嵐の中心、それぞれの生存戦略(という名のドタバタ)
船長のフィーリング舵(=感覚によるランダム選択)によって、シー・チキン号は奇跡的に嵐の目に突入し、沈没を免れた。
…と思ったのも束の間。
「ぐああああああぁぁぁ!!!」
「バケツ持ってこい!!3つでも足りねえええ!!」
「誰かノエラの“音速キノコソング”を止めてくれええ!!」
――**嵐、再起動。**
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海は牙を剥き、船は震え、クルーのIQとプリン残量は見る見るうちに低下していった。
そんな中、各クルーはそれぞれの“戦法”で嵐と向き合っていた。
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船長:トイレ籠城・吐きながら仮説立て中
「(……認知リソース、90%吐き気対応中……だが残り10%で、波と吐瀉物の軌道の相関性を……導ける、はず……うぷ……)」
閉鎖空間のトイレで“哲学と内臓のバランスを保つ実験”に挑む彼の脳裏に、突如こんな問いがよぎる。
「(待て……このパターン……波の軌道に、何か……“秩序”があるのか……?)」
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ポンデン:椅子喪失、哲学とともに海へ
「さらば、我が愛しき肘掛け椅子……君との対話(※一方的)は永遠の記録となろう……」
彼はマストにしがみつきながら、嵐の波を「自然の問い」として受け止めていた。
その視線の先、海の彼方には“ビスケットに酷似した波形”が見えていた(※幻視)。
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マジシー:人間ファラデーケージ、稼働開始
パンツ一丁に鍋、フライパン、トースターなどを全身に装着し、「電撃対策は完璧だァァァ!」と吠える発明家。
アンサロップ:「その格好は規約215条、裸に等しいと明記されているぞ!」
マジシー:「嵐中に規約を読むなぁぁぁぁ!!」
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アンサロップ:規則 vs. カオス(ただしマニュアルは濡れて読めない)
「マニュアル78ページ、非常時浸水対応の項目を……ああ、インクが滲んで読めない! これは違反だ、宇宙が違反してる!!」
船長(トイレ内):「(嵐の波形、複雑だが……一部、規則性が……? いや、これ錯覚……いや違う、違わない……バグか……?)」
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ノエラ:高性能歌姫(ただし致命的に選曲がダメ)
「♪毒きのこにご用心~ルンルン~全員見つけてエンジョ~イ(BPM190)」
そのテンポと不協和音の嵐が、クルーの心に**嵐とは別種の精神的嵐**を引き起こす。
トランフォード:「ノエラ殿、今の歌は精神攻撃に該当しますぞ!? 違う意味で士気に影響がぁ!」
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トランフォード:プリン(の安否)最優先
「殿下! この嵐に紛れて……私の“高級プリン予備3号”が流されておりませんでしょうなッ!?」
なお、その叫びは船長には届いておらず、本人はまだ便器と対話中である。
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ダリオ:幻視モード全開
「見える……! 波の中に、巨大なビスケットの形が……否! プリン!? いや、スコーン!? それともタコ焼き……!? くっ、記録せねば!!」
スケッチブックに描かれたその絵は、のちに「**問いの濁流、ナマズ添え**」と命名され、船内の掲示板を騒がせることになる。
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ノートン:記録中(黙々と)
> 『嵐、第二波。精神的ダメージ観測値:高
> 船長、トイレ滞在時間:記録更新中
> マジシー、危険度:パターン赤
> ノエラの歌:船員のストレス指数12%上昇
> ポンデンの哲学:海水と共に漂流中』
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このように――
物理的にも精神的にも崩壊寸前の『シー・チキン号』だったが、そこにふと、静けさが戻ってくる。
船長は、震える手で舵を握った。
「……計算できない。だが……このカオスの中に、“何か”がある気がする」
「何をおっしゃってるのですか!?」
「……わからん。だが、わからないからこそ、舵を取る理由がある」
「フィーリング舵、再びぃぃぃ!?」
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そして、船はまたしても――
不確かな何かへ向かって、揺れながら、傾きながら、**問いを追って進みはじめる。**




