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第28話 ライフライン③

俺は、なるべく淡々と、いつものように、配管をチェックした


しばらくすると、ナルも少し落ち着きを取り戻し、作業を進めた


この場所を一回りするのに、半日ほどかかった


ようやく作業を終えて、最初の場所に帰ってきた


そこにはレアルが待っていた


俺はナルに念を押すように言った


「ナル、俺のこと、見てくれてる?」


「うん」


「もうすぐ終わるからね。最後まで、ナルを抱き寄せててもいいかな?」


「いいよ……」


「ありがとう」


そう言って、俺は右腕でナルの頭を包むように抱き寄せた


そのまま調査結果をレアルに渡し、特に寿命が短かった場所を指摘した


すぐにレアルは施設にいた人間にそれを渡し、修復を指示した


「ソラ、噂以上の仕事ぶりに感心したよ、君は国の宝だね」

「私は君が気に入った、今後はリンに協力し、後ろ盾となってもいい」

「君が国に忠実ならば、危険なA級魔術師の一人くらいなら、私は見逃すよ」


レアルが言った言葉の意味は分かった


協力しなければ、ナルがどうなるか分からないと、俺を脅している


「俺はただの配管工です、この町でしか生きていけない……ご依頼頂ければ、いつでも喜んでやります」


そう言った俺に、レアルは大きな袋を手渡してきた


重い……金貨の音がした


「君は話が分かるね」


そう言うと、レアルは俺に耳打ちした


「この女に首輪を付けろ、今日会ったのが俺でなかったら、処分されてたぞ」


背筋が冷たくなる


レアルは普段の笑顔に戻り、俺に言った


「それに……見たところ、君なら、簡単なのでは?」


「分かりました、なにぶん世間知らずなもので……ご助言感謝します」


「魔力省長官レアル・ジスト、それが私の名前だ」

「今後なにかあれば、私を頼りなさい」


「ありがとうございます」


俺は深々と頭を下げた


それからエレベーターに乗り、城の門から外に出て


つり橋の前で待っていた馬車に乗り、ギルドに向かう


少しずつ、吸い込む空気が軽くなるのを感じた


俺はナルの様子を確認した


俺の腕の中で、寝息を立てている


あの場所にいた時とは全然違う


魔力のない俺には分からないが


ナルには負担が大きい場所だったんだと思う


俺があの時、しっかりとレアルと対峙し、ナルを説得出来ていれば…


今日、長いあいだ怯え続けるナルを見た


自分の不甲斐なさに、腹が立つ


きっとイナクなら……ナルを連れて行かなかった


そんな考えが浮かんでくる


だめだ! 俺がもっと、しっかりしないと


俺が、守るんだ



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