ダイヤモンド自由国
今回はダイヤモンド自由国の話です。
「ダイヤモンド自由国は冒険者の国よ」
冒険者の国なんて最低だ。
嫌だ、行きたくない、帰りたい。
「カノン様、ダイヤモンド自由国は素通して、本国に帰国しませんか」
「駄目よ」
駄目と言われた、素通りを拒否された、帰国が認められなかった。
「小娘と幼女が冒険者ギルド総本部に何の用だ」
総本部に入ろうとしたら、いきなり幼女呼ばわりする馬鹿な冒険者が現れた。
鬱陶しい、目障りだ。消えてしまえ。
「い、痛てえ。何をしやがる」
両肩の関節を外してやると、大きな悲鳴を上げやがった。
悲鳴を上げるな、叫ぶな、耳障りだ。
冒険者なので闘気じゃなく、殺気を放ってやったら、卒倒しやがった。
「今の悲鳴は何だ」
職員らしいのが悲鳴を聞き付けて来たので、その場を離れた。
「トワ、やり過ぎですよ」
カノン様に叱責されてしまった。
「関節を外されているな。直ぐに治してやる」
「グランドマスター、ありがとうございます」
職員ではなくグランドマスターだった。
「誰にやられた」
「・・・・それは」
「ハッキリ言え」
「其処の幼女にです」
「はぁ、其処の幼女だと」
グランドマスターが私を見た。
「お前、幼女に関節を外されたのか。お前はそれでも冒険者か」
「申し訳ありません」
「お嬢ちゃん、冒険者か」
「違います」
「グランドマスター、私はルビー帝国ルンバ公爵家長女カノンです。この度はダイヤモンド自由国と我が国の友好の為に参りました。この者は私の護衛です」
「ルビー帝国パワフル辺境伯家四女トワです。カノン様の護衛を務めております」
「ルビー帝国の使者か。話は聞いている。それにしても幼女が護衛とは人手不足なのか」
「彼女は優秀な護衛です。侮辱しないで下さい」
「優秀ね。それなら実力を試させてくれ」
「良いでしょう。トワも構いませんね」
「はい」
「それじゃ訓練場に移動するか」
「俺直々に試させてもらう」
「分かりました」
「お嬢ちゃん、武器はどうする」
「素手で構いません。私は格闘技が一番得意なのです。グランドマスターはお好きな武器をどうぞ。それから私はトワです」
「それじゃ俺も素手にする」
「後悔しても知りませんよ」
「言ってくれるじゃないか」
「それでは試合開始」
「先に一発だけ攻撃させてやる」
「それじゃ御言葉に甘えて」
私は軽くグランドマスターの腹に正拳突きを放った。
「げぇげげげ」
グランドマスターは奇声を上げて、気絶してしまった。
「それまで、勝者トワ」
勝敗はあっさりと着いた。
「完敗だよ。侮辱して悪かったな。お詫びに今夜は歓迎の宴を開くから楽しみにしてくれ」
騙された。
何が楽しみにしてくれだよ。
百人組手の歓迎の宴なんて冗談じゃない。
「周辺国の訪問は完了したから、帰国します」
トワ達は本国に向かって出発した。
「どうやら怪物幼女達は周辺国を訪問しているらしいわよ。最初はエメラルド聖国だって」
「エメラルド聖国に向かうわよ」
「待てよ。最後の訪問国の方が良くないか。すれ違いの可能性が少ないだろう」
「確か最後の訪問国はダイヤモンド自由国よ」
「彼処には知り合いが多いから好都合じゃない」
「分かった。ダイヤモンド自由国に向かうわよ」
次回はすれ違いの話です




