災い転じて福となす?
「「あれ、思い出し泣きじゃなかったんだ!」」
「ちょっと!そんな事では泣かないよ?」
私と恵子はかなちゃんに甘えてる店長があまりにも長い間抱擁してるから、いい加減その雰囲気に耐えられなくて話しかけたら...
「私に同情してたの?」「だって...」「あ〜…。それなら分かるわ」
私が呆れてたら、恵子は同意したようだ。
「なんで分かるのよ?」「えぇ!?」「沙織ちゃんは強い娘だねぇ」
私が恵子に突っ込みを入れると何故か驚き、店長はまた涙目になる。
「沙織ちゃん、晋ちゃんはね...沙織ちゃんの事が心配なのよ」
「ソレは...分かりますけど」「ちょっとキレ過ぎだったかも?」「うっ!」
先日遠藤先生と一緒に惠木氏が来た時、最初は私に注意していた店長だったけど...
恵子がネギの素行を半分キレながら愚痴った為、店長も怒り出してしまった。その時に店長の過去を聞いたのだが...
「あの先生...実は俺の学生時代の担任に、似てたんだよ」
「「そうなの?!」」「あらぁ〜」「見た目じゃなくて口調がね」
ソレを聞いたら、私も納得してしまった。自分本位な言い方をするヤツって、結局人の話を聞かないから無視するか遮るかくらいしか私も対応を思いつかない。
「それでも、キレるのがちょっと早すぎたと思いますけどぉ?」
「恵子ちゃんは手厳しいなぁ」「イヤ、アレはヤバかった」「うっく...」
実際に、この後学校から抗議の電話がかかって来てしまった。だが店長は、流石に今度は冷静に対応したらしい。
すると...
「この度は、ウチの教員が大変なご迷惑をおかけして...申し訳ありませんでした」
教頭がわざわざお店にまで謝りに来た。
あの時、店長がキレながら言った事
人件費、就業時間中、客への対応等...
ネギは一切口にせず、只々店長に暴力的な言葉で追い返されたとしか言わなかったらしい。
「大丈夫ですよ。一度目は遠藤先生が取り持って下さいましたし、二度目もお客さんの居ない時でしたから」
店長は教頭に、本気で恐縮しているみたい。それは教頭も同じみたいだけど...
「それは結果論ではないですか」「結果被害は無かったので...それより、私もつい熱くなって言い返してしまい申し訳ない」「それは当然の事です。こちらが全て悪かった事、お気になさらないで下さい」
そんな謝罪合戦もひとしきりして落ち着いてくると
「永峯さんも、今回は大変だったね」「そう思うなら担任を変えて下さい」「それは...先生だって人間だからね?ちゃんと注意しておくから、それで許してあげてくれるかい?」「...はぁ」
私も教頭に頭を下げられたが...正直ネギはまたやらかすだろうなと思いながら、その言葉を聞いていた。
そう...自分本位な人はそう簡単に、学ばないのだ。
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