宿らぬ父の記憶 前編
「尚弥さん、ゴメンなさいね」「は、はぁ」
「ママ!覗き見してたの?!」「恵ちゃんゴメン」
恵子ママが尚弥さんの顔を覗き込むように話しかけると、尚弥さんは軽く首を縦に振った。
だが恵子は焦りながら二人の間に立ち、少し呆れたように文句を言う。恵子ママは娘に手を合わせ、一言謝りながらも尚弥さんに話しかける。
「さっき恵ちゃんに聞いてた事なんだけど、どうしてそう思ったのかしら?」
「そ、それは純玲ちゃんが...晋二さんと一成を見ながら『お父さん』って...」
やっぱりあの時感づいていたようだ。恵子ママが咄嗟に隠れているよう手で制してくれたお陰で、私はまだ岩陰に潜んでいる。
「川に行った時に、そんな事があったのね」「あの!?秩父には二泊三日の予定ですよね?」「そう聞いてるわよ」「その間...変な空気になるのも嫌なんで、聞ける範囲で教えて下さい」「そうね〜」
尚弥さんの質問に答えるのに考えるフリをして、恵子ママは首を傾げて私の方を見てきた。私は恵子ママを見ながらゆっくりと頷いてみせた。すると...
「どこから話そうかしらね」「ママ?!」「よろしくお願いします!」
恵子ママは私が隠れている岩に腰掛け、両手を広げ岩に手を付けた。
私は岩だけでなく恵子ママの背後にまわる事で、より二人の死角に入るよう移動する。
「沙織ちゃんの許可を得ずに、何処まで話して良いか分からないけど...」
私が後ろに居るのを分かってて、恵子ママはワザとそう言って切り出した。
そうして...恵子ママは私と純玲が、親代わりをしていた耕にぃに育てられていた事と...
去年その耕にぃが亡くなった事を...尚弥さんに告げた。
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