこと言われると即座に対応できないのよ。
てかすごいね、怒鳴っても、声を荒げてもいないのに、叱責されたとわかる声を出せるって。
あれか、命令しなれているからか。何様だよ?・・・魔王様ですね。
それはおいといて。
「えっと、私、超古代魔術文字なんて、知らないんですけど」
とりあえず、今の私の状況を正直に説明する。
知らないものを、「なぜ知っている」と聞かれても困るのだ。切実に。
「ならばこれは何だというのだ」
と、魔王様は私作製の単語帳を、手入れの行き届いた美しい指先でトントンと叩く。
さすが魔王様、男性的な大きく節ばった手なのに、指先まで美しいとか。
手フェチの私としては、ガン見してしまうではないか。
いや、それは置いといて。
「単語帳です」
またも愚直に答える。だってそれしか言いようがないんだもん。
つか、それ以外に何を答えろと。
「だから、何故に、超古代魔術文字の単語帳などを持っているかと聞いているのだ」
「だからそれは、貴族文字用の単語帳です!!」
さらに、詰問の色を濃くしたにも拘わらず、同じようなことを聞いてくる魔王様のお言葉に、ちょっぴりキレる私。いい加減、質問の意図を明確にしてくれ。
私がキレたことに驚いたのか、魔王様が黙り込む。ふん、いい気味だ。
意味不明なことばっか言いやがって。どこからどう見ても、貴族文字が半分に書いてある単語帳じゃないか!!
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・ん?
私の単語帳は、ノートの片方のページに貴族文字、片方のページに日本語が書いてある。
これ、貴族文字の読めない私からすると、貴族文字用の単語帳だけど。
日本語の読めない人から見ると・・・?
「もしかして、日本語が超古代魔術文字だったりなんか、しちゃったり・・・」
しないですよね?
逆から見ると、|超古代魔術文字(日本語)の単語帳になる、とか?
まさかまさかまさかそんな!!
「そういうことだね」
おそるおそる聞いた私に答えてくれたのは、お義父様だった。ふかーい溜息などを吐きながら。一緒に、ピンと力の入っていたしっぽがしおれて肘掛に引っかかる。
後ろのお二人も、何気にふかーい溜息なんぞを吐いている。ナニゴトデスカ。
「つまり、リサはこれが超古代魔術文字であるとは知らなかったと?」
「はい。これ、私のいた国の、母国語です・・・」
と、私の言葉が終わると、深い溜息を吐いて消沈ムードだった全員の耳がぴくりと動いた。モノの例えではなく、本当に動いたんだけど(魔王様を除く)。
とたんに、全員の視線が痛いほどに突き刺さる。物理力があれば、アイアンメイデンも真っ青な傷が出来上がるだろう。想像だけで痛いイタイ。
「母国語、だと?」
「つまり貴女は、この文字を自由に操ることが出来ると?」
ぎらぎら、という表現が似合うほどの熱視線が注がれる。
魔王様の視線もだいぶ熱いんだけど、一番熱いのはクレメンスさんだったりする。
その熱さが、イケメンに見つめられちゃった、きゃっ、はずかしい(はあと)とか可愛く言えるようなものならいいんだけど、残念ながら。
たぶん、あれだ。いい成果出しそうな研究用モルモットを見つけた、みたいな。
あれ、私ここでもペット扱い? いやいやいや、確実に扱い(ランク)下がってるし!!実験動物だし!
「いや、自由に操る、なんてほどのものじゃないですよ。ほら、こちらでいう、平民文字?その程度しか読めませんから」
凄まじくなんだか嫌な予感がするので、じりじりと後ずさりたいんだけど、いかんせん椅子の背もたれがあって、姿勢が良くなるだけだ。凭れるときは埋まりそうになるくらい柔らかいのに、こんな時ばっかり存在を主張しなくてもいいのに。
とかなんとか、背中に冷や汗ダラダラ流して能力低いですアピールしてみたら、お義父様に鋭くツッコまれた。
「そんなわけないだろう。クロードから聞いているんだよ。リサが、ニホンという国で、ダイガクインという、学歴は最高となる学府までいって勉強していたということは」
「ほう、それは素晴らしいな。異世界の最高学府に入ることが出来るとは」
いやいやいやいや。
確かに、大学院には行ってたけれども。
大学の名前も、そこまで悪くなないけれども。
たぶん、こちらの方々のいう「学歴が最高となる学府」とは意味が違うから!
「最高学府」じゃなくて、「学歴が最終となる学府」なだけだから!!
訂正したいけど、一から日本の学習形態を説明するための時間を取ってもらえるかと行ったら、そうは問屋が卸してくれない。高くてもいいから、卸して欲しかった・・・。
「そうなるとアルベルト、この娘をこの城から出すわけにはいかなくなった」
「そうですね。さすがに、自由の身というわけにはいかないでしょう」
架空の問屋に文句を言っていたら、私の身柄問題が勃発していた。
いや、お義父様、そんなあっさり監禁宣言受け入れないでぷりーず。私あなたの娘でしょう!?え、王命は仕方ないって?ごもっともです。
そんなこんなで、あれよあれよという間に、私の滞在先が、バステト邸から王宮へと移動することが決まった。
せっかく、お屋敷でみんなと仲良く慣れたのに。
良好な人間関係を構築していたのに。
また作り直しじゃないか。ぐすん。
次回更新は4日の夜8時の予定です。




