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双蛇ノ縁ーソウダノエニシー  作者: 環林檎


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79/87

第79話ーお手製レーション、作ります。ー

また遅くなってすいません!

全然時間守れてない 汗

本当にすみません!

朝、瑠璃鎮には朝靄がかかっていた。朝日が差し込み、幻想的で美しい。そんな眺めを、縁は感慨深げに見つめていた。

ー随分と、優しい朝が来たもんだ。いつも、過去のことを思い出すと、寝起きは最悪なのに…。ー

縁は昨日の事を思い出していた。


自分の過去をかなりさらけ出してしまった。弟子たちは大丈夫な様子だったが、正直、縁の胸は落ち着かなかった。嘘は言っていないが、他人から見れば荒唐無稽な話だったからだ。それでも弟子たちは、彼らなりに飲み込んでくれた。

ー私はその信頼を裏切ってはならない。ー

縁は静かに覚悟を決めた。


縁は朝食をとりに、食堂へおりた。

「おはようございます!師匠!」

元気な声が迎える。ヤオだ。

「すいません!先にいただいてます。」

とヤンガ。ユエは口になにか入っているようで、モゴモゴしている。

「ユエもおはよう。」

縁は3人を見て微笑んだ。そして、ウェーターに、

「鶏粥を頼む。出来れば卵を溶いたやつにしてくれ。」

と頼んだ。ウェーターは、

「かしこまりました。」

と恭しく下がっていく。


「さて、今日はレーション作りだ!材料はもうあるが、お前達が1人の時にも作れるように買い出しから行う。」

縁は3人に言った。

「ついでに冒険者ギルドに寄って、賞金を貰ってこよう。色をつけてくれるそうだから、期待できるな。」

と続けた。

「レーションって作るの難しそうなんですけど、僕らにできるんですかね?」

不安そうにヤンガが言った。

「大丈夫だ。炒めて混ぜて固めるだけだからな。」

縁はサーブされた鶏粥を啜りながら言った。

「買い物からするのは楽しみだわ。」

とにこにこ顔のユエが言った。


ゆっくりとした朝食を終え、縁たちはたわいのない話をしながら、冒険者ギルドに向かう。

ギルドでは相変わらず芷瑶(ヂーャォ)がカウンターに立っていた。他にも受付嬢はいたが、何となく芷瑶の元に向かう。

「芷瑶さん、リザードマンの集落の件なんだが、賞金は渡してもらえるか?」

縁と弟子3人は冒険者カードを出す。

「縁様達の賞金ですね。白金貨10枚になっています。他の人の倍ですよ!倍!」

芷瑶は笑みを浮かべて言った。他の受付嬢が、カウンターの奥から小袋を持ってくる。

「確認の上、お納めください。」

と縁達に渡した。

「おお…」

ヤオが小さく声を漏らす。

「すごい額ですね…」

ヤンガも驚きを隠せない。

ユエは袋を覗き込み、

「しばらく宿代に困らないわね。」

と呟いた。

「ありがとう。確かに頂いたよ。」

と縁が礼を言った。


冒険者ギルドを出て、縁たちは食品を扱う通りに向かった。そして、小麦粉、バター、ナッツ類、クコの実などのドライフルーツ、蜂蜜、山椒を買っていった。弟子たちはみな、

ー山椒???ー

と顔を見合せたが、口には出さなかった。


縁はさらに雑貨屋で、割烹着を3着購入した。

さて、瑠璃の小箱亭の厨房に割烹着姿の4人がいる。ピカピカに磨き上げられた厨房に、男子二人はもうやる気が削がれていた。

…料理のプロの世界だよこれ。自分が何しでかすか見当もつかなくて、怖いなぁ。…

とヤンガがヤオに思考共有する。

…だよな。師匠からエプロン貰ったけど、絶望的に似合わねぇよな。…

とヤオが割烹着の袖を伸ばす。そこに、

「そこの男子2人、戦闘でもないのにビビってるんじゃないわよ。」

とユエがニヤニヤしながら言った。

「じゃあユエは自信あるのかよ〜?」

とヤオがジト目で見つめる。

「私?自信なんてこれっぽっちもないわ!師匠の指示に従えばできるから、心配してないの。」

と胸を張ってユエが言った。


そんな3人を見て縁は、

ーいつもはこのぐらいで〜とかで作っていたが、今回は大さじ小さじとか具体的に言わなきゃダメそうだなぁ…。ー

と一抹の不安を覚えていた。


これから楽しいレーション作りが始まる。

はずだった…。

ーーーそして縁の不安が静かに、現実になろうとしていた。



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