思い出の中で...
「沙織?」
う〜ん...
「沙織!」
目を開けると、ソコに大好きな人が居た。
「耕にぃ小さくなった?」「何言ってんだよ。寝ぼけてるのかい?」
そう言って私の頭を撫でてきた耕にぃだが、手に温もりは無かった。
(あぁ...コレ、夢だ)
眼の前に居る耕にぃは、まだ中学生くらいの身長で...
確か覚醒夢って言うんだっけ?
そんな事を思いながらも、私は束の間の時を満喫する事にした。
「耕にぃ♪」「どうしたんだ今日は?甘えん坊さんだな♪」
やっぱり温もりも感触も無いが、それでも声だけは聞こえるような気がする。
私は耕にぃの背中に抱きつきながら、もう一度耕にぃと呼ぼうと思い...
今度は正面に回ってから、改めてしがみつく。
するとさっきまで何も感じなかったのに、今度は仄かに温かい。
嬉しくなって私は両手に力を込めて、ぎゅ〜っと抱き寄せてみると...
「耕にぃ、太った?」「誰が耕にぃよ」「...!恵子?!」
眼の前に居たのは恵子だった。
「言っとくけど...太ったんじゃなくて、大きくなっただけなんだからね!」
「そう」「なっ!?軽いわね?」「別に羨ましくもないし」
そして何故か巨乳自慢してきたので、私は興味が無いと嘯いてみる。
そんな阿呆なやり取りをしていると
「大丈夫ですか?」「崇先!」
保健室のベッドの横に、遠藤先生が座っていた。
私は改めて周りを見渡してから
「そう言えば...なんで私、保健室のベッドで寝てるの?」
「覚えてないんだ!」「無理に思い出さなくて良いですよ」
私が気になった事を口にすると、恵子は驚き遠藤先生は優しく微笑んだ。
ガラガラガラ...
「すみません...ココに恵子が居ると聞いて来たのですが」
「あ、ママ...」「恵子!アナタ、何をしたの?!」
まだ、頭の芯がハッキリしていなかったのだが...
(学校に恵子ママが来た)
この事実を認知した瞬間...私は全部思い出した。
「それでは...そろそろ行きましょうか」「...はい」
ガラガラガラ...ピシャン!
恵子ママの隣に教頭が居て...
恵子は教頭に声をかけられると、そのまま一緒に出ていってしまった。
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