航海(2)
今回は海賊の話です。
希望丸が多数の小舟に取り囲まれていた。
どうやら海賊達の襲撃らしい。
鬱陶しい、目障り、邪魔だ。
イライラするから始末しよう。
「何で大風が吹くんだ」
「雨まで降ってきた」
「今まで穏やかだったのに」
「助けてくれ」
「死にたくない」
暴風雨魔法で海賊達を海の藻屑にしてやろうと思ったが、海賊といえば溜め込んだ財宝よね。
「悪い顔になっているわよ。どうせ海賊の財宝を強奪しようと思っているのでしょう」
カスミからツッコミを入れられた。
図星よ、良く分かったわね、流石は私の幼馴染み。
「貴方達のアジトの場所を吐きなさい」
「冗談じゃねえ」
「ふざけるな」
「誰が吐くか」
海賊達にアジトの場所を白状させようとしたのに、拒否しやがった。
仕方なく悪夢の魔法を掛けてやった。
「苦しい」
「もう止めてくれ」
「勘弁してくれ」
海賊達は寝言で助命を懇願し始めた。
「何をしたのよ」
「悪夢の世界に招待しただけよ」
「アジトは此処から南に五キロ程の孤島だ」
「ありがとう。さようなら」
アジトを白状した海賊達は用済みなので、容赦なく海に放り投げた。
「ひでえ」
「えげつない」
「悪魔の所業だ」
「悪魔幼女だ」
周囲の船員達から非難されて、悪魔幼女と呼ばれてしまった。
解せない、理不尽だ、私は悪くない。
「溜め込んだ財宝を全て出しなさい」
飛行魔法でアジトに乗り込んで、財宝を要求した。
「幼女の癖に舐めるな」
「返り討ちにしてやる」
「我々が幼女一人に殺られるなんてあり得ない。もしかしてあの強欲な怪物王女の子孫か」
怪物王女は海賊達に何をしたのだろう。
強欲だと言われたのも初めてだ。
財宝を異空間倉庫に収納して、希望丸に空間転移した。
もちろん海賊達は一人残らず始末した。
「それで財宝をどうするの」
「もちろん孤児院に寄付するわよ」
私の怪物王女みたいに強欲じゃないので、迷わずに孤児院に寄付すると答えた。
次回は半魚人の話の予定です。




