真夏の夜に静かに灯る
「さっきのどう思う?」
「気づいたかもしれん。永田、このことがバレたら会社にも家族にも会えなくなるかもしれない。分かるよな?」
永田と呼ばれた大男は、その帽子でかくれた瞳を向ける。
その目は生きている人間とは思えないそんな死人のような目をしていた。
サラリーマン風の男はハンカチを取り出し首元に溜まった汗を拭う拭う。
「やるしかないか」
「分かった。ならとっとと済まそう。そして裏の山奥にでも埋めてしまおう。そしたら見つかりっこない。あの時もそうだった。」
「なら早くカメラを取り外すぞ。益田、そっちを頼む。」
「分かった。」
永田はそそくさと技術室の四角の机に取り付けられた隠しカメラを取り外す。
教室の机は計6台、その全部に隠しカメラを仕掛けてある。そしてコンセントには盗聴器を仕掛けていてそれらもはずす。最後に黒板の上の放送機に取り付けたカメラも取り外した。
これらは全て女子生徒の裸を盗撮するためだ。
ここは夏にはプールの時、更衣室として利用されることが多いためだ。
技術室には一つだけ教員だけが利用できる鍵のかかった扉があり、そこからすぐに裏のプールに繋がっている。なのでプールの時はその扉を開け、更衣室として利用するのだ。
全て取り終わり、一息つくまもなく益田は扉を開けた。
そして右左とのぞき込む。
「さて、先程は驚かされたが、2人はどこに行ったかな。」
「まだ遠くには行っていないはずだ。」
「あの二人はなにか目的があってここに来ていたようだ。きっとまだかえって無いだろう。馬鹿なヤツらだ。素直に帰ればよかったのに。」
「何を言っている。帰ろうとしてたらもう捕まえていただろ?」
「ふふふ、そう思うか?なら、そうなのかもな」
「全く。食えない野郎だ。ほら、これ持てよ」
永田は益田にバールを渡した。
そして黒のゴミ袋とガムテープも用意する。
「さあ、さっさと終わらせよう。」




