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双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


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83/88

第83話ー瑠璃鎮、旅立ちの朝ー

昨日は更新できず申し訳ありません。

諸事情ありできませんでした 汗

いよいよ出発の朝となった。各自縁から配られた紺のマントと最小限の荷物を背負う。

女将の娜娜(ナーナー)が、

「皆さんがいなくなると、寂しくなりますね。」

としんみり言う。

「女将にも世話になった。料理人にはいつも大量に料理を頼んで、悪かったと言っておいてくれ。あと、とても美味しかったと。」

と縁は言った。

「米1粒も残さず食べてくれるのがうれしかったと、料理長が申しておりましたよ。」

女将が微笑んだ。

「これから野宿ですから、瑠璃の小箱亭が恋しくなりますね。」

とヤンガが言った。

「ほんとにそれよ。ふかふかの布団、恋しくなるわ。」

とユエ。

「全くだ。」

と同意するヤオ。

「ふふふふ。冒険者は野営することも多いと聞きますから。頑張ってくださいな。」

女将は弟子3人に声をかけた。そして、

「では、行ってらっしゃいませ。旅の無事を祈っております。」

と深々と頭を下げた。

「ありがとう。女将も達者でな。ではみんな行くぞ。」

と縁が3人をうながす。

「「「ありがとうございました!」」」

弟子たちも声を揃えて礼を言った。


瑠璃鎮の城門には、護衛部隊隊長の建平(ジャンピン)、ギルドマスターである梓乐(ズーラ)、受付嬢の芷瑶(ヂーャォ)と、瑠華商会の暁東(シャオドン)がいた。

縁は、

「わざわざ見送りか。気を使わせたな。」

と声をかける。

「瑠璃鎮で初めてのSSS(スリーエス)の冒険者なんだ。礼は尽くすさ。」

スキンヘッドの梓乐が頭を掻きながら言う。芷瑶も、

「私も初めての事だったので、ギルドマスターに着いてきました!初日は本当にごめんなさい!あと、リザードマンの件もありがとうございました。瑠璃鎮の一市民としてお礼を言わせてください。」

と頭を下げる。暁東は、

「私たちは命を救っていただきました。本当にありがとうございます。縁様たちのご武運を祈っています。」

と縁と握手を交わす。建平は、

「縁様、あなたがいたお陰で、あいつらは家族の元へ戻れた。あの世で感謝しているだろうよ。本当に感謝する。俺たちはあいつらに恥じないよう、勤めを果たすつもりだ。本当にありがとう。」

と手を差し出す。縁は、

「こちらこそ。亡くなった警備兵の家族にはよくしてやってくれ。それが隊長であるお前の責務だ。」

と建平の手を固く握った。そして建平は、敬礼を返した。縁も敬礼を返す。

「白曜、黒曜」

縁は下僕を呼び出す。 影の中から、2匹はしゅるりと姿を表す。

縁は使役の首飾りを外すと、建平に渡した。

「元の大きさに戻ってくれるか?」

縁は2匹に命じた。2匹はオオカミほどの大きさから、3mを超える大きさに戻った。縁は白曜に飛び乗ると、弟子たちもそれぞれ飛び乗る。

「みんな、ありがとう!まためぐり逢いがあれば、合間見えよう。じゃあな!」

と縁は四人に声をかけた。弟子たちも、

「ありがとう!またいつか!」

と口々に礼を述べた。

「行くぞ!」

縁の掛け声で白曜と黒曜は舞い上がる。二頭はぐんぐんと高度を上げ、瑠璃鎮から離れていく。

「なんだかんだあったが、里を出てあっという間だったな。」

とヤオが声をあげる。

「そうね、あっという間だった。この間にワイバーンの出産に立ち会ったり、盗賊を殲滅したり、決闘があったわね!リザードマンの集落を殲滅したり盛りだくさんだったわ。」

とユエが応じる。

「僕も短い間に出来事がありすぎて、思い出したら"こんなことあったっけ?!”って感じだよ。」

とヤンガも話に混じった。縁は、

「こんなもんじゃないか?旅をしていたらこんなもんだよ。」

となんともないように言う。弟子3人は、

ー師匠って、もしかしてトラブル誘引体質なのかも…ー

と思ってしまった。


朝の光が正面からさしてくる。

瑠璃鎮はすでに遠く、瑠璃色の屋根はキラキラと朝日を反射してきらめいて見えた。

福州への旅立ちは、涼やかな風をきって、静かに始まったのであった。

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