救出
眩しい光が差し込んで、私は思わず目を細めた。
逆光の中に、長身の人影が立っていた。ダークブラウンの髪が揺れる。
「ラルム……っ」
その声を聞いた瞬間、胸に溜まっていた重いものが一気に溢れ出した。
「レオ……」
声にならない声で呼んだだけで、私の目から涙が止まらなくなった。レオは迷うことなく私の元に歩み寄ると、膝をついて私の両肩を掴んだ。碧色の瞳が、私の顔を覗き込む。
「無事か。怪我は……」
「大丈夫……大丈夫です。でも……私……」
謝りたかった。あんなに一人で勝手に思い詰めて、城を飛び出して、こんな目に遭って……全部、自分のせいなのに。なのに言葉が出てこなかった。
「ラルム」
レオは私の言葉を待たずに、そっと私を自分の胸に引き寄せた。
「……謝らなくていい」
「でも私は——」
「分かっている。女官長が動いたのだ。私の不手際だ」
低く静かな声で、しかし確かな怒りを滲ませてレオは言った。
「君が城を出たのも、全て私の管理が甘かったせいだ。……本当に、すまなかった」
私はレオの胸に顔を埋めたまま、首を横に振った。謝るのは私の方なのに、なぜこの人はいつも先に謝るのだろう。
「……私こそ、ごめんなさい。あの記事を見て……すぐにレオを信じればよかったのに……」
「ラルム」
「…はい」
「帰ろう」
たった二文字だった。でもその言葉は、どんな長い言葉よりも温かかった。
レオは私を抱き上げると、周囲を確認してから静かに告げた。
「少し、揺れる」
次の瞬間、視界が白く染まった。




