↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なぜか無双の盗賊は、婚活パーティーに入れこむ!?  ~お人好し転生者の盗賊ライフ~  作者: さとうはるか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/36

4 三人の美女


 な、なんだ!?  驚愕した俺が眼を向けた先には、左右の豊かな膨らみに押し潰されたかのような一本線。


 ――凄い巨乳キターッ! なぜ? 何故、俺のところに巨乳が!?


「あのぉ……御迷惑…でしたか?」


 眼を奪われる胸の谷間の一本線から目を上げると、そこには――美人だ。

 ゆるいウェーブを描く明るい金髪。細い顎に、少しタレ目気味の大きな瞳。


 美人なのに愛らしさを残してるような美人だが、反則なのはその胸!

 こっちに向けて腰を曲げて覗き込んでいるけど――その両腕だ、胸挟んでるでしょ! てか、ワザとやってない、そのポーズ!


「い……いや、別に――迷惑じゃないけど……」


 もう、内心はバクバクで眼は胸の谷間に釘づけだけど、そこは平静を装って俺は答える。

 すると金髪の美女は身体を起こして、両腕でぐっと左右から胸を挟んだ。


「ほんと!? 嬉しいですぅ! ――あ、こちらのお兄さん、相席いいって!」


 美女はなんか手を振って、遠くにいる人を呼んでいる。

 なに? この金髪美女だけじゃなかったのか?


 というか、この美女の格好、なんか既視感がある。なんだ?

 ……あ~、あれだ。判った! 白いロングコートを羽織ってるんだけど、中は何故か胸元が凄く空いたピンクのブラウスに、黒のミニのタイトスカート。


 ……これ、保健室のエロ保険医コーデだろ。

 いや、白衣ではなくあくまでコートぽいし、どうも細部が違うから保健室のエロ先生じゃあなくて――多分、僧侶とか神官。


 とか俺が考えてると、その金髪保険医に呼ばれた二人がテーブルにやってくる。

 

「あぁ、どうも、ありがたい」

「本当に、助かりました」


 エロ保険医の知り合いなら、おかしな人かと思ったが、後から来た二人の女の子はまともそうに見えた。


 一人は青い髪をロングのストレートに伸ばした、アスリートっぽい少女。

 紺のブレザーに青のフレアスカートがなんか制服っぽいが、その腰には太い革のベルトを巻いて、そこに剣を差してるところを見ると、剣士といったところか。


 もう一人は細くて華奢な感じで、銀髪のボブ。そして大きな眼鏡をかけている。

胸に二重になったひらひらがついてるベージュのトレンチコートを着て、中は白いブラウスの胸に黒い大きなリボン。格好から見ると、どうも魔導士っぽい。


 二人は席に着くと、青い髪の少女が大きな声で給仕を呼んだ。


「すみませ~ん! とりあえず、ビール3つ!」


 お~、なんか青髪ストレートでクールビューティー系に見えたけど、いける感じの人か。

 そんな少し驚いた俺に、銀髪の眼鏡ちゃんがにっこりと微笑した。……なかなか可愛いじゃないか。


 ビールが3つ来ると、最初の金髪保険医が声をあげる。


「それじゃあ、お兄さんとわたしたちの今日の出会いに――カンパーイ!」

「「カンパーイ!」」


 あ、乾杯なわけね。俺は自分のジョッキをあげてみせた。

 で、料理が来て、食が進み始めると、金髪保険医が俺に訊いてくる。


「あのぉ~、お兄さんは冒険者さんですかぁ?」

「え? そう見える?」

「えぇ、なんか……ちょっと戦ってる感がありますわ」


 金髪保険医はそう言って笑う。


「あ~いずれはそうなるつもりだけど――今はまだかな」


 俺がそう答えると、にっこり笑った金髪保険医の笑顔が――そのまま硬直した。

 ……ん? なんか俺、いけないこと言った?


「あ、あの! もう戦いは経験してるって、ことなんですよね? 職業はなんですか?」


 なんかとりなすように、銀髪眼鏡ちゃんが声をあげる。

 ――ここで職業『盗賊』とか答えると、また面倒なことになるんじゃないのか?

 ……え~と、ごまかすには――


「あ~、『猟師(ハンター)』だね……」


 銀髪眼鏡ちゃんも、何故か笑顔のまま固まる。

 いや、俺、そんなまずい答えだった? そんな固まるような答えだった?


「猟師! じゃあ、もう結構モンスター相手に戦ってるってことだな! ちなみに――レベルは幾つなんだろう?」


 青髪ビューティーが、そう勢い込んで訊いてくる。

 いや、まだこっちに転生して二日目ですけど――


「レベルは……10かな」


 右に倣ったかのように固まる青髪ビューティー。

 なに? 俺の答え、そんなにダメだった? 彼女いなかったし、婚活パーティーとかにも出た事ないから判らんけど!


「あ、まあ……飲みましょうか! 料理もおいしいですね」


 金髪保険医が、にこやかに声をあげる。

 なんだこの、とってつけたような『盛り上がってる感』! どうも、俺は彼女たちにとって落第点だった――らしい。


 ま、しょうがないか。転生したての盗賊じゃあ、将来性も実績もないもんな。

 けど、今日のこの場は、彼女らとの食事を楽しむことにするか。


 そう割り切った俺は、彼女たちと歓談しながら食事を楽しんだ。

そして食事もいい加減進むと、金髪保険医が言う。


「それじゃあ、わたしたち、明日の冒険もありますんでお先しますね」

「あ、そう。それじゃあ、お疲れさま。明日、頑張ってね」

「はい」


 金髪保険医がにっこりと微笑して、少し礼をする。

 ――お、その胸元に、ちょっと視線を奪われる。


「それじゃあ、おやすみなさい」


 金髪保険医がそう言った時には、青髪ビューティーと銀髪眼鏡は、既に出口の方に向かっていた。二人が笑顔で軽く礼をする。

俺は片手をちょっと上げてみせた。


 三人の美女が去ると、なんか俺の席が無性に寂しくなった気がする。


「……俺も帰るか」


 支払いを済ませようとすると、給仕のお姉さんが言う。


「2万1360ワルドになります」

「は?」


 なに!? 俺の聞き違いか?


「あの……もういっぺん言ってもらえます?」

「はい。2万1360ワルドです」


 給仕のお姉さんはにっこり笑う。

 ……やられた。俺は相席するとは言ったけど、奢るなんて一言も言ってないぞ!


 ――あの女三人組ぃぃっ!


「あの~……お支払いは――」

「あ、しますよ、ありますよ、もちろんね……しょうがないな」


 俺は引きつりながらも笑いを浮かべて見せる。


 まったく、なんて奴らだ。ちょっと可愛かったりエロかったりで、こっちの意識が酒もからんで不注意になってるのをいいことに、ただ喰いとは!


「ありがとうございました~」


 給仕さんの声に押されて店の外に出る。もちろん、もう真っ暗だ。


「……プッ、はっはっは!」


 俺はなんか面白くなって、つい笑い声をあげた。


「いやぁ~、うまいことやられた! まったく、用心すべきは己のスケベ心だ」


 異世界で知り合った女子たちに、いきなりただ喰いされるとは、なかなか幸先が思いやられるじゃないか。こんなことゲームにはなかったぞ。


「……そうだな。これがゲームじゃない世界の味わいか」


 この世界に生きてる人々がいて、その人たちはみんな逞しく生きてる。

 あの子たちも、一人でぼんやりしてる俺をみてカモにできると思ったんだろう。


「こりゃあ、身を引き締めて生きていかないとな」


 俺は一人呟くと、前に泊まった宿に向かった。

 しかし、いきなり宿の主人に言われる。


「申し訳ありません、今日はもういっぱいでしてねぇ」


 ――しまった。宿を確保してから夕食に出掛けるんだった。『妖精の護符』がゲットできたのに浮かれて、つい考えなしに行動してしまった。


「参ったな……今から別の宿を探すか」

「あ、居心地にこだわらないんだったら、最近できた、二つ向うの通りのカプセル宿屋だったら空いてるかもしれませんよ」

「カプセル宿屋?」


 俺は妙な言葉に、ちょっと興味を惹かれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。