第68話 ダンジョン調査
翌朝。
石畳の通りに朝の光が降り注ぎ、街はすでに賑わっていた。
ヴァルネッタの冒険者ギルド――二階建ての石造りの建物。
外壁に刻まれた古い紋章が歴史を語る。重厚な扉を押し開けると、依頼報告や談笑の声が一斉に溢れ出した。
「ふわぁ……広いねぇ!」
ミミがきらきらした目でホールを見渡す。
「王都ほどではないが、地方にしては見事な造りじゃな」
セイが腕を組み、満足げにうなずいた。
掲示板にはびっしりと依頼書が貼られている。
討伐、護衛、採取、探索――その最上段、ひときわ大きな文字が目に入った。
「ほらセイ、あれ……『ダンジョン調査』って書いてある」
リアナが指差すと、セイの瞳が輝く。
「うむ……これじゃな」
セイは食い入るように依頼書を覗き込み、読み上げる。
「第二階層の未確認区域の調査。要は地図づくりじゃな。
魔物の数や強さの確認も兼ねておるようじゃ」
「思ったより危険じゃなさそうね。報酬も悪くないわ」
リアナが依頼書に目を走らせる。その横から、ミミがひょっこりと顔を出した。
「えっ、じゃあ、宿屋の売店にあったおっきな肉まん。みんなでお腹いっぱい食べられるかなぁ?」
指をくわえ、期待に目を輝かせる。
「それどころか、宿の夕食を豪華なコースにできるぞ」
「じゃあ、それで決まりっ!」
ミミはぱっと顔を輝かせた。セイは満足げに頷き、リアナの顔色を伺う。
「……しょうがないわね。でも、この依頼だけよ?」
小さくため息をつきながらも、リアナはくすりと微笑んだ。
「セイさん、目がきらきらしてます。少年みたいで可愛いです」
エリシアが微笑むと、ミミもこくりと頷く。
「あと、宝物はもらっていいのかなぁ?」
「もちろんじゃ! 冒険の醍醐味はそこにある!」
セイが胸を張った、そのとき――
カウンターの奥から、ひとりの受付嬢が姿を現した。
淡い金髪に透き通る碧眼。清潔な制服をまとい、柔らかな笑みを浮かべている。
「おはようございます。受付はお済みでしょうか?」
その声に、ミミがぴょんと手を挙げる。
「はいっ! 私たち、《キラキラ☆おひさま団》です!」
「キラキラ……? あっ、ノキア村ギルドで登録された皆さまですね」
受付嬢は手元の資料を確認しながら、軽く会釈した。
「私は受付担当のセレナと申します。本日はどのようなご用件で?」
「遠征の途中でな。少し稼いでから次の町へ向かおうと思っとるんじゃ」
セイが胸を張って答える。
「承知しました。受注される依頼は――」
「これじゃ!」
セイが依頼書を差し出す。
「“ダンジョン調査補助員募集”ですね。……はい、まだ募集しております」
セレナは内容を確認し、穏やかに微笑む。
「よし、これで決まりじゃ。さあ、ダンジョン探索に出発するぞ!」
セイが嬉しそうに拳を握った。
リアナが小さくため息をつきながらも、どこか楽しげに笑う。
「ほんと、少年みたい」
「……うふふ」
ミミとエリシアは顔を見合わせ、くすくすと笑い合った。
セレナは姿勢を正し、事務的な口調で説明を続ける。
「ダンジョンは現在、駐屯軍の管理下にあります。
入場は軍の通用門からのみ可能です。一般の南門では入れませんのでご注意ください」
「うむ、心得た」
セイが真剣な表情で頷く。
「出発はいつでも構いませんが、監督官の指示には必ず従ってください。……何かありましたら、ギルドまで」
その一言で、場の空気がわずかに引き締まった。
「了解じゃ。――みんな、準備を整えておくぞ」
セイが仲間を振り返ると、ミミが元気いっぱいに手を挙げる。
「はーいっ!」
受付を終えた一行は装備を整え、街の南端へと向かう。
通りを進むにつれ、鎧姿の兵士の姿が増えていく。
活気ある市場の空気は、やがて要塞都市特有の硬質なものへと変わっていった。
ヴァルネッタ軍の駐屯地は石塀に囲まれた広い敷地で、門前では鎧姿の衛兵たちがきびきびと警備にあたっていた。
「やあ、やっぱり来たんですね」
声をかけてきたのはレンだった。
昨日と同じ軽装の鎧に外套を羽織り、手には分厚い書類の束を抱えている。
「一応、ギルドの依頼票を拝見できますか? 通行許可の確認が必要でして」
「うむ。これじゃ」
セイが依頼票を差し出すと、レンは素早く目を通し、頷いた。
「確認しました。――はい、問題ありません」
それから、ふと柔らかな笑みを浮かべる。
「ところで皆さん、今夜のお時間は空いてますか? 昨日のお礼をさせていただきたくて」
「夜は特に予定はないが、まずは探索じゃな。
滞りなく終えられたら、その時はお言葉に甘えよう」
「了解しました。では――お気をつけて」
レンは軽く敬礼し、通用門の奥を指し示した。
「じゃあねー、また後でねー!」
ミミが手を振る。レンも笑って応じた。
門の先には、ひんやりとした空気が流れていた。
こうして一行は、ダンジョンへと足を踏み入れた。
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▼ステータス情報
【名前】セイ
【年齢】25(肉体年齢)
【職業】テンプレ詰め込み勇者
【レベル】39
【スキル】生活知識大全/魔法知識大全/世界法則書き換え/時間停止/魅了体質/無限成長/強制ハーレム誘導/おじいちゃんの優しさ(ヒロイン全員好感度+100)/威圧/加速支援/魔法適性鑑定/精霊感応/状態異常回復/索敵/ホーリーブースト
【同行者】
・ミミ(記憶喪失の少女/推定15歳)
- 好感度:好き(夕食に豪華なコースが楽しみ)
- 能力傾向:回復系(第一段階覚醒済)/ヒーラー適性あり
- 状態:アストラクロスのローブを装備。体調ばっちり
- 補足:セイに「お宝」と「ご馳走」を約束され、モチベーションは最高潮
・リアナ(元騎士団の見習い/19歳)
- 好感度:好き(最後は折れてしまう)
- 能力傾向:攻撃系(雷・風属性)/貫通・麻痺・加速タイプ
- 状態:シルクノートの胸当てを装備。体調ばっちり
- 補足:少年のようなセイに振り回されることに、心地よさを感じる。ちょっと目覚めてきたかも
・エリシア(元聖女様/24歳)
- 好感度:かなり高(セイの少年っぽいところに母性が芽生える)
- 能力傾向:支援・結界・祈祷(神聖属性)
- 状態:アストラクロスのドレスを装備。体調ばっちり
- 補足:どんなにセイが暴走しても、笑顔で見守ることができるまさに聖女
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