とある記憶 4
「そのペンダント、ずっとしてるよな。何か思い入れでもあるのか?」
とある雪が積もる冬の夕方、小屋の外にある小さな貯蔵庫から追加の巻きを持って帰ってきたXXXが寒そうに暖炉の前でコートを脱いだ姿を眺めていたチトはふと問いかけた。
普段からXXXの首にかけらえている銀細工のペンダントは、トートでは見られない繊細な装飾と綺麗な蒼い宝石が埋め込まれており暖炉の日に反射してきらりと輝いている。思い返すと、時折ペンダントを開き中にはめ込まれているらしい写真を眺めている様子を何度か見た事があったのだ。そんなチトの問いかけに暫く黙り込んでいたXXXはそと目を伏せるとペンダントの表面を撫でた。
「この中にね、私の家族の写真が入ってるの。皆、もう死んじゃったんだけどね。このペンダントはお母さんの形見だって言ってもらったものなんだよ。だから、まぁ、チト君の言う通り思い入れはあるかもしれないね」
困ったような微笑を向けられて思わず口をつぐむ。大方予想はついていたはずなのに、その瞳の奥から深い悲しみの感情を読み取ってしまったチトは気まずくなって顔をそらした。チトの反応をあらかじめ予想していたらしいXXXは悪戯っぽく笑ってペンダントを自分だけに見えるように開いた。
「それでね、この隣の面にチト君とウチで一緒に撮った写真を入れるの!チト君は私にとって第二の家族みたいな人だからね!」
心底楽しそうな表情で同意を求められて、赤面したチトはうつむいた。その様子に満足げに笑ったXXXは再びペンダントを閉じその表面を撫でつけてから笑った。
「いいでしょ?チト君!」
「…気が向いたらな」
寒空の下、楽しそうに笑うXXXの声が穏やかに響き渡っていた。
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