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声の主は『鳳凰』だった。
『勇者の洞窟』は古からあり、精霊の加護により魔物がやって来ない場所だ。
相当な魔力が満ちていてもおかしくはない。
むしろよほどの力が無いと、その膨大な魔力は毒と変わらないのかもしれない。
「我が力、幾ばくか取り戻しつつある。汝望むならば石版の封印を解き、かの地への扉を開かん。汝それを望むか?」
『鳳凰』は問うた。
ラディッシュは、フレアの手を握ってきた。
それは決意の表れなのだろう。
フレアは『鳳凰』の問いに、
「はい。」
と答えた。
「我、汝を願いを叶える。」
強烈な光が体を包みこみ、フレア達は目を開けていることができなくなった。
しばらくして光が収まり、目を開けると、暗闇の中にいた。
近くにラディッシュもいたが、薄く体が光を発している。
装備等は身につけておらず、全裸のようだが体の細部は見えない。
「どうやら精神体のようね。生身では石版を超えることはできないと言うことは、この先には余程のものがあるという事ね。」
ラディッシュは暗やみの中で光る方を指して、フレアと動き始めた。




